上製本を構成するパーツ・加工
上製本は本を構成するパーツや加工が多いのが特長の1つです。
上製本がどのようなパーツで構成されているのか、どういった役割があるのかをご説明いたします。
天
上製本の上の部分。「あたま」ということも。表紙、本文問わず、全体的に上の部分を指します。上製本の下の部分は「地」といい、文字や絵柄が逆さまになっている場合は、天地が逆になっているといいます。右綴じや左綴じのように、上で綴じるものを「天綴じ」ということもあります。
地
上製本の下の部分です。天と同じく、表紙や本文など関係なく、上製本のすべての下の部分を指して「地」と呼びます。「罫下(ケシタ)」ともいわれますが、罫下は本文下の余白部分を指す場合もあります。
ノド
本を開いたとき中央になる、糊付けされた内側の部分です。製本方法によっては本が開きにくくなって、綴じたノド付近の文字が読めなくなったり、絵柄が見えなくなる場合があるので、ノドの余白(ノドあき)設定には慎重を要します。
小口
切口を意味する小口とは、本を開いたとき、糊付けされていない外側の部分を指します。もともと小口は天・下も含めた三方のことで、「天小口」「地小口」、外側の部分の「前小口」ですが、「天」「地」「小口」といわれることがほとんどです。
束
本文の厚さのこと。束は用紙とページ数によって変わります。上製本の製本には、ある程度の厚みが要るので、ページ数が少ない場合は、束幅が広くなるよう用紙の厚さを調整する必要があります。
背
上製本の背中の部分のこと。上製本の背には「丸背」と「角背」の2種類があり、ガップリ!で製作しているのは背が平らな「角背」です。表紙の厚み・束幅・裏表紙の厚みから背幅が決まるので、表紙のデータを作るには、用紙とページ数を決める必要があります。
溝
表紙・背・裏表紙とボール紙の間の空きを、本文と一緒にプレスすることでできるくぼみ。表紙と本文をしっかりとくっつける役割があります。また、溝により表紙の開きがよくなります。表紙の文字や画像の配置には注意が必要です。
チリ
表紙の仕上がりサイズ(本文サイズ)より天地小口が3mm程度出っ張っている部分のこと。並製本にはない上製本ならではの部分です。本文からはみ出した固い表紙で中身を保護してくれます。
遊び紙
遊び紙とは、本文の前・後(見返しと本文の間)にアクセントとして追加できる1枚の装飾的な紙です。カラーや質感のある紙を取り揃えた「セレクト用紙」と色上質紙(特厚口)から選ぶことができ、組合せ、紙選びの楽しさを味わうことができます。
花布
花布とは、本を真上から見たときに、本文の背と背表紙の間に貼られている小さな布で、上下2カ所に貼られています。
しおり/スピン
しおり/スピンとは、本文の背の上部についているヒモのことで、読んでいる途中のページにはさんで、しおりとして使うことができます。
見返し
見返しとは、表紙・裏表紙と本文を接合するための紙で、本文の最初と最後につけられており、上製本では必須のパーツになります。
箔押し
箔押しとは、文字や絵柄の金型を作り、金や銀などの箔を転写させるオプション加工です。
ブックケース
上製本の高級感をアップしたり、長期保存するためのオプションとして、ブックケースがあります。
ブックカバー
ブックカバーは大切な冊子/本を収納する紙製のカバーです。