超高精細デジタル印刷
超高精細デジタル印刷ってなに？
枚葉型インクジェットデジタル印刷機を使用したハイクオリティ印刷
「超高精細デジタル印刷」は、枚葉型インクジェットデジタル印刷機を使用した印刷です。この印刷機はスピーディーで少部数から印刷できる機動性の高いデジタル印刷機でありながら、インクジェットの描画部分に超高密度・高精度のプリントヘッドを搭載しているため、これまでの印刷をしのぐ仕上がりを実現します。
超高精細デジタル印刷の特長
① 従来の印刷(オフセット印刷・オンデマンド印刷)より高精細な印刷が可能に！
▲超高精細印刷を可能にする「Sambaプリントヘッド」
超高精細デジタル印刷はインクジェット方式で、インクは超高密度・高精度に吐出されます。
これまでオンデマンド印刷よりオフセット印刷のほうが精細とされていましたが、超高精細デジタル印刷の網点の打滴正確性はオフセット印刷と比べても高く、高精細な網点再現が可能。網点の密度で画像の階調を表すFMスクリーニング的な出力でも、FM20μ相当(1つの網点の大きさが20μ)の出力を実現し、細かい色の差も滑らかに表現できるようになりました。また、吐出安定性にも優れており、たくさん刷っても色ブレが起きにくいという特長もあります。
加えて、印刷用紙には付着したインク滴が混ざらないよう、にじみ防止のためのプレコンディショナーを塗布するので、美しいグラデーションや繊細なラインの再現を実現します。
/超高精細デジタル印刷によるメリット/
- オフセット印刷を凌ぐ精細さで、毛や繊維等のディテールも密度が高くきめ細やかな印象に
- 陰影や色のグラデーションが潰れずなめらかになり、美しく自然な仕上がり
② 従来の印刷(オフセット印刷・オンデマンド印刷)より表現できる色域が広い
当社では「Japan Color 認証制度」を活用したカラーマネージメントを行い、オフセット印刷でもオンデマンド印刷でも、同じ品質基準で印刷することを目指しています。
超高精細デジタル印刷も同じように、通常はJapan Colorの定めた色域で印刷しますが、印刷機にはJapan Colorよりも広い色域を表現する性能があるため、「広色域モード」に設定することで従来の印刷(オフセット印刷・オンデマンド印刷)では表現できなかった色域の色を再現できるようになりました。
これは広い色域と優れた発色性を持つ独自開発された水性顔料インクによるもので、色彩豊かな写真や絵画も鮮やかにプリントします。
※標準はJapan Colorで印刷、「広色域モード」はオプションとなります。
- 通常のオンデマンド印刷では表現できなかった色域で、彩度・透明感を損なうことなく再現
- 色が幅広く出るため暗さやくすみが減り、より鮮やかさが際立つ印刷物
オンデマンド印刷では出にくい色が、超高精細デジタル印刷では綺麗に再現できます
③ 用紙の汎用性に優れた超高精細デジタル印刷
対応する用紙サイズは最大750×585ｍｍまでで、従来は大量部数向きのオフセット印刷でしか刷れなかった大判の商品が少部数から印刷できるようになりました。
大きなサイズの本も最大でA4ワイド・B4変形サイズまで対応可能で、躍動感あふれる絵本や、迫力のある写真集なども製作できます。
また、A5サイズなら一枚の用紙に16ページ(面)もまとめて配置することができるため、ページ数が多く本文を糸かがり綴じ加工するような本格的な上製本の印刷にも活用できます。
超厚紙印刷にも対応し、これまでオンデマンド印刷では均等に印刷するのが難しかったエンボス紙の凹凸にもインクがきれいにのるようになりました。
超高精細デジタル印刷の商品用途
写真集
超高精細デジタル印刷は、写真集での活用がオススメです。あふれる色彩の風景写真や被毛1本1本まで捉えた動物写真、魅力的な表情の人物写真なども鮮やかに印刷し、繊細な濃淡の表現で奥行き感のあるモノクロ写真も美しく再現します。
ペインティングの作品集
光沢感や重厚感のある油彩画も、やさしく透明感のある水彩画も、超高精細デジタル印刷なら原画の美しさを損なうことなく再現。ひと筆ひと筆ていねいに描いた作品が色鮮やかにプリントされ、高品質な作品集を作ることができます。
絵本
カラフルなイラストが子どもたちの目をひく絵本にも、超高精細デジタル印刷が活躍します。さまざまな画材やデジタルで描かれたイラストを生き生きと再現し、子どもたちの笑顔を誘います。
少部数の大判ポスター
これまでオンデマンド印刷でプリントできない大判ポスターは、少部数でもオフセット印刷で出力していたため、部数の割に時間とコストがかかっていました。超高精細デジタル印刷なら大判のポスターも少部数からスピーディーに印刷でき、コストダウンも実現します。
アートカレンダー
人気のオリジナルカレンダーにも超高精細デジタル印刷が活用できます。画像が鮮明でカレンダーのような小さな商品でも見映えがするので、とくに色鮮やかな絵画カレンダーやアート写真のカレンダーにオススメです。
カラーマネージメント
カラーマネージメントの取り組み
日本にはISO国際標準に準拠した「Japan Color 認証制度」があります。当社は常に同じ品質基準で印刷することを目指し、この認証制度のなかの「Japan Color 標準印刷認証」(オフセット印刷)と「Japan Color デジタル印刷認証」(オンデマンド印刷)２つの認証を2017年11月に取得しました。
そして2024年2月、超高精細デジタル印刷に対応する「Japan Colorプルーフ運用認証」を取得。これにより、オフセット印刷、オンデマンド印刷、超高精細デジタル印刷、どの印刷方式でも同じ品質基準で印刷するノウハウが得られました。
「Japan Color 認証制度」で得たノウハウと長年培ってきた印刷技術を超高精細デジタル印刷にも生かし、これまで通り印刷品質の安定に努めていきます。
オフセット印刷の本紙校正や再版にも活用可能
カラーマネージメントにより、オフセット印刷、オンデマンド印刷どちらで印刷しても同じ品質基準で印刷できるので、オフセット印刷の「本紙校正」や再版にも超高精細デジタル印刷が活用できます。
これまでオフセット印刷の「本機校正」には、本番と同じように版を出力してオフセット印刷機で印刷するため、時間とコストがかかるのが難点でしたが、超高精細デジタル印刷を活用すれば本機校正と同じ品質基準の校正紙を速やかに低コストで印刷することができます。
また、初版をオフセット印刷で大量に刷った印刷物を、部数を減らして再版する場合にも、超高精細デジタル印刷で初版と同じ品質基準で印刷できるので、時間とコストの削減に役立ちます。
環境配慮への取り組み
GP資機材認定制度で「スリースター」の認定を取得
当社で運用している超高精細デジタル印刷の印刷機は、(社)日本印刷産業連合会の「グリーンプリンティング(GP)資機材認定制度」で、3段階評価の最高評価である「スリースター」の認定を取得しています。「グリーンプリンティング資機材認定制度」は、私たち印刷工場が購入・使用する印刷版や洗浄剤などの資材、現像機やデジタル印刷機といった機材を対象に、環境への配慮度を基準に基づき評価し認定するものです。当社はこの認定制度で「スリースター」を取得した超高精細デジタル印刷機を採用しており、環境への配慮に尽力しています。
インクとプレコンディショナーは「NL規制」に準拠
印刷インキにはさまざまな化学物質が含まれているため、印刷インキ工業連合会では、人体や環境に害を及ぼす可能性があると考えられているネガティブな物質(N)をリストアップ(L)して使用を禁止しています。「印刷インキに関する自主規制(NL規制)」という規制で、当社で運用している超高精細デジタル印刷機のインクと、インクのにじみ防止のために印刷用紙に塗布するプレコンディショナーは、この「NL規制」に準拠しています。超高精細デジタル印刷は、高品質なだけでなくSDGs達成に貢献しています。
その他の印刷方式をくわしく見る
ガップリ！では「超高精細デジタル印刷」のほかに、大量印刷にオススメで精細な仕上がりの「オフセット印刷」、少部数から印刷でき発色が鮮やかな「オンデマンド印刷」の全3種類の印刷方式を採用しています。
