インタビュー
スケッチブックシアター『いちかわのかぞえうた。』
/ 楽しい数え歌とおもしろい仕掛けのある絵で、 /
地域の名物や名所を子どもたちに伝える。
「ひとつ何々、ふたつ何々」と、数を数えあげながら歌う「数え歌」の歌詞のモチーフを絵で表現し、歌と絵を楽しむ「スケッチブックシアター」というかたちにした作品です。千葉県市川市の名物や名所を紹介するもので、実際に保育施設などで子どもたちを前にして実演されるほか、YouTubeでも学生による実演動画が公開されています。「いちかわ かぞえうた」プロジェクトでこの作品づくりに関わった、和洋女子大学 人文学部 こども発達学科の中村光絵先生にお話をうかがいました。
紙芝居はバラバラになって屋外では使いにくいし、
公演では何か仕掛けがあったほうが楽しいだろうなということを考慮して、
それでスケッチブックシアターになったんです。
『いちかわのかぞえうた。』を作ったきっかけや目的は何だったのでしょうか。
市川市内の大学と市川市、市川商工会議所が連携する、「大学コンソーシアム市川産官学連携プラットフォーム協議会」というのがあるんですね。このプラットフォーム協議会設立の目的の一つには、市川市の地域課題の解決があります。その課題解決に向けた研究の一環として、同じ市川市内にある和洋女子大学と昭和学院短期大学が連携し、「いちかわ かぞえうた」プロジェクトを立ち上げました。これは、私たち保育者養成校の教員が、子どもたちを通じて親世代や地域の人に市川のことをもっと知ってもらうために、保育教材を提供していくというプロジェクトです。市川市は江戸川を挟んで東京都と隣接しているため若者世代も住んではいるのですが高い人口流動率が地域課題の一つになっています。そこで、市民の地域愛を育むことができれば、この課題解決につながるのではないかと考えたんです。
それで、『いちかわのかぞえうた。』を作られたのですね?
はい。まず市川に関連することを盛りこんだ子ども向けの歌を作りました。ですが、子どもの前で歌うだけでは伝わりにくいだろうということで、スケッチブックシアターを作ることにしたんです。乳幼児はやはり視覚的なものがあったほうが理解が早いし、興味を持ちやすいからです。また、このプロジェクトのもう一つのねらいとしては、保育を学んでいる学生の育成がありました。学生が教員と一緒にこの研究に取り組むことで、自分の住んでいる地域の良さを子どもたちに伝えられる保育者として成長してくれることを願い、このプロジェクトを実行しました。
スケッチブックシアターとは、どのようなものですか。また、どうして、このかたちを選ばれたのですか。
スケッチブックシアターとは、紙芝居のように大勢の子どもと楽しむ視覚教材の一つです。紙芝居の1枚1枚がスケッチブックのようにリングで綴じられていて、それをめくって子どもたちに見せていきます。本来は手作りするものですが、今回は共同研究の製作物ということで、「ガップリ!」さんで100部ほど印刷・製本しました。最初は保育の業界でよく使われているパネルシアターを想定していたのですが、市川市内の保育園、幼稚園も含めてアンケートを取ってみたら、パネルシアターではなく絵本と紙芝居の要望がすごく高かったんです。「この結果は、もしかして園に置いておけるものが欲しいのかな」と思い、紙芝居や絵本を制作することを検討しまた。紙芝居はバラバラになって屋外では使いにくいし、公演では何か仕掛けがあったほうが楽しいだろうということでスケッチブックシアターになったんです。
10個の名所・名物にちなみ、表紙の『いちかわのかぞえうた。』の題字のなかに、1から10の数字を隠し文字として入れています。
『いちかわのかぞえうた。』は、どのような内容で、どのように制作されたのでしょうか。
題名どおり、数え歌を絵にして市川市の名物や名所、史跡などを紹介するというものです。制作は、最初に数え歌の歌詞を作って、そのあとにメロディーをつけてもらい、曲ができたらその歌詞に出てくる名所や名物の画像を探して絵を構成しました。歌に出てくる10個のモチーフは、保育施設でとったアンケートの要望なども取り入れて、共同研究しているメンバーで話し合って決めました。絵を描いたのは、協力をお願いしていた和洋女子大学の有志の学生4名です。そのため、ページによって絵の雰囲気が全然違うのも、おもしろいところですね。「ガップリ!」さんで、印刷・製本していただいてものが届いてからは、1冊1冊みんなで切り貼りをして手作業で仕掛けを作って完成させました。
どのような仕掛けを作られたのですか。
数え歌の「10」のところで、噴水の絵の周囲を、最後、バラの花の額縁で飾る仕掛けを作りました。これは、噴水とバラは別々の絵にして、バラの絵のほうは真ん中を切り抜いて、二枚重ねた時に噴水が見えるようにしたんです。それで、子どもたちに見せる時は、最初に噴水の絵だけを見せてから、バラの絵を上に重ねて、バラの花が咲いて噴水が真ん中に見えるような仕掛けにしました。これは、切り抜く部分にミシン目を入れる方法など、「ガップリ!」さんに考えてもらったのですが、予算的に難しいことがわかり、手作業で行うことになりました。
仕掛けのほかにも、こだわった点や難しかった点はありますか。
スケッチブックシアターは、一人に見せるものではなく、たくさんの子どもたちに見せるものです。遠くから見ても分かるように、はっきりとした色を多く使うなどの工夫をしました。また、10個の名所・名物にちなみ、表紙の『いちかわのかぞえうた。』の題字のなかに、1から10の数字を隠し文字として入れています。子どもたちが楽しんで見つけてくれればいいなと思っています。あとは、スケッチブックシアターが完成するより先に、これを紹介するための動画の撮影日が決まってしまったので、その日に間に合わせるために納期にはこだわりました。
見開きのつなぎ目の部分に印刷のズレがなく、
イメージどおりでよかったねという話を学生としました。
『いちかわのかぞえうた。』ができた時の感想はいかがでしたか。
発色が良く、とてもきれいに印刷していただけたと思いました。中山法華経寺の五重塔のページは、上下で分割するように見開きページで印刷して、はじめは塔の下半分だけのページを見せ、あとから上半分のページを立てて倍の大きさの全景を見せる仕掛けになっているのですが、その見開きのつなぎ目の部分に印刷のズレがなく、イメージどおりでよかったねという話を学生としました。
完成品は、どのように活用されているのでしょうか。
100部のうち、研究に協力してくださる市川市内の幼稚園や保育園に60~70部を寄贈しました。また、絵を印刷したスケッチブックだけを渡しても使い方がわからないと思い、スケッチブックシアターの実演を学生にやってもらって、その動画をYouTubeで公開しています。それと、学生たちには、市内の幼稚園、保育園に出向いて、公演を行ってもらっています。制作に携わった学生には、1冊ずつ渡しました。「実習とか子どもたちと触れ合える機会で実演したい」と言ってくれ、自分たちでどんどん活用していきたいという意識の高さがうかがえます。
『いちかわのかぞえうた。』の反響はいかがですか。
このスケッチブックシアターができた時点で、一連のプロジェクトで創作した教材を保育施設に送り、教材の印象調査を行いました。そうしたら、歌に合わせるダンスや体操などがあるなかで、このスケッチブックシアターが一番印象が良いという結果が出て、「色が美しい」という記述がありました。保育の現場では、子どもたちに動画を視聴させることは、あまり推奨されていないようなので、曲に合わせてページをめくるだけのスケッチブックシアターは、そういう意味でも取り入れやすかったと思います。実際、公演すると、よく見てくれていますし、楽しんでいる子が多いと感じています。
今後も、研究の一環として何か作ってみたいものはありますか。
市川市内の民話や昔話を集めて絵本を作りたいねという話はしています。スケッチブックシアターは集団に見せることを想定して作ったのですが、今度は子ども一人ひとりに手に取ってもらえるようなかたちで配布して、家庭でも読んでもらいたいと考えています。自分たちが住んでいる地域の名前がお話のなかに出てくると、子どもたちもきっと喜ぶと思いますし、地域への愛着も育まれるのではないかと期待しています。
最後に「ガップリ!」をご利用いただいた感想をお願いします。
納期のことや、発色の良さなど、本当によくしていただきました。先ほど言い忘れましたが、A3サイズでリング製本にしたこともこだわりのポイントのひとつだったんです。対応してくれるところがなかなか見つからず困っていましたが、「ガップリ!」さんに対応していただけて非常に助かりました。
親しみやすい『いちかわのかぞえうた。』は、子どもたちがすぐに覚えてくれそうですね。
市川市のみなさんの地元愛がもっと強いものになることを期待しています。
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ガップリ!で印刷・製本した作品をご紹介「ガップリ!ギャラリー」
「ガップリ!ギャラリー」では、ガップリ!で印刷・製本したお客さまの製作事例をご紹介しています。
ギャラリーでは、作品の写真だけではなく、仕様や特徴、お客さまインタビューなども掲載しています。検索機能もあり、「製本タイプ」「サイズ」「用途」「オプション加工」「業種」から絞り込んで、素早く見たい製作事例が探せます。
「ガップリ!ではどんなことができるのか過去の作品を確認したい」「本づくりのヒントが欲しい」という方には参考になると思いますので、ぜひご覧ください。
地域の名物や名所を子どもたちに伝える。
「ひとつ何々、ふたつ何々」と、数を数えあげながら歌う「数え歌」の歌詞のモチーフを絵で表現し、歌と絵を楽しむ「スケッチブックシアター」というかたちにした作品です。千葉県市川市の名物や名所を紹介するもので、実際に保育施設などで子どもたちを前にして実演されるほか、YouTubeでも学生による実演動画が公開されています。「いちかわ かぞえうた」プロジェクトでこの作品づくりに関わった、和洋女子大学 人文学部 こども発達学科の中村光絵先生にお話をうかがいました。
紙芝居はバラバラになって屋外では使いにくいし、
公演では何か仕掛けがあったほうが楽しいだろうなということを考慮して、
それでスケッチブックシアターになったんです。
『いちかわのかぞえうた。』を作ったきっかけや目的は何だったのでしょうか。
市川市内の大学と市川市、市川商工会議所が連携する、「大学コンソーシアム市川産官学連携プラットフォーム協議会」というのがあるんですね。このプラットフォーム協議会設立の目的の一つには、市川市の地域課題の解決があります。その課題解決に向けた研究の一環として、同じ市川市内にある和洋女子大学と昭和学院短期大学が連携し、「いちかわ かぞえうた」プロジェクトを立ち上げました。これは、私たち保育者養成校の教員が、子どもたちを通じて親世代や地域の人に市川のことをもっと知ってもらうために、保育教材を提供していくというプロジェクトです。市川市は江戸川を挟んで東京都と隣接しているため若者世代も住んではいるのですが高い人口流動率が地域課題の一つになっています。そこで、市民の地域愛を育むことができれば、この課題解決につながるのではないかと考えたんです。
それで、『いちかわのかぞえうた。』を作られたのですね?
はい。まず市川に関連することを盛りこんだ子ども向けの歌を作りました。ですが、子どもの前で歌うだけでは伝わりにくいだろうということで、スケッチブックシアターを作ることにしたんです。乳幼児はやはり視覚的なものがあったほうが理解が早いし、興味を持ちやすいからです。また、このプロジェクトのもう一つのねらいとしては、保育を学んでいる学生の育成がありました。学生が教員と一緒にこの研究に取り組むことで、自分の住んでいる地域の良さを子どもたちに伝えられる保育者として成長してくれることを願い、このプロジェクトを実行しました。
スケッチブックシアターとは、どのようなものですか。また、どうして、このかたちを選ばれたのですか。
スケッチブックシアターとは、紙芝居のように大勢の子どもと楽しむ視覚教材の一つです。紙芝居の1枚1枚がスケッチブックのようにリングで綴じられていて、それをめくって子どもたちに見せていきます。本来は手作りするものですが、今回は共同研究の製作物ということで、「ガップリ!」さんで100部ほど印刷・製本しました。最初は保育の業界でよく使われているパネルシアターを想定していたのですが、市川市内の保育園、幼稚園も含めてアンケートを取ってみたら、パネルシアターではなく絵本と紙芝居の要望がすごく高かったんです。「この結果は、もしかして園に置いておけるものが欲しいのかな」と思い、紙芝居や絵本を制作することを検討しまた。紙芝居はバラバラになって屋外では使いにくいし、公演では何か仕掛けがあったほうが楽しいだろうということでスケッチブックシアターになったんです。
10個の名所・名物にちなみ、表紙の『いちかわのかぞえうた。』の題字のなかに、1から10の数字を隠し文字として入れています。
『いちかわのかぞえうた。』は、どのような内容で、どのように制作されたのでしょうか。
題名どおり、数え歌を絵にして市川市の名物や名所、史跡などを紹介するというものです。制作は、最初に数え歌の歌詞を作って、そのあとにメロディーをつけてもらい、曲ができたらその歌詞に出てくる名所や名物の画像を探して絵を構成しました。歌に出てくる10個のモチーフは、保育施設でとったアンケートの要望なども取り入れて、共同研究しているメンバーで話し合って決めました。絵を描いたのは、協力をお願いしていた和洋女子大学の有志の学生4名です。そのため、ページによって絵の雰囲気が全然違うのも、おもしろいところですね。「ガップリ!」さんで、印刷・製本していただいてものが届いてからは、1冊1冊みんなで切り貼りをして手作業で仕掛けを作って完成させました。
どのような仕掛けを作られたのですか。
数え歌の「10」のところで、噴水の絵の周囲を、最後、バラの花の額縁で飾る仕掛けを作りました。これは、噴水とバラは別々の絵にして、バラの絵のほうは真ん中を切り抜いて、二枚重ねた時に噴水が見えるようにしたんです。それで、子どもたちに見せる時は、最初に噴水の絵だけを見せてから、バラの絵を上に重ねて、バラの花が咲いて噴水が真ん中に見えるような仕掛けにしました。これは、切り抜く部分にミシン目を入れる方法など、「ガップリ!」さんに考えてもらったのですが、予算的に難しいことがわかり、手作業で行うことになりました。
仕掛けのほかにも、こだわった点や難しかった点はありますか。
スケッチブックシアターは、一人に見せるものではなく、たくさんの子どもたちに見せるものです。遠くから見ても分かるように、はっきりとした色を多く使うなどの工夫をしました。また、10個の名所・名物にちなみ、表紙の『いちかわのかぞえうた。』の題字のなかに、1から10の数字を隠し文字として入れています。子どもたちが楽しんで見つけてくれればいいなと思っています。あとは、スケッチブックシアターが完成するより先に、これを紹介するための動画の撮影日が決まってしまったので、その日に間に合わせるために納期にはこだわりました。
見開きのつなぎ目の部分に印刷のズレがなく、
イメージどおりでよかったねという話を学生としました。
『いちかわのかぞえうた。』ができた時の感想はいかがでしたか。
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完成品は、どのように活用されているのでしょうか。
100部のうち、研究に協力してくださる市川市内の幼稚園や保育園に60~70部を寄贈しました。また、絵を印刷したスケッチブックだけを渡しても使い方がわからないと思い、スケッチブックシアターの実演を学生にやってもらって、その動画をYouTubeで公開しています。それと、学生たちには、市内の幼稚園、保育園に出向いて、公演を行ってもらっています。制作に携わった学生には、1冊ずつ渡しました。「実習とか子どもたちと触れ合える機会で実演したい」と言ってくれ、自分たちでどんどん活用していきたいという意識の高さがうかがえます。
『いちかわのかぞえうた。』の反響はいかがですか。
このスケッチブックシアターができた時点で、一連のプロジェクトで創作した教材を保育施設に送り、教材の印象調査を行いました。そうしたら、歌に合わせるダンスや体操などがあるなかで、このスケッチブックシアターが一番印象が良いという結果が出て、「色が美しい」という記述がありました。保育の現場では、子どもたちに動画を視聴させることは、あまり推奨されていないようなので、曲に合わせてページをめくるだけのスケッチブックシアターは、そういう意味でも取り入れやすかったと思います。実際、公演すると、よく見てくれていますし、楽しんでいる子が多いと感じています。
今後も、研究の一環として何か作ってみたいものはありますか。
市川市内の民話や昔話を集めて絵本を作りたいねという話はしています。スケッチブックシアターは集団に見せることを想定して作ったのですが、今度は子ども一人ひとりに手に取ってもらえるようなかたちで配布して、家庭でも読んでもらいたいと考えています。自分たちが住んでいる地域の名前がお話のなかに出てくると、子どもたちもきっと喜ぶと思いますし、地域への愛着も育まれるのではないかと期待しています。
最後に「ガップリ!」をご利用いただいた感想をお願いします。
納期のことや、発色の良さなど、本当によくしていただきました。先ほど言い忘れましたが、A3サイズでリング製本にしたこともこだわりのポイントのひとつだったんです。対応してくれるところがなかなか見つからず困っていましたが、「ガップリ!」さんに対応していただけて非常に助かりました。
親しみやすい『いちかわのかぞえうた。』は、子どもたちがすぐに覚えてくれそうですね。
市川市のみなさんの地元愛がもっと強いものになることを期待しています。
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- いちにち
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