オリジナル絵本 インタビュー
『私たちの伝えたい日本のマナー』

/ 美しい日本文化を、カレンダーと絵本に。 /
「和」の「輪」を広げる高校生の起業体験。
東京都・品川女子学院では、毎年、高等部で起業体験プログラムが実施されます。(2021年度からは中等部3年、高等部4・5年で実施)このプログラムは起業した会社の商品を文化祭で販売し、その成果が評価されるというもの。ガップリ!に日めくりカレンダーとオリジナル絵本を依頼された4年D組のみなさんは、「日常に日本文化を」を企業理念に、日本のマナーを伝える商品製作に取り組み、最優秀賞に輝きました。クラスの代表3名の生徒さんと担任の先生にお話を伺いました。
「日常に日本文化を」を企業理念に、起業体験プログラムがスタート。
▲インタビューの様子
司 会:まず、起業体験プログラムについてご説明をお願いします。
生徒①:起業体験プログラムというのは、2020年度まで高等部1年生と2年生がやっているものなんですけど。クラス単位で自分たちで出資した上で、さら資金をもらって起業し、事業を行います。それで文化祭で商品を売って、結果を株主に報告、解散という流れのプログラムになります。(株主に配当を還元)
生徒③:すべての会社は社会の問題を解決するために、自分たちはどんな商品、どんな企画で貢献できるのかっていうことをテーマに経営して、その結果も試す機会です。
先 生:企業理念を浸透させることができたかっていうことと、赤字にならないように試算を組んで、きちんと経営ができたかっていうようなことが問われるプログラムなんです。
司 会:それはなかなか難しいですね。まず何から始めたんですか。
生徒③:まずは自分たちが思う社会での問題、課題というものをクラス全員で決めて、それに基づいて会社を立ち上げ、企業理念を決定した、という感じです。
司 会:今回は日本の文化、マナーを広げよう、ということでしたね。
生徒③:世界で活躍するようになるためには、まず異国の文化を知る前に、しっかり自分たちの文化をもう一度見直すべきだなっていうことを感じて、この問題提起になりました。
司 会:カレンダーを最初にご注文いただきましたが、商品にカレンダーを選んだ理由は。
生徒②:日本文化とか礼儀やマナーは、一度言われただけで身につくものではないので、日々目にすることで身につけられるように、日常的にあるものを選んでカレンダーにしました。
生徒③:自分たちだけでなく、来校して購入してくださる方々も日々意識でき、時間を経て定着できるものを、ということで何年も使えるような日めくりカレンダーに決定しました。
司 会:当社のサービスはどういった経緯で探されました?
生徒①:オリジナルの日めくりカレンダーを作れるところを探して、ホームページを発見しました。月めくりなら結構あったんですが、日めくりカレンダーを作ってくれるところがほんと少なくて。
司 会:そうですか、少なかったんですか。
生徒①:はい。あとオプションがけっこうつけられそうだったので、私たちの作りたいものが作れるんじゃないかなって思って選びました。
司 会:カレンダーのデータはいつから作り始めたんですか。
生徒③:5月くらいから作っていました。16名がイラストを担当したので、日によって絵柄が全く違うものになっています。
生徒②:イラストはすごい頑張ってくれたので、ここは、グッドポイントです。
生徒③:全部統一するより分担することで、みんなが参加できている、みんな自分の仕事がちゃんとあるっていう感じが作り出せて、クラスの雰囲気もすごく良くなったと思います。
生徒一同:そう!私たちのクラス良すぎたよね。
マナーの専門家に、緊張の直接取材。
▲今回製作されたオリジナル絵本と日めくりカレンダー
司 会:日めくりカレンダーの1日から31日分の内容はどうやって決めたんですか。
生徒②:最初に専門家の方に取材をして、その内容をまとめて31個に分割しました。それから、こういうイラストが欲しいよね、とかクラスで話して作っていったというかたちです。
司 会:専門家の方への取材はどうでした?
生徒①:大変でした。やはり専門家の方は礼儀やマナーを極めている方なので。ちょっと何かするたびに、自分の言動は合っているんだろうかと心配になったりして。あとは下調べとかすごく難しくて、大変でしたね。
生徒②:自分の経験を踏まえてから、この質問に至ったっていう経緯から質問の意図を全て説明するので大変でした。
生徒①:こういうシチュエーションですべきマナーはありますか、とか。そういうふうな聞き方をして、それをカレンダーとかに使えるようなかたちで話を聞きました。
司 会:取材も、原稿づくりも大変だったんですね。
生徒①:そうですね。あと、最後にレイアウトの調整をしたんですが、あまりやったことがなかったので頑張ったのにうまくいかないところもあって。でも、ガップリ!さんにデータをお渡ししたら、そこをきれいにサポートしてくれて、本当にありがたかったです。
「こういうふうにサポートしてくれるんだったら、絵本も頑張れるんじゃないかと思って」
▲絵本のために描かれた素敵なイラスト
司 会:当社から絵本製作のご提案をさせていただきましたが、どう思われましたか。
生徒①:日めくりカレンダーを作りたいとご連絡を差し上げた際に、それなら絵本とか、ワークショップをされてはどうかというお話しをいただいて。最初はカレンダーだけで手一杯なんじゃないかと思っていたんですけど、色々やり取りする中で、こういうふうにサポートしてくれるんだったら、絵本も頑張れるんじゃないかと思って絵本も追加しました。
生徒③:日めくりカレンダーは、いろんなテーマで。絵本は12カ月その月らしい礼儀やマナーを紹介するというかたちで。カレンダーと絵本でコンセプトを全く違うものにしたので、より多くの情報をみなさんにお伝えすることができると思いました。
司 会:絵本の内容も、取材した情報から作ったんですか。
生徒①:日めくりカレンダーの内容を決めてみて、私たちがもっと日本的なことで知りたい情報も入れたほうがいいかなということでネットで情報を調べて、取材させていただいた方にその情報で間違いがないか確認してもらって、それを基に作りました。
司 会:絵本作りでとくに大変だったとか、うまくできたということはありますか。
生徒③:やっぱり絵ですかね。絵は私がラフ画、原画を担当して、それを線画担当の人がiPadに写し、色塗りが得意な人が色塗りを担当して、それで完成したんですけど。カレンダーのあとに制作が決まって12日間くらいで仕上げたので、けっこう毎日頑張りました。
製作体験で、デジタルがカタチになる喜びを実感。
▲オンデマンド印刷機で絵本の本文を印刷
司 会:当社に来ていただいて製作体験をされましたが、どうでしたか。
生徒③:こういう機会がないと体験できないことだったので、学びになることが多かったです。他の学校ではできないと思いますし、起業体験プログラムを通して、こういう場所に来させていただいたり、いろいろ経験をさせていただいたのが、すごく楽しかったです。あと自分がデジタルで編集していたものが紙になって出てきて、愛着がわいたというか。
司 会:実際にカタチになるって、うれしいですよね。
生徒①:はい。わくわくしました。
生徒③:それを実際に文化祭に来てくださった方々に、すごく好評だったのが頑張ってよかったなって思えることでした。
司 会:印刷会社ってもっと違うイメージでした?
生徒③:失礼ですけど、もっと単純なものかと思っていたのに、すごいたくさんの人が携わって、たくさんの工程があって今、本屋さんに並べられている本が作られているんだなって思うと、本に限らずどの商品を見ても感慨深かったです。
司 会:完成したものを手に取ったときの感想はいかがでしたか。
生徒②:なんか、オオーって。うれしくて。
生徒①:すごく安心しました。ゼロから作ったものだったから怖い感情がずっと抜けなくて。それで、こんなに頑張ったし、こんなにすごいものが作れたから、あとは文化祭当日、お客さまへの対応をしっかりやって、この商品を通じていろんな情報を伝えていけたらと。
先 生:私は完成して肩の荷が下りたと。あとは販売でも、生徒一人一人が関わってできた商品なので、絶対買っていただけるなっていう確信がすごくありました。それで、商品ができたときは、もう大丈夫だなと。
メイキングビデオで集客。商品が「飛ぶように売れました」。
▲メイキングビデオのワンシーン
司 会:文化祭で販売するにあたって、とくに気をつけた点などはありますか。
生徒①:商品が本とカレンダーだから、中身が知りたいんじゃないかと思ったので、見本を展示して内容を説明した上で買ってもらうようにしました。あと、情報がどこから来たのかというのをきちんと提示しました。それから、メイキングビデオを上映して、自分たちはこういう感じで頑張ったんですっていうのをアピールして、買ってくださいって(笑)
司 会:メイキングビデオの上映には、みなさんに足を止めていただけたんですか。
生徒②:はい、それがほとんどみたいな。
生徒③:メイキングビデオは本当にもうたくさんの方が、足を止めてずっと真剣に見てくださって。これ私なんです、とか言ったら、えっ!すごいねってお褒めの言葉をいただいたり。クラス全員でやったっていうことがちゃんと伝わったし、その上で、自分たちがこういう印刷の体験をしたということも知っていただけたので、一石二鳥でした。
先 生:評価委員の方たちからも、こういうふうに印刷の裏側を見せるというのは社会的に意義があることだと、その点も評価していただきました。
司 会:商品は完売したんですか。
生徒①:もともと1日目と2日目で予定していて、1日目は売るぞ!っていうふうに意気込んでいたら、けっこうすぐ売れてしまって。次の日も始まってすぐくらいに絵本は完売してしまいました。
生徒②:絵本がすごい、飛ぶように売れて。
生徒③:文化祭自体が3つのタームに分かれていて、大体2時間ごとなんですが、1日目の予定数がもう開始2時間、第1タームでほぼ完売してしまったので。
先 生:今年は仕入れの数を見積もるのが難しかったですね。例年であれば、外部から何千人って来るのが、在校生の保護者しか来られないということで。私は本当に絵本50とカレンダー150も売るの?って気持ちでいたんですけど、保護者の方が爆買いしてくださって。
司 会:カレンダーのほうも完売ですか。
生徒①:ハイ。カレンダーもです。
生徒②:飛ぶように、売れました。
オリジナル商品が評価され、最優秀賞を獲得。
▲品川女子学院文化祭での集合写真
司 会:お客さんの反応はどうでした、感想などありましたか。
生徒②:オリジナル商品っていうところをすごく褒めてくださって。他のクラスの会社はもともとある商品を売っているかたちだったんですが、私たちは完全にオリジナルのものを売っているので、そこをすごく評価していただきました。
生徒①:終わって1週間くらい経って会ったときに、「使ってるよ」とか、「今日あれの日だよね」とか、「今日は何々についてだったわ」とか報告してくれたりして。その場だけじゃなくて、みなさんが日々目にしてくれているんだなって。
生徒③:商品自体たくさんお褒めいただいたんですけど、今までの過程だったり、自分たちが収集した情報っていうものに対してのお褒めの言葉も多かったなって思います。それがすごいうれしかったです。
司 会:プログラムで最優秀賞を獲得されたということですが、ポイントは何だったと?
生徒③:先ほどの話とも重複するんですけど、オリジナルというのが一番大きかったです。ゼロから作って、内容もサイトとかSNSにあるものだけじゃなく、しっかり専門家の方に取材をして収集した情報を31個に詰めているので、そこがポイントだったと思います。
生徒①:あとは、始めにプレゼンテーションというのがあって、そこで出資額が決まるんですけど。その時は「やりたいことがしっかりしている」という点で評価していただいて、それをきちんと実現したっていうところで評価をしてもらった部分が大きいかなと思います。
生徒③:それと企業理念の浸透が多くのクラスの中でも一番できていたんじゃないかな、と自分では思います。企業理念で自分たちが決めたことが、実際にこの商品を通じて伝えられたかなっていうのがすごい大きいです。
司 会:この商品を手にした方から、日本のマナーが広がっていくといいですね。
生徒③:やっぱり例年通りであればもっと伝えられたはずなのに、っていうのはありますけど、今回の文化祭を通してでは成功したんじゃないかなと。来場していただいた多くの方に情報や自分たちの伝えたいことが届けられたと思います。私の福岡の親戚にも送ったので、もう広まっているとみています。
司 会:絵本のほうは、どんなふうに読まれればいいなと思いますか?
生徒①:絵本は、保護者の方から私たち中学生高校生くらいが見たいと思えるものにしようということで、イラストを割とかわいいというか、大人っぽいものにしました。飾っておくだけでもいいものを、って表紙も作ったので、いつもは飾っておいてもらって、見たいときに見てもらうっていうふうにしてくれていたらなって思います。
生徒③:これは私の実体験なんですけど。弟がいて、魚の食べ方がちょっと汚いんじゃないかなっていうのがあったので、そのページを、あんた読みなさいって読ませました。
司 会:絵本やカレンダー作りのイメージは変わりました?意外に簡単に作れるんだ、とか。
生徒①:本当にそれは思いました。作る前は学校という後ろ盾があるからできるみたいな感じに思っていたんですけど、作り終わってみると個人でも作れると思うし、ここっていろんなサポートもしてくれるので、全然できることなんだなあっていうのを思いました。
生徒③:やろうと思えばできるんだなっていうのは、この絵本だけじゃなくて、他のことでもやろうと思えばできるのにやっていないことって自分の中ではたくさんあるので、それを気づかされる大きなきっかけになりました。
司 会:そんなに大きくとらえてもらうと、すごくうれしいです。
生徒①:これを作ったことがいい思い出になって、のちのちモノとして残るっていうのが、他のSNSとかデータ上のものとは違うなって。
生徒③:何十年後に見ても思い出す(笑)半年間必死に頑張った。
先 生:28歳になったら学校に帰ってくるっていう、ホームカミングデーっていう日があるんですけど。
生徒①:そういう日があるんです。卒業生が帰ってきて、旧担任とワチャワチャ(笑)
先 生:そのとき多分思い出すよ、絶対。
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▲インタビューの様子
司 会:まず、起業体験プログラムについてご説明をお願いします。
生徒①:起業体験プログラムというのは、2020年度まで高等部1年生と2年生がやっているものなんですけど。クラス単位で自分たちで出資した上で、さら資金をもらって起業し、事業を行います。それで文化祭で商品を売って、結果を株主に報告、解散という流れのプログラムになります。(株主に配当を還元)
生徒③:すべての会社は社会の問題を解決するために、自分たちはどんな商品、どんな企画で貢献できるのかっていうことをテーマに経営して、その結果も試す機会です。
先 生:企業理念を浸透させることができたかっていうことと、赤字にならないように試算を組んで、きちんと経営ができたかっていうようなことが問われるプログラムなんです。
司 会:それはなかなか難しいですね。まず何から始めたんですか。
生徒③:まずは自分たちが思う社会での問題、課題というものをクラス全員で決めて、それに基づいて会社を立ち上げ、企業理念を決定した、という感じです。
司 会:今回は日本の文化、マナーを広げよう、ということでしたね。
生徒③:世界で活躍するようになるためには、まず異国の文化を知る前に、しっかり自分たちの文化をもう一度見直すべきだなっていうことを感じて、この問題提起になりました。
司 会:カレンダーを最初にご注文いただきましたが、商品にカレンダーを選んだ理由は。
生徒②:日本文化とか礼儀やマナーは、一度言われただけで身につくものではないので、日々目にすることで身につけられるように、日常的にあるものを選んでカレンダーにしました。
生徒③:自分たちだけでなく、来校して購入してくださる方々も日々意識でき、時間を経て定着できるものを、ということで何年も使えるような日めくりカレンダーに決定しました。
司 会:当社のサービスはどういった経緯で探されました?
生徒①:オリジナルの日めくりカレンダーを作れるところを探して、ホームページを発見しました。月めくりなら結構あったんですが、日めくりカレンダーを作ってくれるところがほんと少なくて。
司 会:そうですか、少なかったんですか。
生徒①:はい。あとオプションがけっこうつけられそうだったので、私たちの作りたいものが作れるんじゃないかなって思って選びました。
司 会:カレンダーのデータはいつから作り始めたんですか。
生徒③:5月くらいから作っていました。16名がイラストを担当したので、日によって絵柄が全く違うものになっています。
生徒②:イラストはすごい頑張ってくれたので、ここは、グッドポイントです。
生徒③:全部統一するより分担することで、みんなが参加できている、みんな自分の仕事がちゃんとあるっていう感じが作り出せて、クラスの雰囲気もすごく良くなったと思います。
生徒一同:そう!私たちのクラス良すぎたよね。
マナーの専門家に、緊張の直接取材。

▲今回製作されたオリジナル絵本と日めくりカレンダー
司 会:日めくりカレンダーの1日から31日分の内容はどうやって決めたんですか。
生徒②:最初に専門家の方に取材をして、その内容をまとめて31個に分割しました。それから、こういうイラストが欲しいよね、とかクラスで話して作っていったというかたちです。
司 会:専門家の方への取材はどうでした?
生徒①:大変でした。やはり専門家の方は礼儀やマナーを極めている方なので。ちょっと何かするたびに、自分の言動は合っているんだろうかと心配になったりして。あとは下調べとかすごく難しくて、大変でしたね。
生徒②:自分の経験を踏まえてから、この質問に至ったっていう経緯から質問の意図を全て説明するので大変でした。
生徒①:こういうシチュエーションですべきマナーはありますか、とか。そういうふうな聞き方をして、それをカレンダーとかに使えるようなかたちで話を聞きました。
司 会:取材も、原稿づくりも大変だったんですね。
生徒①:そうですね。あと、最後にレイアウトの調整をしたんですが、あまりやったことがなかったので頑張ったのにうまくいかないところもあって。でも、ガップリ!さんにデータをお渡ししたら、そこをきれいにサポートしてくれて、本当にありがたかったです。
「こういうふうにサポートしてくれるんだったら、絵本も頑張れるんじゃないかと思って」

▲絵本のために描かれた素敵なイラスト
司 会:当社から絵本製作のご提案をさせていただきましたが、どう思われましたか。
生徒①:日めくりカレンダーを作りたいとご連絡を差し上げた際に、それなら絵本とか、ワークショップをされてはどうかというお話しをいただいて。最初はカレンダーだけで手一杯なんじゃないかと思っていたんですけど、色々やり取りする中で、こういうふうにサポートしてくれるんだったら、絵本も頑張れるんじゃないかと思って絵本も追加しました。
生徒③:日めくりカレンダーは、いろんなテーマで。絵本は12カ月その月らしい礼儀やマナーを紹介するというかたちで。カレンダーと絵本でコンセプトを全く違うものにしたので、より多くの情報をみなさんにお伝えすることができると思いました。
司 会:絵本の内容も、取材した情報から作ったんですか。
生徒①:日めくりカレンダーの内容を決めてみて、私たちがもっと日本的なことで知りたい情報も入れたほうがいいかなということでネットで情報を調べて、取材させていただいた方にその情報で間違いがないか確認してもらって、それを基に作りました。
司 会:絵本作りでとくに大変だったとか、うまくできたということはありますか。
生徒③:やっぱり絵ですかね。絵は私がラフ画、原画を担当して、それを線画担当の人がiPadに写し、色塗りが得意な人が色塗りを担当して、それで完成したんですけど。カレンダーのあとに制作が決まって12日間くらいで仕上げたので、けっこう毎日頑張りました。
製作体験で、デジタルがカタチになる喜びを実感。

▲オンデマンド印刷機で絵本の本文を印刷
司 会:当社に来ていただいて製作体験をされましたが、どうでしたか。
生徒③:こういう機会がないと体験できないことだったので、学びになることが多かったです。他の学校ではできないと思いますし、起業体験プログラムを通して、こういう場所に来させていただいたり、いろいろ経験をさせていただいたのが、すごく楽しかったです。あと自分がデジタルで編集していたものが紙になって出てきて、愛着がわいたというか。
司 会:実際にカタチになるって、うれしいですよね。
生徒①:はい。わくわくしました。
生徒③:それを実際に文化祭に来てくださった方々に、すごく好評だったのが頑張ってよかったなって思えることでした。
司 会:印刷会社ってもっと違うイメージでした?
生徒③:失礼ですけど、もっと単純なものかと思っていたのに、すごいたくさんの人が携わって、たくさんの工程があって今、本屋さんに並べられている本が作られているんだなって思うと、本に限らずどの商品を見ても感慨深かったです。
司 会:完成したものを手に取ったときの感想はいかがでしたか。
生徒②:なんか、オオーって。うれしくて。
生徒①:すごく安心しました。ゼロから作ったものだったから怖い感情がずっと抜けなくて。それで、こんなに頑張ったし、こんなにすごいものが作れたから、あとは文化祭当日、お客さまへの対応をしっかりやって、この商品を通じていろんな情報を伝えていけたらと。
先 生:私は完成して肩の荷が下りたと。あとは販売でも、生徒一人一人が関わってできた商品なので、絶対買っていただけるなっていう確信がすごくありました。それで、商品ができたときは、もう大丈夫だなと。
メイキングビデオで集客。商品が「飛ぶように売れました」。

▲メイキングビデオのワンシーン
司 会:文化祭で販売するにあたって、とくに気をつけた点などはありますか。
生徒①:商品が本とカレンダーだから、中身が知りたいんじゃないかと思ったので、見本を展示して内容を説明した上で買ってもらうようにしました。あと、情報がどこから来たのかというのをきちんと提示しました。それから、メイキングビデオを上映して、自分たちはこういう感じで頑張ったんですっていうのをアピールして、買ってくださいって(笑)
司 会:メイキングビデオの上映には、みなさんに足を止めていただけたんですか。
生徒②:はい、それがほとんどみたいな。
生徒③:メイキングビデオは本当にもうたくさんの方が、足を止めてずっと真剣に見てくださって。これ私なんです、とか言ったら、えっ!すごいねってお褒めの言葉をいただいたり。クラス全員でやったっていうことがちゃんと伝わったし、その上で、自分たちがこういう印刷の体験をしたということも知っていただけたので、一石二鳥でした。
先 生:評価委員の方たちからも、こういうふうに印刷の裏側を見せるというのは社会的に意義があることだと、その点も評価していただきました。
司 会:商品は完売したんですか。
生徒①:もともと1日目と2日目で予定していて、1日目は売るぞ!っていうふうに意気込んでいたら、けっこうすぐ売れてしまって。次の日も始まってすぐくらいに絵本は完売してしまいました。
生徒②:絵本がすごい、飛ぶように売れて。
生徒③:文化祭自体が3つのタームに分かれていて、大体2時間ごとなんですが、1日目の予定数がもう開始2時間、第1タームでほぼ完売してしまったので。
先 生:今年は仕入れの数を見積もるのが難しかったですね。例年であれば、外部から何千人って来るのが、在校生の保護者しか来られないということで。私は本当に絵本50とカレンダー150も売るの?って気持ちでいたんですけど、保護者の方が爆買いしてくださって。
司 会:カレンダーのほうも完売ですか。
生徒①:ハイ。カレンダーもです。
生徒②:飛ぶように、売れました。
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生徒②:オリジナル商品っていうところをすごく褒めてくださって。他のクラスの会社はもともとある商品を売っているかたちだったんですが、私たちは完全にオリジナルのものを売っているので、そこをすごく評価していただきました。
生徒①:終わって1週間くらい経って会ったときに、「使ってるよ」とか、「今日あれの日だよね」とか、「今日は何々についてだったわ」とか報告してくれたりして。その場だけじゃなくて、みなさんが日々目にしてくれているんだなって。
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司 会:プログラムで最優秀賞を獲得されたということですが、ポイントは何だったと?
生徒③:先ほどの話とも重複するんですけど、オリジナルというのが一番大きかったです。ゼロから作って、内容もサイトとかSNSにあるものだけじゃなく、しっかり専門家の方に取材をして収集した情報を31個に詰めているので、そこがポイントだったと思います。
生徒①:あとは、始めにプレゼンテーションというのがあって、そこで出資額が決まるんですけど。その時は「やりたいことがしっかりしている」という点で評価していただいて、それをきちんと実現したっていうところで評価をしてもらった部分が大きいかなと思います。
生徒③:それと企業理念の浸透が多くのクラスの中でも一番できていたんじゃないかな、と自分では思います。企業理念で自分たちが決めたことが、実際にこの商品を通じて伝えられたかなっていうのがすごい大きいです。
司 会:この商品を手にした方から、日本のマナーが広がっていくといいですね。
生徒③:やっぱり例年通りであればもっと伝えられたはずなのに、っていうのはありますけど、今回の文化祭を通してでは成功したんじゃないかなと。来場していただいた多くの方に情報や自分たちの伝えたいことが届けられたと思います。私の福岡の親戚にも送ったので、もう広まっているとみています。
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司 会:絵本やカレンダー作りのイメージは変わりました?意外に簡単に作れるんだ、とか。
生徒①:本当にそれは思いました。作る前は学校という後ろ盾があるからできるみたいな感じに思っていたんですけど、作り終わってみると個人でも作れると思うし、ここっていろんなサポートもしてくれるので、全然できることなんだなあっていうのを思いました。
生徒③:やろうと思えばできるんだなっていうのは、この絵本だけじゃなくて、他のことでもやろうと思えばできるのにやっていないことって自分の中ではたくさんあるので、それを気づかされる大きなきっかけになりました。
司 会:そんなに大きくとらえてもらうと、すごくうれしいです。
生徒①:これを作ったことがいい思い出になって、のちのちモノとして残るっていうのが、他のSNSとかデータ上のものとは違うなって。
生徒③:何十年後に見ても思い出す(笑)半年間必死に頑張った。
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- りふdeおは梨様

- うまれもった ひかり / アゴのはずれた くるみわりにんぎょう
- えのもと かずき様

- のりまき のりちゃん
- 絵本とおひるね舎 甲斐 絵里(エリック ウーリ)様

- 魔女のレストラン
- 株式会社グラフィッコ様

- WHAT'S THIS?
- SAKURA様

- たのしみながら少しづつ
- 山下 泰様

- ここに生まれてきたんだよ
- 伊敷トゥートリサ様

- やぎちゃんと秘密の線香
- 八木 宏幸様

- Fantasy
- Yuri Alfrancaix様

- ちびおるめのひと駅の大冒険
- 社会芸術ラボORINAS 佐原香織様

- EVER GREEN / だいじょうぶ
- Fleurbrahman Art様

- てふ ひらり はたり
- Akiko.B.Mimura様/スゲノマロ様

- いちにち
- 横瀬芽実依様

- 育てるタオル 育てる暮らし
- 株式会社 英瑞様

- イトウってなーんだ?
- 猿払イトウの会様

- てんぷら!声を聞かせて
- 社会医療法人同仁会 耳原総合病院様

- バリアフリー戦隊ダンサナクセイバー ~心のバリアフリー編~
- NPO法人自立生活センターSTEPえどがわ様

- いったい どうなっているんだぃ?
- 群馬医療福祉大学 村山明彦様 山口智晴様

- マジック用絵本
- RYU(大迫龍太)様

- 夏休みの思い出
- 緒方悠輝也様

- あまのいわと
- 岡山県神社庁様

- だって、くまだもの~歯医者さんへいく~
- コンシェルクリニックグループ様

- クロとシロ
- 横尾勇樹様

- れいぞうこさんちのおおげんか
- 佐久間千恵子様・山本夏子様

- さばくと少年
- 阿賀嶺壮志様

- 一人じゃない あなたもだれかのLINK
- なぁちゃ様

- Happy Sora no Osanpo
- mu-ma様

- うしのあし ひとのあし
- 国立大学法人東北大学・東北アジア研究センター様

- うみのなかってどんなとこ?
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- たびするウミガメ~これからのウミはどんなウミ?~
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