オリジナル絵本 インタビュー
『ちびおるめのひと駅の大冒険』
/ 幼い「おるめちゃん」の大冒険を描く、 /
親子のコミュニケーションツールとして製作された絵本
6歳の「おるめちゃん」が3歳の妹と二人だけで電車に乗り、不安な気持ちになりながらもがんばって、隣の駅のボウリング場で待っている両親に会いにいきます。絵本の絵の部分は、羊毛フェルト人形による情景の写真で、パーツのない顔が読者の想像力をふくらませます。親子のコミュニケーションのきっかけになればという想いでこの絵本を生み出した、「社会芸術ラボORINAS」の佐原香織さんにお話をうかがいました。
多くの家庭で抱えている親子のコミュニケーションの問題に対して、
親子の対話のきっかけとなるようなツールがあれば良いのではないかと。
この絵本を製作した「社会芸術ラボ ORINAS」とは、どのような活動をしている団体ですか。
「社会芸術ラボ ORINAS (オリナス)」は、私が⼭形県にある東北芸術⼯科⼤学の教員を務めていた時に⽴ち上げた団体です。私は社会教育とコミュニケーションが専⾨です。街づくりや地域の活性化、また、ひとり親家庭の学習⽀援など、様々な地域の課題に取り組んでいます。東北芸術⼯科⼤学の着任と共に、アートを⽣かした⼈と地域社会とのつながりをテーマに、学⽣と社会⼈と共に「社会芸術ラボ ORINAS」を⽴ち上げました。そして、アートをもっと⾝近に感じていただくモノづくりと温かなコミュニケーションのワークショップ企画の場づくりとして、東京と⼭形を拠点に、「HugCafe(ハグカフェ)」を主催しています。
今回の『ちびおるめのひと駅の大冒険』という絵本を作ったのも、その活動のひとつですか。
そうです。多くの家庭で抱えている親⼦のコミュニケーションの問題に対して、親⼦の対話のきっかけとなるようなツールがあると良いのではないかと考え、思い切って絵本を作ってみようと決断しました。
絵本という媒体を選んだのは、どのような理由ですか。
理由は三つあります。まず、⼦どものころから⽂字や本に親しんでもらいたいので、絵本は⼦どもが本に接するきっかけとして⼊りやすいこと。また、お⺟さんやお⽗さんが声に出して絵本を読むことで、⼦どもが親の声を聴く機会を得ること。⼀緒に物語を読むことで、普段とは違う親の声を楽しむ機会につなげることができたらと思いました。それと、声を出して物語を読むことは、脳科学的にも⾮常に良い点が挙げられるということです。⾃分の声が前頭葉や頭蓋⾻に響くことで脳が活性化され、記憶の定着や情緒の安定にも効果があると認識されています。絵本を声に出して読む効果も、私のねらいの⼀つです。
絵の代わりに、羊毛フェルトで作った人形を写真にしたのはなぜですか。
⽺⽑フェルトの⼈形はデザイナーの⽅からの提案です。⼈形を使えば、アングルや⼈物の動きを⾃由に設定できるので、他のポーズや写真のイメージの変更も、その場ですぐに修正できます。イラストだと、修正のたびに描き直さなければならず、短い制作期間では難しいかもしれないと考えました。何より、デザイナー⼿作りの⽺⽑フェルト⼈形の温かみのある感じが、今回の「ちびおるめ」のイメージにぴったりだと私は思いました。
人形の顔に目や鼻、口などのパーツをつけなかったのはどうしてですか。
⼈形の顔は、はじめから作らないことに決めていました。それは、表情こそ読者の感性で想像して欲しいポイントだからです。ページをめくった時、⽬の前のシーンを楽しそうに感じるのか、寂しそうに感じるのか、ドキドキワクワクするのか。⼀緒に本を⾒ている親⼦が、それぞれ⾃由にのびのびと想像してほしいのです。
この絵本の物語で一番伝えたいことは何ですか。
主⼈公のおるめちゃんは、みーちゃんという妹が⼀緒だったから⽬的を達成できたと思います。⼈は⾃分の意思だけでは困難なことも、誰かとの関わりをきっかけに、がんばってみようとか、なんとか最後までやり遂げようとか、⼀⽣懸命取り組む勇気が持てるのではないかと思います。この絵本は、「がんばったことが偉い」という話ではありません。その⼦どもならではの⼀⽣懸命さや気持ちを、社会や⼤⼈たちがその⼦どもに寄り添い、ありのままを受けとめるしなやかな姿勢を⼤⼈に伝えたい、と思いました。絵本を読んだ後は、その後のおるめちゃんの成⻑を想像しながら、親⼦での対話を楽しんでいただきたいですね。
「どこで作られたのですか」といったお問い合わせも多くいただきました。
本当にイメージ以上のものに仕上がり、嬉しく思います。
絵本を作るにあたって、こだわった点や難しかった点はありますか。
物語でこだわったのは、こちらで物語の解釈を決めない、解釈は読者の⾃由だということです。⼀⼈ひとりの読者にのびのびとした発想で捉えていただけたら嬉しいです。そして、この物語をきっかけに、親⼦での対話を楽しんでいただきたいです。絵本の仕様に関しては、紙質にこだわりました。いろいろな紙のサンプルが「ガップリ!の絵本」には揃っています。それを⼿元に置きながら、「ガップリ!の絵本」の担当者に何度も相談しました。こちらが選んだ素材に対して、この組み合わせだと耐久性に⽋けるとか、重くなってしまうなど、親⾝になって考えてくださり、初⼼者の私は本当に助かりました。
絵本が完成した時のお気持ちをお聞かせください。
今回、絵本と同時に⽇めくりカレンダーも作らせていただきました。それぞれに応じた適切なアドバイスをいただけたことに安⼼しました。お陰様で仕上がりも、感動的な素晴らしさでした。100名くらいの⽅にお贈りしているのですが、「どこで作られたのですか」といったお問い合わせもたくさんいただきました。本当にイメージ以上のものに仕上がり、嬉しく思います。
絵本はどういったかたちで活用されていますか。
この絵本は、将来販売することも想定して価格をつけています。また、東京・⼭形など、教育委員会を通して幼稚園や⼩学校などの教育機関、また図書館などにも寄贈しています。お読みいただいた⽅から、「ぜひ、うちの⼩学校にも」「うちの図書館にも」というお声をいただいています。これからも、全国様々な教育機関にご提供させていただきたいと思っています。
読んだ方の反応はいかがですか。
もともとは、コミュニケーションで困ったり悩んだりしている⽅を対象にした企画ですが、お贈りした⽅に⾏ったアンケートでは、絵本を読んでいる親御さんが、「⾃分⾃⾝の⼦どものころを思い出した」という声をたくさんいただきました。実はこの物語を通して、⼤⼈の⽅にも⼦どものころを思い出すきっかけになっていただけたら、という想いが私の中にありました。
私が話すメッセージやキャッチーなフレーズが好評で、
日めくりカレンダーの企画が始まりました。
今回はこの絵本とともに、カレンダーを2種類製作されました。そもそも、⽇めくりカレンダーを作ろうと思ったきっかけは何ですか。
⼤学・地域・企業で⾏う講演や講座で、私が話すメッセージやキャッチーなフレーズが好評で、何かにまとめたらどうかというお話を、いろいろな⽅からいただきました。そこで、ORINASの企画担当スタッフが、「ガップリ!オリジナルカレンダー」をみつけたのです。早速サンプルを取り寄せて、メッセージ⼊りの⽇めくりカレンダーの企画が始まりました。さらに、年代別のリサーチをしたところ、20代30代には圧倒的に「卓上タイプ」が⽀持され、40代以上では「壁掛けタイプ」が⽀持されました。そこで、2種類の⽇めくりカレンダーを作ることにしました。
カレンダー製作がきっかけで「ガップリ!の絵本」を知り、絵本を作ったのですか。
はい。まず、知ったのは「ガップリ!オリジナルカレンダー」でした。「ガップリ!の絵本」は⾮常に⾯⽩い作品を作っていて、製作⼯程も初⼼者にわかりやすく、サンプルも充実しています。はじめてのことで不安も⼤きかったのですが、思い切って、製作をお願いしました。電話対応担当者の⽅がすごく丁寧で、安⼼できたのも⼤きな要因です。今までは、本は出版社で作るものだと思っていて、今回このような印刷サービス会社があることをはじめて知りました。「ガップリ!の絵本」を⾒つけて提案したスタッフに、感謝しています。
このカレンダーは販売しているのですか。
今回は、主に教育・福祉関連の⽅を中⼼にお贈りしています。絵本や⽇めくりカレンダーの感想、仕様等に関して、反応を聞いたりリサーチをかけたりしている段階で、販売については今後の⽬標です。今回は、このような絵本やツールが、どのような⽅にとってお役に⽴つのか、私たちの研究活動の⼀環として製作しました。この絵本を、今後の活動に活かしていきます。
今後、作ってみたい作品などはありますか。
今回は200部の印刷ですが、できればもっと増やしたいですね。その他にも新たな絵本の企画やツールの開発に着⼿していきます。特に、様々な環境に、しなやかに適応する⼒や、コミュニケーションに関する悩みを抱えながらモヤモヤしている⽅に向けて、⽇常がもっと楽しくなるヒントを伝えていきたいです。これからも、ワクワクしながら読んでいただける本づくりに、チャレンジしていきます。
「ガップリ!の絵本」「ガップリ!オリジナルカレンダー」に一言お願いします。
絵本もカレンダーも製作期間として厳しい状況のなか、ほぼ同時進⾏で進めました。「ガップリ!の絵本」のスタッフの⽅々には無理を⾔ってお⼿間をとらせてしまい、申し訳なかったです。それでもなんとか期限内で仕上げていただき、本当に感謝しています。引き続き、「ガップリ!の絵本」のスタッフの⽅々のお⼒をお借りしたいです。素敵な出会いをいただき、ありがとうございます。
これからも、いろいろな方向から社会の課題に取り組まれる佐原さん。
次の絵本や作品も楽しみにしています。
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絵/ハセガワ直子様
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ガップリ!の絵本ギャラリー
お客さまが上製本(ハードカバー仕上げ)で製作したオリジナル絵本を一部ご紹介しています。
オリジナル絵本 無料サンプルプレゼント中!
ガップリ!の絵本では、初めて絵本を作成する方でも安心してご注文いただけるよう、オリジナル絵本の無料サンプルをプレゼントしています!
親子のコミュニケーションツールとして製作された絵本
6歳の「おるめちゃん」が3歳の妹と二人だけで電車に乗り、不安な気持ちになりながらもがんばって、隣の駅のボウリング場で待っている両親に会いにいきます。絵本の絵の部分は、羊毛フェルト人形による情景の写真で、パーツのない顔が読者の想像力をふくらませます。親子のコミュニケーションのきっかけになればという想いでこの絵本を生み出した、「社会芸術ラボORINAS」の佐原香織さんにお話をうかがいました。
多くの家庭で抱えている親子のコミュニケーションの問題に対して、
親子の対話のきっかけとなるようなツールがあれば良いのではないかと。
この絵本を製作した「社会芸術ラボ ORINAS」とは、どのような活動をしている団体ですか。
「社会芸術ラボ ORINAS (オリナス)」は、私が⼭形県にある東北芸術⼯科⼤学の教員を務めていた時に⽴ち上げた団体です。私は社会教育とコミュニケーションが専⾨です。街づくりや地域の活性化、また、ひとり親家庭の学習⽀援など、様々な地域の課題に取り組んでいます。東北芸術⼯科⼤学の着任と共に、アートを⽣かした⼈と地域社会とのつながりをテーマに、学⽣と社会⼈と共に「社会芸術ラボ ORINAS」を⽴ち上げました。そして、アートをもっと⾝近に感じていただくモノづくりと温かなコミュニケーションのワークショップ企画の場づくりとして、東京と⼭形を拠点に、「HugCafe(ハグカフェ)」を主催しています。
今回の『ちびおるめのひと駅の大冒険』という絵本を作ったのも、その活動のひとつですか。
そうです。多くの家庭で抱えている親⼦のコミュニケーションの問題に対して、親⼦の対話のきっかけとなるようなツールがあると良いのではないかと考え、思い切って絵本を作ってみようと決断しました。
絵本という媒体を選んだのは、どのような理由ですか。
理由は三つあります。まず、⼦どものころから⽂字や本に親しんでもらいたいので、絵本は⼦どもが本に接するきっかけとして⼊りやすいこと。また、お⺟さんやお⽗さんが声に出して絵本を読むことで、⼦どもが親の声を聴く機会を得ること。⼀緒に物語を読むことで、普段とは違う親の声を楽しむ機会につなげることができたらと思いました。それと、声を出して物語を読むことは、脳科学的にも⾮常に良い点が挙げられるということです。⾃分の声が前頭葉や頭蓋⾻に響くことで脳が活性化され、記憶の定着や情緒の安定にも効果があると認識されています。絵本を声に出して読む効果も、私のねらいの⼀つです。
絵の代わりに、羊毛フェルトで作った人形を写真にしたのはなぜですか。
⽺⽑フェルトの⼈形はデザイナーの⽅からの提案です。⼈形を使えば、アングルや⼈物の動きを⾃由に設定できるので、他のポーズや写真のイメージの変更も、その場ですぐに修正できます。イラストだと、修正のたびに描き直さなければならず、短い制作期間では難しいかもしれないと考えました。何より、デザイナー⼿作りの⽺⽑フェルト⼈形の温かみのある感じが、今回の「ちびおるめ」のイメージにぴったりだと私は思いました。
人形の顔に目や鼻、口などのパーツをつけなかったのはどうしてですか。
⼈形の顔は、はじめから作らないことに決めていました。それは、表情こそ読者の感性で想像して欲しいポイントだからです。ページをめくった時、⽬の前のシーンを楽しそうに感じるのか、寂しそうに感じるのか、ドキドキワクワクするのか。⼀緒に本を⾒ている親⼦が、それぞれ⾃由にのびのびと想像してほしいのです。
この絵本の物語で一番伝えたいことは何ですか。
主⼈公のおるめちゃんは、みーちゃんという妹が⼀緒だったから⽬的を達成できたと思います。⼈は⾃分の意思だけでは困難なことも、誰かとの関わりをきっかけに、がんばってみようとか、なんとか最後までやり遂げようとか、⼀⽣懸命取り組む勇気が持てるのではないかと思います。この絵本は、「がんばったことが偉い」という話ではありません。その⼦どもならではの⼀⽣懸命さや気持ちを、社会や⼤⼈たちがその⼦どもに寄り添い、ありのままを受けとめるしなやかな姿勢を⼤⼈に伝えたい、と思いました。絵本を読んだ後は、その後のおるめちゃんの成⻑を想像しながら、親⼦での対話を楽しんでいただきたいですね。
「どこで作られたのですか」といったお問い合わせも多くいただきました。
本当にイメージ以上のものに仕上がり、嬉しく思います。
絵本を作るにあたって、こだわった点や難しかった点はありますか。
物語でこだわったのは、こちらで物語の解釈を決めない、解釈は読者の⾃由だということです。⼀⼈ひとりの読者にのびのびとした発想で捉えていただけたら嬉しいです。そして、この物語をきっかけに、親⼦での対話を楽しんでいただきたいです。絵本の仕様に関しては、紙質にこだわりました。いろいろな紙のサンプルが「ガップリ!の絵本」には揃っています。それを⼿元に置きながら、「ガップリ!の絵本」の担当者に何度も相談しました。こちらが選んだ素材に対して、この組み合わせだと耐久性に⽋けるとか、重くなってしまうなど、親⾝になって考えてくださり、初⼼者の私は本当に助かりました。
絵本が完成した時のお気持ちをお聞かせください。
今回、絵本と同時に⽇めくりカレンダーも作らせていただきました。それぞれに応じた適切なアドバイスをいただけたことに安⼼しました。お陰様で仕上がりも、感動的な素晴らしさでした。100名くらいの⽅にお贈りしているのですが、「どこで作られたのですか」といったお問い合わせもたくさんいただきました。本当にイメージ以上のものに仕上がり、嬉しく思います。
絵本はどういったかたちで活用されていますか。
この絵本は、将来販売することも想定して価格をつけています。また、東京・⼭形など、教育委員会を通して幼稚園や⼩学校などの教育機関、また図書館などにも寄贈しています。お読みいただいた⽅から、「ぜひ、うちの⼩学校にも」「うちの図書館にも」というお声をいただいています。これからも、全国様々な教育機関にご提供させていただきたいと思っています。
読んだ方の反応はいかがですか。
もともとは、コミュニケーションで困ったり悩んだりしている⽅を対象にした企画ですが、お贈りした⽅に⾏ったアンケートでは、絵本を読んでいる親御さんが、「⾃分⾃⾝の⼦どものころを思い出した」という声をたくさんいただきました。実はこの物語を通して、⼤⼈の⽅にも⼦どものころを思い出すきっかけになっていただけたら、という想いが私の中にありました。
私が話すメッセージやキャッチーなフレーズが好評で、
日めくりカレンダーの企画が始まりました。
今回はこの絵本とともに、カレンダーを2種類製作されました。そもそも、⽇めくりカレンダーを作ろうと思ったきっかけは何ですか。
⼤学・地域・企業で⾏う講演や講座で、私が話すメッセージやキャッチーなフレーズが好評で、何かにまとめたらどうかというお話を、いろいろな⽅からいただきました。そこで、ORINASの企画担当スタッフが、「ガップリ!オリジナルカレンダー」をみつけたのです。早速サンプルを取り寄せて、メッセージ⼊りの⽇めくりカレンダーの企画が始まりました。さらに、年代別のリサーチをしたところ、20代30代には圧倒的に「卓上タイプ」が⽀持され、40代以上では「壁掛けタイプ」が⽀持されました。そこで、2種類の⽇めくりカレンダーを作ることにしました。
カレンダー製作がきっかけで「ガップリ!の絵本」を知り、絵本を作ったのですか。
はい。まず、知ったのは「ガップリ!オリジナルカレンダー」でした。「ガップリ!の絵本」は⾮常に⾯⽩い作品を作っていて、製作⼯程も初⼼者にわかりやすく、サンプルも充実しています。はじめてのことで不安も⼤きかったのですが、思い切って、製作をお願いしました。電話対応担当者の⽅がすごく丁寧で、安⼼できたのも⼤きな要因です。今までは、本は出版社で作るものだと思っていて、今回このような印刷サービス会社があることをはじめて知りました。「ガップリ!の絵本」を⾒つけて提案したスタッフに、感謝しています。
このカレンダーは販売しているのですか。
今回は、主に教育・福祉関連の⽅を中⼼にお贈りしています。絵本や⽇めくりカレンダーの感想、仕様等に関して、反応を聞いたりリサーチをかけたりしている段階で、販売については今後の⽬標です。今回は、このような絵本やツールが、どのような⽅にとってお役に⽴つのか、私たちの研究活動の⼀環として製作しました。この絵本を、今後の活動に活かしていきます。
今後、作ってみたい作品などはありますか。
今回は200部の印刷ですが、できればもっと増やしたいですね。その他にも新たな絵本の企画やツールの開発に着⼿していきます。特に、様々な環境に、しなやかに適応する⼒や、コミュニケーションに関する悩みを抱えながらモヤモヤしている⽅に向けて、⽇常がもっと楽しくなるヒントを伝えていきたいです。これからも、ワクワクしながら読んでいただける本づくりに、チャレンジしていきます。
「ガップリ!の絵本」「ガップリ!オリジナルカレンダー」に一言お願いします。
絵本もカレンダーも製作期間として厳しい状況のなか、ほぼ同時進⾏で進めました。「ガップリ!の絵本」のスタッフの⽅々には無理を⾔ってお⼿間をとらせてしまい、申し訳なかったです。それでもなんとか期限内で仕上げていただき、本当に感謝しています。引き続き、「ガップリ!の絵本」のスタッフの⽅々のお⼒をお借りしたいです。素敵な出会いをいただき、ありがとうございます。
これからも、いろいろな方向から社会の課題に取り組まれる佐原さん。
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絵/sea-no様
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- sakko様
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