インタビュー 作品集
『SMILE GAKU IGARASHI初作品集』
/ ペンキで着色する塗り絵や、アーティストインタビューなど、 /
さまざまなチャレンジが結実したユニークな作品集。
オーストラリアの保育士免許を持ち、幼児英語教育にも携わっているアーティストの五十嵐岳さんと、大阪の塗料販売会社「六り」(ろくり)様がコラボして制作した作品集です。カラフルな絵画作品に加えて、「ペンキで着色する塗り絵」が収録されており、「六り」様のECサイトでは作品集と塗料のセットも販売されています。本の制作は初めてながら、さまざまなチャレンジをしたお話などを、「六り」の制作担当の方にうかがいました。
五十嵐さんはオーストラリアで保育士をしていたこともあるので、
子どもたちに向けて何かしたいという意識が強くあり、
塗り絵自体はお子さんをターゲットにしています。
はじめに、「六り」(ろくり)様の事業内容を教えていただけますでしょうか。
基本的にはECサイトで塗料の販売をしております。それに加えて、最近はインフルエンサーやアーティストの方とコラボしたグッズを販売したり、塗料を使ったイベントや、アーティストによるワークショップを開催したりといったことをメインの活動にしています。
塗料の販売会社さんがアーティストさんの作品集を作るというのは珍しいんじゃないですか。制作しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
弊社とコラボできそうなアーティストの方をInstagramで探していたときに、今回の本の作者である五十嵐岳さんという画家の方に出会いました。五十嵐さんが描く小人や、「ハッピーピープル」というキャラクターはとてもかわいらしくてほっこりする絵で、それを塗り絵にした作品集を制作し、たくさんの人に見ていただきたいと思ったことがきっかけですね。
五十嵐さんにお声をかけたときの反応はいかがでしたか。
五十嵐さんからは、「ぜひ一緒にやらせてください」というお返事をいただきました。そして、来社していただいて、どのように作品集を作っていくかをお話しし、五十嵐さんのほうからもアイデアを出していただきながら制作を進めていきました。
この作品集には塗り絵のページがたくさんありますが、ターゲットとしては小さなお子さんのいる方々になりますか。
五十嵐さんはオーストラリアで保育士をしていたこともあるので、子どもたちに向けて何かしたいという意識が強くあり、塗り絵自体はお子さんをターゲットにしています。ですが、五十嵐さんのファン層が30代から50代ぐらいの女性なので、そういう方にも楽しんでいただけるように内容を考えました。
巻末に五十嵐さんのインタビューを載せたのも、そういうことがきっかけになっているのでしょうか。
五十嵐さんへのインタビューは私の上司のアイデアです。もともとは塗り絵と作品だけの予定だったのですが、ほかの企画も入れようと思って上司に相談したら、インタビューはどうかと言われて、実際にインタビューさせていただきました。
五十嵐さんの愛用している画材や、アトリエのお気に入りの場所を紹介する記事は、塗料会社さんらしいなと思いました。
これは私が考えたのですが、塗料会社といっても、扱っているのは絵を描く画材と全く違います。なので、画材を見ても何をするものかがわからなかったりして、そういうお話をうかがうのは大変興味深かったですね。
用紙のサンプルにペンキで試し描きをして、
どれが一番合っているか調べたのですが、
何十枚もの紙に色を塗ったりしたので、一番時間がかかりました。
作品集を作るにあたり、「ガップリ!」を見つけた経緯や選んだ決め手は何だったのでしょうか。
「ガップリ!」さんは、インターネットで印刷会社を探していた際に見つけました。ほかに候補がもう1社あって迷いましたが、最終的に「ガップリ!」さんに決めました。その理由は、第一に価格が安かったことです。あと、「ガップリ!」さんのホームページで見た冊子作りの説明や製作工程が、明確でわかりやすかったこともありました。ほかにも、1冊の本で2種類の紙を使いたいという要望に応えてもらったこと、納品前にサンプルで仕上がりを確認できることが決め手となりました。
「六り」様で本を作るのは、今回が初めてですか。また、上製本にしたのはどうしてでしょうか。
本を作るのは初めてです。構成を考えるのも大変でしたし、かなりのチャレンジだったと思います。上製本にしたのはボリュームがあって高級感のある作品集にしたかったので、豪華に見える上製本を選びました。
上製本なのに、塗り絵のページに切り取り線を入れて、切り離して使うよう案内しているのは、かなり斬新というか、贅沢な使い方だと思うのですが。
弊社は塗料をメインに扱っている会社なので、ペンキを使って塗り絵ができるようにしたかったということがあります。もしページを切り離さないでペンキを塗ると、紙が少し湿って、下のページに色が移ったり、本全体が湿気でふやけたりするので、切り離すことは必須と考えていました。
紙を2種類使用したかったのは、塗り絵と作品のページで用紙を分けるためだったんですね!
塗り絵は色鉛筆ではなく、ペンキで塗れるようにするため、塗り絵のページと作品を掲載するページで、使用する紙を分けました。塗り絵のページには、ペンキを塗ったときに紙が塗料をはじいたりせず、着色もうまくできて発色が良く、破けないくらいの強度がある紙を選びました。それが「HS画王」という紙で、作品掲載ページは作品が美しく見えるように、少しツヤ感のある「サテン金藤」を選びました。
ほかにも制作上でこだわった点や、大変だったことはありますか。
作品が見やすかったり、塗り絵がしやすかったりするように、ガバッと開けられる本の綴じ方として、糸かがり綴じを選んだのも工夫したところです。大変だったことは、やはり塗り絵の用紙選びでした。無料で取り寄せられる用紙のサンプルにペンキで試し描きをして、どれが一番合っているか調べたのですが、何十枚もの紙に色を塗ったりしたので、一番時間がかかりました。
この作品集で、一番見てもらいたい点はどこでしょうか。
塗り絵ももちろん見ていただきたいのですが、作品集に入れた4点の新作(P72~75)もぜひ見てもらいたいですね。これらはペンキで描いた絵なのですが、五十嵐さんは「六り」と出会うまで、ペンキはあまり使ったことがなかったそうです。ペンキはツヤ感があって、絵がツヤツヤしておもしろい質感なので、注目して見ていただきたいです。
今の時代の流れとして、形になって残るものが
どんどん減っていっている気がするので、
逆に印刷物を作って残していくのがおもしろいのではないかと思いました。
作品集ができたときの感想はいかがでしたでしょうか。
納品前サンプルで仕上がりが大体確認できたので、思っていたとおりに仕上がって安心したというのと、初めて本作りをしたので、実際に本が届くと、パソコン上でデータを作成したものが、ちゃんと“本”になったんだという、うれしさがありました。五十嵐さんもとても喜んでいましたよ。もっと簡単な、冊子状の絵本みたいなものは、ほかの企業さんとコラボして作ったことがあるそうですが、こういう作品集は初めてだとうかがいました。
作品集は「六り」様のWebサイトで販売されているそうですが、ほかにはどのように活用されているのでしょうか。
昨年(2022年)、五十嵐岳さんの個展を大阪で開催した際に、その場に作品集を展示し、販売もしました。そのほか、おもに東京ですが、五十嵐さんがポップアップイベントや個展を開いたときに、この作品集を紹介していただいています。
五十嵐さんのファンの方や、この作品集を購入された方などからの反応や感想は届いていらっしゃいますか。
ファンの方からは、「待っていました!」「内容が盛りだくさんで、読むのが楽しみです」といったうれしいお言葉をいただきました。あとはSNSで、作品集の塗り絵を楽しんでいる様子もアップされていました。
今後も今回の作品集のような印刷物を作りたいと思いますか。
そうですね。今の時代の流れとして、形になって残るものがどんどん減っていっている気がするので、逆に印刷物を作って残していくのがおもしろいのではないかと思いました。
初めての上製本制作なのに、ネット上のやり取りは心配ではなかったですか。
心配はなかったですね。やはりホームページをしっかり制作されているのと、スタッフさんにご相談できる窓口があるので、実際に対面でお会いしなくても、スムーズに制作できたかなと思います。不安な点は連絡して質問をすると、その場で答えられることはすぐに答えていただき、返答に時間がかかっても次の日ぐらいまでにはお答えいただけたので、不安を解消しつつ、制作することができたと思います。
最後に、「ガップリ!」のサービスに対する感想を一言いただけますでしょうか。
今回作品集を制作するにあたって、初めて本作りをすることもあって、お電話で何度も相談したのですが、そのたびに、ていねいに対応していただいたことが印象に残っています。
【Gaku Igarashi】初作品集『SMILE』
https://rokuri-style.shop/product/view?id=797
【Gaku Igarashi】作品集カラーリングセット
https://rokuri-style.shop/product/view?id=802
ペンキで塗り絵ができるなんて、とってもおもしろそうですね!
これからも、どんな新しい塗料の使い方を発信してくれるのか楽しみです。お話、ありがとうございました。
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ガップリ!で印刷・製本した作品をご紹介「ガップリ!ギャラリー」
「ガップリ!ギャラリー」では、ガップリ!で印刷・製本したお客さまの製作事例をご紹介しています。
ギャラリーでは、作品の写真だけではなく、仕様や特徴、お客さまインタビューなども掲載しています。検索機能もあり、「製本タイプ」「サイズ」「用途」「オプション加工」「業種」から絞り込んで、素早く見たい製作事例が探せます。
「ガップリ!ではどんなことができるのか過去の作品を確認したい」「本づくりのヒントが欲しい」という方には参考になると思いますので、ぜひご覧ください。
さまざまなチャレンジが結実したユニークな作品集。
オーストラリアの保育士免許を持ち、幼児英語教育にも携わっているアーティストの五十嵐岳さんと、大阪の塗料販売会社「六り」(ろくり)様がコラボして制作した作品集です。カラフルな絵画作品に加えて、「ペンキで着色する塗り絵」が収録されており、「六り」様のECサイトでは作品集と塗料のセットも販売されています。本の制作は初めてながら、さまざまなチャレンジをしたお話などを、「六り」の制作担当の方にうかがいました。
五十嵐さんはオーストラリアで保育士をしていたこともあるので、
子どもたちに向けて何かしたいという意識が強くあり、
塗り絵自体はお子さんをターゲットにしています。
はじめに、「六り」(ろくり)様の事業内容を教えていただけますでしょうか。
基本的にはECサイトで塗料の販売をしております。それに加えて、最近はインフルエンサーやアーティストの方とコラボしたグッズを販売したり、塗料を使ったイベントや、アーティストによるワークショップを開催したりといったことをメインの活動にしています。
塗料の販売会社さんがアーティストさんの作品集を作るというのは珍しいんじゃないですか。制作しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
弊社とコラボできそうなアーティストの方をInstagramで探していたときに、今回の本の作者である五十嵐岳さんという画家の方に出会いました。五十嵐さんが描く小人や、「ハッピーピープル」というキャラクターはとてもかわいらしくてほっこりする絵で、それを塗り絵にした作品集を制作し、たくさんの人に見ていただきたいと思ったことがきっかけですね。
五十嵐さんにお声をかけたときの反応はいかがでしたか。
五十嵐さんからは、「ぜひ一緒にやらせてください」というお返事をいただきました。そして、来社していただいて、どのように作品集を作っていくかをお話しし、五十嵐さんのほうからもアイデアを出していただきながら制作を進めていきました。
この作品集には塗り絵のページがたくさんありますが、ターゲットとしては小さなお子さんのいる方々になりますか。
五十嵐さんはオーストラリアで保育士をしていたこともあるので、子どもたちに向けて何かしたいという意識が強くあり、塗り絵自体はお子さんをターゲットにしています。ですが、五十嵐さんのファン層が30代から50代ぐらいの女性なので、そういう方にも楽しんでいただけるように内容を考えました。
巻末に五十嵐さんのインタビューを載せたのも、そういうことがきっかけになっているのでしょうか。
五十嵐さんへのインタビューは私の上司のアイデアです。もともとは塗り絵と作品だけの予定だったのですが、ほかの企画も入れようと思って上司に相談したら、インタビューはどうかと言われて、実際にインタビューさせていただきました。
五十嵐さんの愛用している画材や、アトリエのお気に入りの場所を紹介する記事は、塗料会社さんらしいなと思いました。
これは私が考えたのですが、塗料会社といっても、扱っているのは絵を描く画材と全く違います。なので、画材を見ても何をするものかがわからなかったりして、そういうお話をうかがうのは大変興味深かったですね。
用紙のサンプルにペンキで試し描きをして、
どれが一番合っているか調べたのですが、
何十枚もの紙に色を塗ったりしたので、一番時間がかかりました。
作品集を作るにあたり、「ガップリ!」を見つけた経緯や選んだ決め手は何だったのでしょうか。
「ガップリ!」さんは、インターネットで印刷会社を探していた際に見つけました。ほかに候補がもう1社あって迷いましたが、最終的に「ガップリ!」さんに決めました。その理由は、第一に価格が安かったことです。あと、「ガップリ!」さんのホームページで見た冊子作りの説明や製作工程が、明確でわかりやすかったこともありました。ほかにも、1冊の本で2種類の紙を使いたいという要望に応えてもらったこと、納品前にサンプルで仕上がりを確認できることが決め手となりました。
「六り」様で本を作るのは、今回が初めてですか。また、上製本にしたのはどうしてでしょうか。
本を作るのは初めてです。構成を考えるのも大変でしたし、かなりのチャレンジだったと思います。上製本にしたのはボリュームがあって高級感のある作品集にしたかったので、豪華に見える上製本を選びました。
上製本なのに、塗り絵のページに切り取り線を入れて、切り離して使うよう案内しているのは、かなり斬新というか、贅沢な使い方だと思うのですが。
弊社は塗料をメインに扱っている会社なので、ペンキを使って塗り絵ができるようにしたかったということがあります。もしページを切り離さないでペンキを塗ると、紙が少し湿って、下のページに色が移ったり、本全体が湿気でふやけたりするので、切り離すことは必須と考えていました。
紙を2種類使用したかったのは、塗り絵と作品のページで用紙を分けるためだったんですね!
塗り絵は色鉛筆ではなく、ペンキで塗れるようにするため、塗り絵のページと作品を掲載するページで、使用する紙を分けました。塗り絵のページには、ペンキを塗ったときに紙が塗料をはじいたりせず、着色もうまくできて発色が良く、破けないくらいの強度がある紙を選びました。それが「HS画王」という紙で、作品掲載ページは作品が美しく見えるように、少しツヤ感のある「サテン金藤」を選びました。
ほかにも制作上でこだわった点や、大変だったことはありますか。
作品が見やすかったり、塗り絵がしやすかったりするように、ガバッと開けられる本の綴じ方として、糸かがり綴じを選んだのも工夫したところです。大変だったことは、やはり塗り絵の用紙選びでした。無料で取り寄せられる用紙のサンプルにペンキで試し描きをして、どれが一番合っているか調べたのですが、何十枚もの紙に色を塗ったりしたので、一番時間がかかりました。
この作品集で、一番見てもらいたい点はどこでしょうか。
塗り絵ももちろん見ていただきたいのですが、作品集に入れた4点の新作(P72~75)もぜひ見てもらいたいですね。これらはペンキで描いた絵なのですが、五十嵐さんは「六り」と出会うまで、ペンキはあまり使ったことがなかったそうです。ペンキはツヤ感があって、絵がツヤツヤしておもしろい質感なので、注目して見ていただきたいです。
今の時代の流れとして、形になって残るものが
どんどん減っていっている気がするので、
逆に印刷物を作って残していくのがおもしろいのではないかと思いました。
作品集ができたときの感想はいかがでしたでしょうか。
納品前サンプルで仕上がりが大体確認できたので、思っていたとおりに仕上がって安心したというのと、初めて本作りをしたので、実際に本が届くと、パソコン上でデータを作成したものが、ちゃんと“本”になったんだという、うれしさがありました。五十嵐さんもとても喜んでいましたよ。もっと簡単な、冊子状の絵本みたいなものは、ほかの企業さんとコラボして作ったことがあるそうですが、こういう作品集は初めてだとうかがいました。
作品集は「六り」様のWebサイトで販売されているそうですが、ほかにはどのように活用されているのでしょうか。
昨年(2022年)、五十嵐岳さんの個展を大阪で開催した際に、その場に作品集を展示し、販売もしました。そのほか、おもに東京ですが、五十嵐さんがポップアップイベントや個展を開いたときに、この作品集を紹介していただいています。
五十嵐さんのファンの方や、この作品集を購入された方などからの反応や感想は届いていらっしゃいますか。
ファンの方からは、「待っていました!」「内容が盛りだくさんで、読むのが楽しみです」といったうれしいお言葉をいただきました。あとはSNSで、作品集の塗り絵を楽しんでいる様子もアップされていました。
今後も今回の作品集のような印刷物を作りたいと思いますか。
そうですね。今の時代の流れとして、形になって残るものがどんどん減っていっている気がするので、逆に印刷物を作って残していくのがおもしろいのではないかと思いました。
初めての上製本制作なのに、ネット上のやり取りは心配ではなかったですか。
心配はなかったですね。やはりホームページをしっかり制作されているのと、スタッフさんにご相談できる窓口があるので、実際に対面でお会いしなくても、スムーズに制作できたかなと思います。不安な点は連絡して質問をすると、その場で答えられることはすぐに答えていただき、返答に時間がかかっても次の日ぐらいまでにはお答えいただけたので、不安を解消しつつ、制作することができたと思います。
最後に、「ガップリ!」のサービスに対する感想を一言いただけますでしょうか。
今回作品集を制作するにあたって、初めて本作りをすることもあって、お電話で何度も相談したのですが、そのたびに、ていねいに対応していただいたことが印象に残っています。
【Gaku Igarashi】初作品集『SMILE』 | https://rokuri-style.shop/product/view?id=797 |
【Gaku Igarashi】作品集カラーリングセット | https://rokuri-style.shop/product/view?id=802 |
ペンキで塗り絵ができるなんて、とってもおもしろそうですね!
これからも、どんな新しい塗料の使い方を発信してくれるのか楽しみです。お話、ありがとうございました。
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- 株式会社スタジオ366様
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- 蘆野ゆり子様
- 『モノクロリウム』
- 未早様
- 魔女のレストラン
- 株式会社グラフィッコ様
- WHAT'S THIS?
- SAKURA様
- たのしみながら少しづつ
- 山下 泰様
- 「カレンダー」「手帳」「カードブック」
- yojibee様
- ここに生まれてきたんだよ
- 伊敷トゥートリサ様
- やぎちゃんと秘密の線香
- 八木 宏幸様
- Fantasy
- Yuri Alfrancaix様
- ちびおるめのひと駅の大冒険
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- 『itonami』
- はたらきアリ出版(著者 浜野かもめ)様
- C4 DESIGN LABEL CALENDAR
- 株式会社シーフォーデザインレーベル様
- 智代の絵手紙(食)(心)(花)
- 虹色工房様
- 日めくりカレンダー
- 有限会社アーデルバッティングドーム様
- GARO
- クニプ―様
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- てふ ひらり はたり
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- いちにち
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- イトウってなーんだ?
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