インタビューページ『てんぷら!声を聞かせて』|上製本(ハードカバー仕上げ)のオリジナル絵本が50冊からつくれる

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オリジナル絵本 インタビュー
『てんぷら!声を聞かせて』

社会医療法人同仁会 耳原総合病院様製作のオリジナル絵本『てんぷら!声を聞かせて』

/ すべての世代で、読んで話し合ってもらいたい、 /
チンチラの「てんぷら」と飼い主家族の物語。

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の啓発に取り組む耳原総合病院様が製作した絵本で、病院の職員が経験した実話を基にしたフィクションです。ペットの旅立ちにまつわる悲しい話ながら、水彩画風の柔らかな色調で描かれ、読後は優しい気持ちになります。病院で「ホスピタルアート」の業務を行い、今回の絵本の作・絵を担当されたJJhhen(ジェン)さんに、絵本づくりのきっかけや、ストーリーに込められた思いなどをお聞きしました。

気軽れるような絵本だからこそ、
ACPというテーマれるきっかけにもなるといました。

この絵本を作ろうと思った理由やきっかけは何ですか。

私は大学でホスピタルアート(注1)というプロジェクトに参加しまして、その流れで卒業後、耳原総合病院のアートセクションでデザインの仕事をしています。それで、病院職員の方の実話を、ホスピタルアートの力でぜひ絵本にしてほしいという要望があって、依頼を受けた経緯があります。なぜ絵本だったかというと、絵本は親しみやすく、年齢に関係なく読めるので、広く多くの人を啓発できると考えたからです。この絵本は、命について考えて、大事なことを気づかせてくれるお話です。大切な人と一緒に読もうと呼びかけたくなるような内容になっていて、いろいろな人たちに共感してもらえると思います。また、気軽に手に取れるような絵本だからこそ、ACP(注2)というテーマに触れるきっかけにもなると思いました。

(注1)ホスピタルアート:病院の空間にアートを取り入れることで、より快適で癒される環境にする取り組み。

(注2)ACP(アドバンス・ケア・プランニング):自分が望む医療やケアについて前もって考え、信頼する人や医療関係者と話し合い、共有する取り組みのこと。

ZOOMを通してJJhhen(ジェン)さんにオンラインインタビューを行っている様子

▲ZOOMを通してJJhhen(ジェン)さんにオンラインインタビューを行っている様子

ホスピタルアートとは、主にどういったことをされているのですか。

わかりやすい例では、病棟の壁や、院内の無機質な空間に、温かみを感じられるような壁画を描いています。また、病院は、無音の状態ですと圧迫感や緊張感を感じる環境なので、耳原総合病院では職員や患者向けに、環境音楽や癒しの音楽を流しています。このように、病院全体の雰囲気をやわらげるお手伝いをしています。実際にホスピタルアートを導入する前と後に、病院の職員や患者さんにアンケートをとった結果、導入後の方が安心感があるという声が多く上がりました。

なぜ絵本のテーマにACPを選ばれたのでしょうか。

耳原総合病院では、2017年からACPの啓発活動を行っており、今回の絵本もその活動のひとつなんです。ほかにもACPを知ってもらうための講演会やワークショップなどが行われていて、その中に「もしバナゲーム」というワークショップがあります。いろいろなカードに「もしこの日が来たら」「もしこのような身体状態になったら」といった仮定の条件が書かれていて、選んだカードによって、その未来を想像してもらうという内容です。これらは、患者さんやさまざまな人たちに考えるきっかけを与えるための活動で、患者さん自身が考えて、自分の意思を声に出してもらうことを大事にしています。

耳原総合病院で行っている啓発の取り組みや講演会のチラシ

▲耳原総合病院で行っている啓発の取り組みや講演会のチラシ

絵本の内容は、病院職員の方の実体験ですか。

はい。職員向けのACPの講習を行った時に、ACPというテーマに合致しそうなお話があるということで話を聞いたら、それは絵本にぴったりだねということになりました。ですので、実際にチンチラ(げっ歯類のペット動物)を飼っていた方から聞いたお話が基になっています。その飼っていたペットが重い病気にかかった時、飼い主の職員の方はあきらめずにつらい治療を続けました。その結果、実話では病院に行く途中の車の中でチンチラは亡くなるのですが、絵本では希望を持たせるような展開になっています。

主人公をチンチラにしたことで、人間の生死をダイレクトに描くよりも話に広がりが出ましたね。

それが絵本の素晴らしいところだと思います。子どもや若い人にとっては、親しい人の死は遠い未来のことで、ピンと来ないと思います。ですが、主人公をペットの動物にしたことで、死を身近なこととして考えられるようになります。また、ファンタジーな要素を加えたことで、死の生々しさがやわらぎ、客観的に捉えられるというメリットがあります。

「てんぷら」に家族の心の声が聞こえる場面

▲「てんぷら」に家族の心の声が聞こえる場面

本編入る前見返し2ページで、
「てんぷら」家族思い出場面描くことにしました。

絵本づくりでこだわった点や難しかった点はありますか。

ペットの動物であっても、チンチラの「てんぷら」は大切な家族なのだということを表現するのが難しかったです。ボリュームの関係もあって、本編ではあまり触れられていないのですが、話の始まりの時点で、「てんぷら」はもうおばあさんになっています。それまで長年家族と一緒に生活してきたことを、どうやって表現したらよいのかと悩みました。長いあいだ一緒にいたからこそ、本編の話の先に、家族の葛藤が生まれてくるからです。そこで、本編に入る前の見返しの2ページで、「てんぷら」と家族の思い出の場面を描くことにしました。見返しでは、過去の日常シーンをいかにさり気なく表現するかにこだわりました。ここに描かれている「てんぷら」がとても元気だというのもポイントで、病気になる前の元気な姿と、最期の姿をリンクさせたいと思いました。チンチラという動物はあまり知らなかったのですが、本物の「てんぷら」の写真を職員の方に見せていただき、いろいろ調べました。それで、元気で生き生きした姿をいかに表現するかを考え、読者に生きる輝きのようなものを伝えたいと思いました。

最初の見返しページに「てんぷら」の数々の思い出をあしらったデザインに

▲最初の見返しページに「てんぷら」の数々の思い出をあしらったデザインに

その流れがあるから、お父さんは治療を続けるという苦渋の選択をするんですね。

見返しの絵を見ればわかりますが、「てんぷら」はもともとお父さんが結婚前から飼っていたペットで、お父さんにはより長く一緒にいたいという思いが強くあります。そういう一緒に過ごした時間の長さで、思いの重さも違うということが、葛藤になって現れています。

絵の色彩や、絵本のサイズに関しても、何かこだわりがありましたか。

明るく優しい色使いで描かれた「てんぷら」の初期絵

▲明るく優しい色使いで描かれた「てんぷら」の初期絵

水彩画風のブラシツールを使ってデジタルで制作したのですが、テーマ自体は重いので、なるべく柔らかい雰囲気の、優しい色合いになるようにしました。最終的に悲しい気持ちになるのかもしれませんが、どこかに希望があるような色合いにしたかったんです。サイズは、通常サイズではありませんが、高齢者の方でもご覧になれるように、見やすい大きさの文字が収まる横:230mm×縦:220mmのサイズを選びました。

患者さん自身物語や、言葉にしにくい内容を、
ビジュアル化して描けるような媒体作り続けたい思っています。

絵本ができた時の感想はいかがでしたか。絵本の評判や反応はいかがでしたか。

発色が思った以上によくて、製本もしっかりしていて開きやすく、耐久性もありそうだなと思いました。絵本を読んだ医療従事者の方からは感動しましたという声が多く、実際の声としては、「自分もペットを飼っていて、この話はとても共感しました」「主人公が動物なのに感情移入して泣きました」「子どもや若い方が身近なこととして感じられるので素晴らしい」といったものがありました。実際、医療現場では話しにくいし説明しにくい、患者の家族側は聞きたくない、というような話題なので、絵本がACPについて話し合うきっかけになることを、医療従事者側としては期待しています。

現在、絵本はどのように活用していますか。

発行から2年経っていますが、部数があまり多くないので、積極的に配布を行ったりはしていません。ただ、絵本そのものではないのですが、例えば絵本の内容を取り入れたパンフレットや教科書を作って有効活用をしています。そのひとつは、絵本の物語を通してACPという概念を知ってもらえるように、一般市民向けのパンフレットに絵本を紹介する文章を載せています。また、医療従事者の育成の一環として、耳原総合病院と提携している看護学校の授業で、この話が教材として使われています。学生の方には、実際に絵本も読んでもらいました。ほかにも、絵本の朗読映像を作って、今のところ医療従事者に向けて発信しています。今後は、図書館などにも置いていただければと思っています。

絵本の原案(左)、現在教材や啓発活動に役立てている絵本とパンフレット(右)

▲絵本の原案(左)、現在教材や啓発活動に役立てている絵本とパンフレット(右)

「ガップリ!の絵本」は、どこで知りましたか。サービスを利用した感想はいかがですか。

インターネットで、絵本を専門に作る会社を検索して探しました。ほかの会社では、変形サイズや見返し印刷に対応してなかったり、値段が高かったり、問い合わせに時間がかかったりしましたが、「ガップリ!の絵本」さんはそれらに対応していましたし、注文の見積もりフォームも選択しやすくて、即決しました。製作をお願いしてからも、こちらの注文をそのまま聞くのではなく、例えば、絵本の綴じ方も選んでいたミシン綴じから糸かがり綴じにするのを勧めてくれて、絵本に合わせてご提案いただけたことなどがよかったですね。

糸かがり綴じで見開きの隅々まで見える本文

▲糸かがり綴じで見開きの隅々まで見える本文

今後、作ってみた作品はありますか。

ホスピタルアートの役割としては、アートを通じて患者さんを癒すことがあります。今後もホスピタルアートの活動によって、患者さんのお役に立ちたいと思います。具体的には、今回の絵本のように、患者さん自身の物語や、言葉にしにくい内容を、ビジュアル化して描けるような媒体を作り続けたいと思っています。

お話ありがとうございます。この絵本を通してACPがもっと知ってもらえるようになるといいですね。

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