オリジナル絵本 インタビュー
『おじいさんとまほうのたね』
/ ファンタジーなストーリーにのせて、
/
美しい風景や人々の絆の大切さを子どもたちに伝える絵本
夢に出てきた子どもからもらった種を育て、何年もかけて村を花でいっぱいにするというストーリーの絵本です。佐賀市の三瀬村で「花いっぱい運動」などの地域活動に尽力した実在の人物をモデルに、ファンタジックに仕立てています。絵本の制作は村民の寄付と市の助成金を制作資金として行われ、読み聞かせをしているボランティアグループが作り上げました。グループのメンバーで、制作の中心となった大江登美子さんにお話をうかがいました。
Tさんの功績を残し、その思いを次世代に引き継ぐために、
「絵本を作ってほしい!」と依頼されました。
『おじいさんとまほうのたね』を制作した「三瀬読み語りの会ホンホン」(以下「ホンホン」)は、どのような経緯で発足し、ふだんはどのような活動をされているのでしょうか。
三瀬は佐賀県佐賀市の山間にある村で、約1,100人が暮らしています。十数年前、村の学校に赴任した校長先生が、生徒の保護者に対し、本の読み聞かせや修復、整理といった図書のボランティアを呼びかけたことが、この活動のきっかけとなりました。
現在のメンバーは10名ぐらいで、月に1回、小学校と中学校を訪問し、絵本の読み聞かせをしています。また、小学校の卒業時に開催される「6年生を送る会」などの行事では、絵本を題材とした劇や人形劇を上演しています。今年度は、このたび制作した絵本を動画化し、スクリーンで上映しました。
今回の絵本を制作したのは、どのようなきっかけがあったのですか。
今回の絵本制作のきっかけは、三瀬生まれのTさんという方の地域活動にあります。Tさんは、かつての美しいふるさとの風景を取り戻し、人々の絆を深めたいという思いから、多くの地域活動に尽力されていました。その一環として、老人クラブの方々や小中学生に呼びかけ、国道沿いの空き地に芝桜の苗を植える「花いっぱい運動」のようなことも行っていました。
Tさんは数年前に亡くなりましたが、その後、Tさんと親交のあったホンホンの代表から、Tさんの功績を残し、その思いを次世代に引き継ぐために、「絵本を作ってほしい!」と依頼されました。また、Tさんは学校の活動にも積極的に参加していたので、冒頭で申し上げた校長先生にもすすめられました。これが、絵本制作のきっかけとなりました。
追悼の文集などではなく、なぜ絵本だったのでしょうか。
今回の絵本を作る前の話ですが、長年にわたり村の教育長を務めたお寺の住職の方が、お孫さんが小学校に入学する際、「こんな小さな村だけれども、村の絆を大事にして世界に羽ばたいてほしい」というメッセージを新入生に贈りました。それに冒頭で申し上げた当時の校長先生がいたく感激して、このメッセージをもとに絵本を作ろうと考えたのです。
絵を描いたり、デザインもしている私が頼まれて担当になり、校長先生が学校の予算をやりくりして、20センチ四方ぐらいの厚紙を表紙にしたホチキス留めの絵本ができあがりました。この絵本は全校生徒に配布され、その経験から「あの時みたいにまた絵本を作ろうよ!」という話になったのです。
子どもたちに伝えるために絵本というかたちを選ばれたのですね。
そうです。以前作った絵本も、今回の絵本も、何より子どもたちに伝えたいという思いがありました。それには絵本というメディアがとても有効ではないかと考えたのです。
実際、ホンホンのメンバーは絵本に対する情熱が強い人ばかりで、だからこそ絵本を作り、それを読み聞かせして、子どもたちにその思いを伝え続けようと決めたのです。
小中学生や教職員の皆さん、そしてホンホンのメンバーにも、
ひとつずつ花の絵を描いてもらい、それを集めたページにしました。
この絵本を制作する際、資金はどのように調達されたのですか。
今回の絵本は、村民からの寄付と佐賀市からの助成金で制作しました。村民が一番の読み手なので、小中学校の先生やPTA、自治会、老人クラブを通して寄付を呼びかけました。
市の助成金を受けるには自己資金が必要だったため、寄付はその資金を作るためのものでしたが、予想以上の寄付が集まりました。
今回の絵本はTさんという実在の人物をモデルにしていますが、絵本を制作する際にはどのような点に注意されたのでしょうか。
実在の人物がモデルとはいえ、具体的な事実だけを描いて伝記のようにしてしまうと、三瀬村の雰囲気やTさんの人柄がうまく伝わらないと感じました。
「それならもう、ファンタジーにしてしまおう」と私が勝手に判断をして、ストーリーを考えました。それをホンホンのメンバーに見せたところ、「いい!」「ぜひそれで進めて」と賛同してもらえたので、このかたちに決めました。
絵本の中で、さまざまな画風で描かれた花が見開きページいっぱいに広がる印象的な場面がありますが、あの花は皆さんで描かれたのですか。
これは私ひとりではなく、みんなで作った絵本なんだと思ってもらえるようにしたいと、最初から考えていました。そこで、制作した当時の小中学生や教職員の皆さん、そしてホンホンのメンバーにも、ひとつずつ花の絵を描いてもらい、それを集めたページにしました。
私たちが望んでいた絵本の仕様と、見積もり額が最も合致したのが、
「ガップリ!の絵本」さんでした。
この絵本を作るにあたり、「ガップリ!の絵本」を選んだ決め手は何だったのでしょうか?
佐賀市の助成金を受けるために、いくつかの会社から見積もりを取る必要がありました。その結果、私たちが望んでいた絵本の仕様と、見積もり額が最も合致したのが、「ガップリ!の絵本」さんでした。
具体的には、縦横210ミリの正方形の変形サイズが選べること、ハードカバーにできること、さまざまな紙質が選べることなどが決め手となりました。
なぜ、ハードカバーの絵本がいいと思われたのですか。
やはり丈夫な感じがあるからですね。
以前作った絵本はホチキス留めだったのですが、時間が経つにつれて表紙が取れてきてしまいました。また、ハードカバーのほうが、物としての存在感があり、価値を感じられると思ったからです。
210ミリの正方形にしようと思ったのはどうしてですか。
前回作った絵本もこのぐらいの大きさでしたし、一般の絵本でもこのサイズはよく見られます。私自身が正方形を好きということもあり、これまで手にとって読み聞かせに使った絵本の中でも、このサイズがいいなと思いました。
それに、正方形だと、本を閉じたときのサイズ感がちょうどよく、親しみや温かい雰囲気があるように感じられたからです。
絵本制作で難しかった点はありますか。
場面展開や見開きページでの絵や文章の配置が難しかったですね。
話の切れ目や場面の切れ目を見開きページにどう合わせるかも考慮する必要があり、これが一番の課題でした。また、限られたページ内にストーリーをうまく収めることも難しかったですね。
最新のデジタル印刷機で印刷したのですが、色味など、何かお気づきのことはありましたか。
今回も前回の絵本のようなタッチにしようと思い水彩で描いたのですが、色の再現については、非常に満足しています。
ただ、本文の用紙選びについては少し迷いました。コストのこともあったので、その範囲内で妥当だと思える紙を選びました。紙の見本を事前にもらっていたので、それが大いに参考になりました。
講演会は村の公民館の大きな部屋で開催したのですが、
小さな部屋では絵本の原画やホンホンの活動を紹介する展示も行いました。
絵本が完成したときのホンホンの皆さんの感想はいかがでしたか。また、絵本はどのように活用されていますか。
ホンホンの皆さんは、「こんな立派なものができるとは思わなかったね」と言って本当に大喜びしていました。
絵本は、基本的に寄付してくださった方々にお贈りし、小中学校の生徒さんにも配布しました。また、お花の絵を描いてくださった方々にもすべて絵本をお贈りしています。そのほか、佐賀市や佐賀県の図書館、さらには国立国会図書館にも寄贈しました。その結果、400部作った絵本は、ほとんど手元に残っていません。
講演会や原画展など、絵本に関連したイベントも行ったそうですね。
三瀬村の環境美化と地域活性化が大きな目的でしたので、絵本のお披露目も兼ねて「ふるさと三瀬を語る会」というイベントを開催しました。
三瀬村の取材を長年続けている映像ディレクタ―の樋口浩一さんをイベントへお招きし、三瀬村の魅力についてご自身の視点から講演していただきました。イベントの最後には、会場のスクリーンに絵本を映し、ホンホンのメンバーが読み聞かせをしました。
講演会は村の公民館の大きな部屋で開催したのですが、小さな部屋では絵本の原画やホンホンの活動を紹介する展示も行いました。
大江さんご自身では、絵本をまた作ってみたいというお気持ちはありますか。
絵本づくりはとてもおもしろいですし、絵本は優れたメディアだと思っていますので、またいつか作れる機会があればと思っています。ただ、現在は仕事をしておりますので、時間を確保することが難しい状況です。この絵本も、週末を利用して2年かけて描き上げました。
退職後に時間ができたら、また絵本づくりに取り組みたいと思っています。
最後に、「ガップリ!の絵本」をご利用いただいて、印象に残ったことや感想についてお聞かせいただけますか。
「ガップリ!の絵本」サイトは内容がわかりやすく、紙の見本なども提供されていて、絵本づくりに対するハードルを下げようとする努力が感じられました。
また、絵本づくりの体験談や制作事例もたくさん掲載されていて、さまざまな方が絵本を作りたくなるようなサイトになっているなと思いました。
ほかのサイトと比べても、一番わかりやすく、細かく丁寧に説明されているのが「ガップリ!の絵本」さんだったかなと思います。
Tさんの思いが息づくこの絵本が、これからも美しい環境と人々の絆を築く手助けとなることを心から願っています。
お話をありがとうございました。
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美しい風景や人々の絆の大切さを子どもたちに伝える絵本
夢に出てきた子どもからもらった種を育て、何年もかけて村を花でいっぱいにするというストーリーの絵本です。佐賀市の三瀬村で「花いっぱい運動」などの地域活動に尽力した実在の人物をモデルに、ファンタジックに仕立てています。絵本の制作は村民の寄付と市の助成金を制作資金として行われ、読み聞かせをしているボランティアグループが作り上げました。グループのメンバーで、制作の中心となった大江登美子さんにお話をうかがいました。
Tさんの功績を残し、その思いを次世代に引き継ぐために、
「絵本を作ってほしい!」と依頼されました。
『おじいさんとまほうのたね』を制作した「三瀬読み語りの会ホンホン」(以下「ホンホン」)は、どのような経緯で発足し、ふだんはどのような活動をされているのでしょうか。
三瀬は佐賀県佐賀市の山間にある村で、約1,100人が暮らしています。十数年前、村の学校に赴任した校長先生が、生徒の保護者に対し、本の読み聞かせや修復、整理といった図書のボランティアを呼びかけたことが、この活動のきっかけとなりました。
現在のメンバーは10名ぐらいで、月に1回、小学校と中学校を訪問し、絵本の読み聞かせをしています。また、小学校の卒業時に開催される「6年生を送る会」などの行事では、絵本を題材とした劇や人形劇を上演しています。今年度は、このたび制作した絵本を動画化し、スクリーンで上映しました。
今回の絵本を制作したのは、どのようなきっかけがあったのですか。
今回の絵本制作のきっかけは、三瀬生まれのTさんという方の地域活動にあります。Tさんは、かつての美しいふるさとの風景を取り戻し、人々の絆を深めたいという思いから、多くの地域活動に尽力されていました。その一環として、老人クラブの方々や小中学生に呼びかけ、国道沿いの空き地に芝桜の苗を植える「花いっぱい運動」のようなことも行っていました。
Tさんは数年前に亡くなりましたが、その後、Tさんと親交のあったホンホンの代表から、Tさんの功績を残し、その思いを次世代に引き継ぐために、「絵本を作ってほしい!」と依頼されました。また、Tさんは学校の活動にも積極的に参加していたので、冒頭で申し上げた校長先生にもすすめられました。これが、絵本制作のきっかけとなりました。
追悼の文集などではなく、なぜ絵本だったのでしょうか。
今回の絵本を作る前の話ですが、長年にわたり村の教育長を務めたお寺の住職の方が、お孫さんが小学校に入学する際、「こんな小さな村だけれども、村の絆を大事にして世界に羽ばたいてほしい」というメッセージを新入生に贈りました。それに冒頭で申し上げた当時の校長先生がいたく感激して、このメッセージをもとに絵本を作ろうと考えたのです。
絵を描いたり、デザインもしている私が頼まれて担当になり、校長先生が学校の予算をやりくりして、20センチ四方ぐらいの厚紙を表紙にしたホチキス留めの絵本ができあがりました。この絵本は全校生徒に配布され、その経験から「あの時みたいにまた絵本を作ろうよ!」という話になったのです。
子どもたちに伝えるために絵本というかたちを選ばれたのですね。
そうです。以前作った絵本も、今回の絵本も、何より子どもたちに伝えたいという思いがありました。それには絵本というメディアがとても有効ではないかと考えたのです。
実際、ホンホンのメンバーは絵本に対する情熱が強い人ばかりで、だからこそ絵本を作り、それを読み聞かせして、子どもたちにその思いを伝え続けようと決めたのです。
小中学生や教職員の皆さん、そしてホンホンのメンバーにも、
ひとつずつ花の絵を描いてもらい、それを集めたページにしました。
この絵本を制作する際、資金はどのように調達されたのですか。
今回の絵本は、村民からの寄付と佐賀市からの助成金で制作しました。村民が一番の読み手なので、小中学校の先生やPTA、自治会、老人クラブを通して寄付を呼びかけました。
市の助成金を受けるには自己資金が必要だったため、寄付はその資金を作るためのものでしたが、予想以上の寄付が集まりました。
今回の絵本はTさんという実在の人物をモデルにしていますが、絵本を制作する際にはどのような点に注意されたのでしょうか。
実在の人物がモデルとはいえ、具体的な事実だけを描いて伝記のようにしてしまうと、三瀬村の雰囲気やTさんの人柄がうまく伝わらないと感じました。
「それならもう、ファンタジーにしてしまおう」と私が勝手に判断をして、ストーリーを考えました。それをホンホンのメンバーに見せたところ、「いい!」「ぜひそれで進めて」と賛同してもらえたので、このかたちに決めました。
絵本の中で、さまざまな画風で描かれた花が見開きページいっぱいに広がる印象的な場面がありますが、あの花は皆さんで描かれたのですか。
これは私ひとりではなく、みんなで作った絵本なんだと思ってもらえるようにしたいと、最初から考えていました。そこで、制作した当時の小中学生や教職員の皆さん、そしてホンホンのメンバーにも、ひとつずつ花の絵を描いてもらい、それを集めたページにしました。
私たちが望んでいた絵本の仕様と、見積もり額が最も合致したのが、
「ガップリ!の絵本」さんでした。
この絵本を作るにあたり、「ガップリ!の絵本」を選んだ決め手は何だったのでしょうか?
佐賀市の助成金を受けるために、いくつかの会社から見積もりを取る必要がありました。その結果、私たちが望んでいた絵本の仕様と、見積もり額が最も合致したのが、「ガップリ!の絵本」さんでした。
具体的には、縦横210ミリの正方形の変形サイズが選べること、ハードカバーにできること、さまざまな紙質が選べることなどが決め手となりました。
なぜ、ハードカバーの絵本がいいと思われたのですか。
やはり丈夫な感じがあるからですね。
以前作った絵本はホチキス留めだったのですが、時間が経つにつれて表紙が取れてきてしまいました。また、ハードカバーのほうが、物としての存在感があり、価値を感じられると思ったからです。
210ミリの正方形にしようと思ったのはどうしてですか。
前回作った絵本もこのぐらいの大きさでしたし、一般の絵本でもこのサイズはよく見られます。私自身が正方形を好きということもあり、これまで手にとって読み聞かせに使った絵本の中でも、このサイズがいいなと思いました。
それに、正方形だと、本を閉じたときのサイズ感がちょうどよく、親しみや温かい雰囲気があるように感じられたからです。
絵本制作で難しかった点はありますか。
場面展開や見開きページでの絵や文章の配置が難しかったですね。
話の切れ目や場面の切れ目を見開きページにどう合わせるかも考慮する必要があり、これが一番の課題でした。また、限られたページ内にストーリーをうまく収めることも難しかったですね。
最新のデジタル印刷機で印刷したのですが、色味など、何かお気づきのことはありましたか。
今回も前回の絵本のようなタッチにしようと思い水彩で描いたのですが、色の再現については、非常に満足しています。
ただ、本文の用紙選びについては少し迷いました。コストのこともあったので、その範囲内で妥当だと思える紙を選びました。紙の見本を事前にもらっていたので、それが大いに参考になりました。
講演会は村の公民館の大きな部屋で開催したのですが、
小さな部屋では絵本の原画やホンホンの活動を紹介する展示も行いました。
絵本が完成したときのホンホンの皆さんの感想はいかがでしたか。また、絵本はどのように活用されていますか。
ホンホンの皆さんは、「こんな立派なものができるとは思わなかったね」と言って本当に大喜びしていました。
絵本は、基本的に寄付してくださった方々にお贈りし、小中学校の生徒さんにも配布しました。また、お花の絵を描いてくださった方々にもすべて絵本をお贈りしています。そのほか、佐賀市や佐賀県の図書館、さらには国立国会図書館にも寄贈しました。その結果、400部作った絵本は、ほとんど手元に残っていません。
講演会や原画展など、絵本に関連したイベントも行ったそうですね。
三瀬村の環境美化と地域活性化が大きな目的でしたので、絵本のお披露目も兼ねて「ふるさと三瀬を語る会」というイベントを開催しました。
三瀬村の取材を長年続けている映像ディレクタ―の樋口浩一さんをイベントへお招きし、三瀬村の魅力についてご自身の視点から講演していただきました。イベントの最後には、会場のスクリーンに絵本を映し、ホンホンのメンバーが読み聞かせをしました。
講演会は村の公民館の大きな部屋で開催したのですが、小さな部屋では絵本の原画やホンホンの活動を紹介する展示も行いました。
大江さんご自身では、絵本をまた作ってみたいというお気持ちはありますか。
絵本づくりはとてもおもしろいですし、絵本は優れたメディアだと思っていますので、またいつか作れる機会があればと思っています。ただ、現在は仕事をしておりますので、時間を確保することが難しい状況です。この絵本も、週末を利用して2年かけて描き上げました。
退職後に時間ができたら、また絵本づくりに取り組みたいと思っています。
最後に、「ガップリ!の絵本」をご利用いただいて、印象に残ったことや感想についてお聞かせいただけますか。
「ガップリ!の絵本」サイトは内容がわかりやすく、紙の見本なども提供されていて、絵本づくりに対するハードルを下げようとする努力が感じられました。
また、絵本づくりの体験談や制作事例もたくさん掲載されていて、さまざまな方が絵本を作りたくなるようなサイトになっているなと思いました。
ほかのサイトと比べても、一番わかりやすく、細かく丁寧に説明されているのが「ガップリ!の絵本」さんだったかなと思います。
Tさんの思いが息づくこの絵本が、これからも美しい環境と人々の絆を築く手助けとなることを心から願っています。
お話をありがとうございました。
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