インタビューページ『おはなしのもり』|上製本(ハードカバー仕上げ)のオリジナル絵本が50冊からつくれる

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オリジナル絵本 インタビュー
『おはなしのもり』

任意団体「デフシル-DEAF SHIRU-」様製作のオリジナル絵本『おはなしのもり』

/ 森で出会った人たちとコミュニケーションをとる方法は? /
「聴覚障がい」について学べる絵本。

主人公の男の子は、森のなかで出会った人たちに声をかけますが、なぜか振り向いてもらえず、彼らとコミュニケーションをとるにはどうすればいいかということを学んでいきます。お話自体はシンプルながら、たくさんの人から意見を聞いて、当事者の方が読んで不快に思わないような表現をめざしたそうです。この絵本を制作した、聴覚障がいの理解促進をめざす団体「デフシル」で代表を務める熊谷修平さんにお話をうかがいました。

聴覚障がいに関する絵本って小学校図書室学級文庫
病院待合室などにいてもらい、聴覚障がいのことを、
まったく知らない人たちにリーチしていこうとえました。

まず、熊谷さんが「デフシル」の活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

ネパールでの経験を通じて「デフシル」として活動する熊谷さん

▲ネパールでの経験を通じて「デフシル」として活動する熊谷さん

私は現在、岩手県の県立高校で、英語教員として働いております。「デフシル」を始めるきっかけは、22歳のときにネパールに行って、聴覚障がい者の方々にはじめて出会ったことでした。私は生まれつき左耳が聞こえないのですが、それまで、自分以外の聴覚障がい者に出会ったことがなく、そういう方はあまりいないのではないかと思っていました。ですが、ネパールでの経験を通じ、聴覚障がい者の方は身近にいても見た目ではわからないので、言い出せない人も多くいるのではないかと思うようになったんです。それで、聴覚障がいについて、みなさんにも知ってもらいたいと思い、2021年に「デフシル」を起ち上げました。

確かに聴覚の障がいは見た目ではわかりにくいかもしれませんね。それで「デフシル」では、ふだん、どのような活動をされているのですか。

最初は、聴覚障がい者について知ってもらいたいということで、日本とネパールの聴覚障がい者の方々の経験談や夢を、記事にして発信していました。ただ、それだと聴覚障がいのことをすでに知っていて関心のある方にしか届かず、知らない方々にはリーチできませんでした。そこで今回、聴覚障がいに関する絵本を作って小学校の図書室や学級文庫、病院の待合室などに置いてもらい、聴覚障がいのことを、まったく知らない人たちにリーチしていこうと考えました。この絵本という媒体を使った新たな活動は、今後、私たち団体の主軸にしていこうと話し合っています。

「デフシル」の活動として絵本づくりを始めた経緯を記したスクラップブック

▲「デフシル」の活動として絵本づくりを始めた経緯を記したスクラップブック

活動を始めるきっかけとなったネパールの方々とは、今でもつながりがあるのですか。

はい。「デフシル」を立ち上げた段階から、一緒にやりたいというネパールの方とFacebook上でつながっていて、聴覚障がいの方々や、ろう学校の先生方などと協力して、さまざまな活動を行っています。たとえば、最近はパソコン1台あればできる仕事が増えていますので、他のNPO法人と協力してネパールにパソコンを送り、現地の聴覚障がい者の方にデータ入力などの仕事を依頼して、雇用促進活動に取り組んでいます。

今でもネパールの方々と交流し、雇用支援も行っている様子

▲今でもネパールの方々と交流し、雇用支援も行っている

絵本は、聴覚障がいのことを知って欲しいという思いから作ったとおっしゃっていましたが、なぜ絵本というツールを選んだのでしょうか。

理由は二つあります。子どもに向けて作るなら、たとえば紙芝居などもあると思いますが、絵本でしたら読み聞かせる人がいなくても一人で読めます。また、絵本ならストーリーはもちろんですが、それ以外の文章も付録としてつけられる強みがあります。今回の『おはなしのもり』にも、聴覚障がいに関わる用語解説や、聴覚障がい者の方の経験談、「聞こえない人に出会ったときはこんなふうに対応してみよう」という記事などを掲載しています。

今回の絵本で、一番伝えたいことは何でしょうか。

大事なのは、「コミュニケーションの方法は、いろいろあってもいいよね」ということです。絵本のストーリーには、あえて「聴覚障がい」という言葉を一切出さず、耳が聞こえないという表現も入れませんでした。耳が聞こえていても、コミュニケーションの方法としては、電話よりメールを好む人もいるし、多くの人といろいろ話したい人もいれば、二人きりで好きなことだけを話したい人もいるでしょう。その延長線上で、聞こえない人たちは手話を使ったり、紙に文字を書いたりしてコミュニケーションをとるということに気づいてほしいというのが、一番伝えたいことです。

クマウサギなどの動物かれていますが、これ聴覚障がい者らず、
外国でもコミュニケーション方法たくさんあるといったメッセージめています。

絵本を作るにあたって、「ガップリ!の絵本」を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。

やはり料金が大きかったですね。メンバーの一人の親が印刷会社をやっていて、何回か見積りを出してもらったのですが、なかなか予算と折り合いがつかず、代わりにネットで「ガップリ!の絵本」さんを探し出したという経緯がありました。あとは、このインタビューも選んだ決め手の一つです。モニター割引はもちろんですが、僕らは情報発信やマーケティングの面で弱いと感じていたので、どこかしらのメディアに掲載されることで、今後の活動がプラスに働くと思いました。

絵本のストーリーや絵は、どのような流れで制作されたのでしょうか。

絵本制作は日本人メンバー6名で始めたのですが、メンバー全員が離れた場所に住んでいて、しかもコロナ禍だったので、オンラインでやり取りをしていました。最初は文と脚本を担当したやすだ うみさんが、共同制作者の中川夜さんと協力して原案を作りました。それを基にメンバー内で話し合って、大体の話の流れができた段階で、絵を担当した柏木裕美子さんにドラフト(下絵)を描いていただきました。そして、30人から50人くらいの関係者に読んでもらってご意見をいただき、修正を重ねて完成に近づけていったという流れです。

イラスト担当の柏木さんが描いた、下書き段階の絵

▲イラスト担当の柏木さんが描いた、下書き段階の絵

絵本を制作するうえで、内容的に注意したり、難しかったりしたのはどんなところですか。

難しかったのは関係者のご意見で、聴覚障がいの当事者が嫌な気持ちになる表現があったと言われたことです。絵本の展開としては、聴覚障がいがどういうものかわからず、ただ怖いと思っていたところから、だんだんとコミュニケーションを重ねることで、聴覚障がい者も自分たちと変わらないことがわかるという、マイナスからプラスに転じるストーリー展開を考えていました。ただ、当事者からしたら、最初、マイナスに描かれてしまうのはつらいというご意見がありました。ですので、そこは受け入れて、不快にならないように、背景を曇り空から青空へというように、状況の変化を絵で表現する方法へと変更しました。

「ガップリ!の絵本」はハードカバー仕上げと糸綴じ加工が基本セットになっています。やはり、この二つは外せない条件だったのでしょうか。

この絵本は、子どもたちが集まる場所に置く予定なので、汚れにくく、傷つきにくい頑丈なものを作りたいと思いました。また、絵本の読み聞かせをイメージしていたため、ページが開きやすい綴じ方にしたいという気持ちもありました。

絵本は製作後、小学校(左)や塾(右)へ寄贈

▲絵本は製作後、小学校(左)や塾(右)へ寄贈

絵本のサイズをA4サイズにしたのには、何かこだわりがありますか。

A4サイズにした理由は二つあって、一つは読み聞かせを前提としていたので、少しでも大きく見せられ、かつ図書館や学級文庫の棚に収まる大きさということ。もう一つは、ストーリー自体は小学生向きですが、巻末はどの年代の方も読めるような内容にしたので、目の不自由な方や、小さな文字が読みづらい方でも読めるように、このサイズを選びました。

他にも絵本を作る上で、こだわった点はありますか。

こだわりというか、絵本を作って終わりにはしたくなくて、これをどう活用していくかを念頭に置いて動いていました。ですから、読み聞かせをした後に、こんなアクティビティをしたら、こんなゲームをしたら、もっと理解が深まるのではないかといった、次のステージにつながるようなストーリー展開にしています。これからは、この絵本の関連ゲーム集や教材なども教育機関に提供したいと思っています。あと、絵の中にクマやウサギなどの動物が描かれていますが、これは聴覚障がい者に限らず、外国の方でも動物でもコミュニケーション方法はたくさんあるといったメッセージを込めています。

でき上がったものしては満足しかないです。
何よりよかったことは、「ガップリ!の絵本」のスタッフさん対応
優しかったことですね。

この絵本が完成したときのご感想はいかがでしたか。

完成までに結局2年弱くらいかかってしまったので、やってきたことが形になってやはり感動しました。メンバーも、ずっとデータとしてしか見ていなかったものが、「ガップリ!の絵本」さんのおかげで形になって、さわれるものになって、「こんなふうになるんだ!」と驚いていました。絵を描かれた柏木さんは、思った以上に色が鮮やかで、きれいに出てよかったとおっしゃっていました。

表紙の絵をタブレットで描いている柏木さん

▲表紙の絵をタブレットで描いている柏木さん

この絵本はクラウドファンディングをして制作されたそうですね。返礼品として絵本を受け取った方からの反響はいかがでしたか。

私の高校時代の同級生で、看護師をしている友人は、はじめて絵本を読んで泣いたと言っていました。また、子どもたちにとって、考えるきっかけになるとおっしゃった方もいました。あとは、学校に置きたいというお声もいただきました。制作途中の段階で子どもたちにも読んでもらったのですが、小学生から「クマがいたけど森に入って大丈夫?」とか、「手話ってすごい! いろいろな人と話せるんだ」という感想がありました。

絵本はクラウドファンディングの返礼品以外にも販売にも活用

▲絵本はクラウドファンディングの返礼品以外にも販売にも活用

今後、こんな絵本を作りたいという構想はありますか。

今回の絵本で文章を考えた方が、ろう者と一緒に生活をして、いろいろ勉強をしています。ただ、その方は聞こえる方なので、次はまったく聞こえない方の視点で作ってみたいという案はあります。

最後に、「ガップリ!の絵本」サービスをご利用いただいた感想はいかがでしたでしょうか。

もちろん、でき上がったものに関しては満足しかないです。何よりもよかったことは、「ガップリ!の絵本」のスタッフさんの対応が優しかったことですね。それに、問い合わせフォームから連絡したときの返信のスピードが早くてすばらしかったです。最初は、メールアプリから返信ができないので面倒だと思ったのですが、ホームページからできたので全然大丈夫でした。また、自分たちは、画質の問題であったり、トンボを付け忘れたりといったミスをしたのですが、それをスタッフさんがフォローしてくれたり、いろいろ動いていただいたので、そういったサポートなしには完成できなかったと思います。

今回、この絵本やインタビューをとおし、聴覚障がいの方とのコミュニケーションに、
不安や緊張は必要ないことを知りました。お話ありがとうございました!

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