オリジナル絵本 インタビュー
『むぎ』
/ 絵本とまんがの二部構成で、 /
保護犬の存在や実態をわかりやすく紹介。
捨てられていたところを保護されて、新しい飼い主のもとで暮らすようになった保護犬「むぎ」の絵本と、むぎの実際のエピソードや保護犬・保護猫についての情報を紹介するまんががセットになったユニークな構成の本です。実際に「むぎ」の保護に関わった KADO'KOさんが、まえのえりさん、青野広夢さんを誘い、クラウドファンディングで資金を集め、多くの人の協力のもとに完成させました。KADO'KOさん、まえのさん、青野さんの 3 人にお話をうかがいました。
インタビューにお答えいただいた方
- KADO'KO(かどっこ)さん=発起人
- 青野広夢さん=絵本担当
- まえの えりさん=まんが担当
かわいそうな状態にある犬を減らすために、何かできないかなと思い、
作家のおふたりに協力していただき絵本を作りました。
『むぎ』は保護犬のお話ですが、この絵本を作ろうと思ったきっかけは、どのようなことだったのでしょうか。
KADO'KO(かどっこ)さん:この絵本は、実話を基にした保護犬のお話です。絵本の主人公である「むぎ」は、やさしい家族に引き取られ長生きできたのですが、こういうかわいそうな状態にある犬を減らすために、何かできないかなと思いました。それで、私が発起人となって、作家のおふたりに協力していただき絵本を作りました。
前半の絵本ページを担当した青野広夢さんと、後半のまんがページを担当したまえのえりさんは、ふだんはどのような活動をされているのですか。
青野さん:千葉県八千代市で「ART SEED」という絵画教室を開いて絵の描き方を教えつつ、自分でも画家や絵本作家として作品を発表する活動をしています。
まえのさん:八千代市でアートに関係するイベントのお手伝いをしたり、細々とですがイラストなどを描いたりしています。日々、子育てに追われていまして、その合間に活動をしているような状況です。
それぞれ八千代市で活動されていたんですね。そんな皆さんは、どのようにして知り合われたのでしょうか。
KADO'KOさん:千葉県八千代市で開催される、「ART×CAFE」というイベントで2人の作家さんの存在を知りました。
青野さんとは面識がありませんでしたが作品を見ていて、ぜひ、むぎちゃんを描いてもらいたいと思いました。まえのさんとは、イベントを回っているときに何回かお会いしていたので、メールで、青野さんと3人で絵本を作りたいと相談しました。
「ART×CAFE」に参加していたお店に青野さんを紹介してもらい、とうとう3人で会うことが叶いました。そして、その場ですぐ絵本を作ることが決まったんです。
青野さんはご自身でも絵本を出されていますが、今回、このプロジェクトに参加しようと思われた理由は何だったのでしょうか。
青野さん:いつも動物を描いている身からすれば、動物を大切にしたいという気持ちはもちろんありますし、保護犬にも関心がありました。ですが、一番の理由はKADO'KOさんの熱意です。お会いしたとき、その熱量のすごさに動かされて、「やってみましょう」とお返事しました。
まえのさんは、どうしてKADO'KOさんと一緒に絵本を作ろうと思われたのですか。
まえのさん:KADO'KOさんから絵本づくりに関するご相談のメールをいただいて、どう返事しようかと考えながら入ったお店で、KADO'KOさんにばったり会ったんです。こんな偶然はちょっとないなと思ってお話しているうちに、やはり青野さんと同じく、KADO'KOさんの熱量というか、実現しそうな勢いを感じて、何かお手伝いできたらなと思いました。最初、この絵本は青野さんが描くものだと思っていたので、そのサポートという感じで参加したのですが、自分のページもあって、大変でしたが、うれしかったです。
「保護犬」の存在や保護活動について、
知らない人たちに伝えたい。
絵本のページだけでなく、むぎちゃんの実際のエピソードや保護犬の現状を紹介した二部構成にしたのは、どのような意図があったのでしょうか。
KADO'KOさん:黒いやせ犬を見つけて、友人と新しい飼い主探しに奔走し、最後は栃木のご家族に迎えられました。幸せに過ごせたねという絵本を作ろうとしていたのですが、3人でいろいろ話し合っているうちに、「保護犬」の存在や保護活動について、知らない人たちに伝えたいという方向に変わっていきました。小さなお子さんが、絵本のページだけ読んで、「むぎちゃんかわいい」と絵本に親しんでもらって、何度も読み返すうちに、まんがに描かれている「保護犬っているんだね」とか、「保護犬を助けてあげたいね」という意識が根付くといいなと思いました。そういったアニマルリテラシーのような部分が、皆さんに伝えられるといいなと話し合った結果、二部構成になりました。
実話を基に、絵本やまんがを描かれた感想はいかがでしたか。
青野さん:モデルがしっかりと存在していたので、実際のむぎちゃんを感じられるようなお話にしたほうがいいと思い、ファンタジーすぎないようにと考えて描きました。また、二部構成にしたことで、私はむぎちゃんをモデルとした保護犬のオリジナルストーリーで絵本を担当し、詳しい保護犬の説明や、むぎちゃんの実際のエピソードは、まえのさんの担当という感じで分けて考えられたのはよかったと思います。
まえのさん:保護犬にまつわることはいろいろと聞いていましたが、現実のむぎちゃんのエピソードは、やはり自分の体験ではないので、最初、私の中でストーリーがうまくまとまりませんでした。そんなとき、KADO'KOさんからストーリー仕立てではなく、4コマまんがで描いてはどうかという提案をされたんです。4コマにしたほうが私自身も描きやすいと思い、すぐシフトチェンジできて以降はスムーズに進みました。
絵本を作る資金をクラウドファンディングで集めたそうですね。
KADO'KOさん:お金もないのに、どうやって絵本を作ろうと考えたときに、そういえばクラウドファンディングというのはどうだろうと思いつきました。クラウドファンディングについて詳しい人に聞いたり、無料セミナーを受けたりして、勉強しました。
スタート後は、まえのさんや青野さんが参加していた「ART×CAFE」の影響が大きく、作家仲間の方や私のようにイベントを楽しんでいた方たちが、プロモーションを見てくださり、広めてくださいました。
最終的に3社ぐらいに候補を絞ったのですが、
「ガップリ!の絵本」の担当者の方と一番よくお話ができたので、
それで決めました。
絵本を作るにあたって、「ガップリ!の絵本」を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。
KADO'KOさん:まず、「ガップリ!の絵本」さんは、ネット上で料金シミュレーションができたのがよかったです。私は印刷に関して全くわからないのですが、試しにと思って適当に入力項目を埋めていったら簡単に概算が出ました。「ここを変えるとこのぐらい金額に違いが出る」というのも見えたので便利でしたね。それと担当の方に「クラウドファンディングをやっているんです」と言ったら、すぐにそのサイトを見にいって、「すでに支援がついているんですね、すごいですね」と言ってくださったんです。
最終的に3社ぐらいに候補を絞ったのですが、「ガップリ!の絵本」の担当者の方と一番よくお話ができたので、それで決めました。
「ガップリ!の絵本」ではハードカバー仕上げを基本仕様としていますが、その点も考慮して選ばれたのでしょうか。
KADO'KOさん:そうですね。子どもが持つものなので、丈夫でないといけないなと思っていました。
青野さん:絵本としてちゃんと作るのであれば、ソフトカバーよりはハードカバーにしたいなという気持ちはありました。
絵本づくりで、とくにこだわったという点はございますか。
KADO'KOさん:青野さんのパステル画が生きるようにしたかったので、紙質にはこだわりました。選んだ紙は、司書の方にもほめていただけましたよね。
まえのさん:パステル画と紙質がとても合っていると言われました。絵本の読み聞かせをするときに、光沢のある紙だと光が反射して絵が見えないことがよくあるそうです。この紙質なら安心して読み聞かせができると言ってもらえました。
青野さん:色味や発色が原画に近くなればいいなと思いましたが、実際に印刷してみないとわからない部分なので、印刷したサンプルを出していただけたのは助かりました。
犬の毛並みの先まできれいに発色していて、
黒い毛並みも潰れていなかったので、
やはりこっちの印刷のほうがいいねと3人で納得しました。
今回は超高精細デジタル印刷で印刷しましたが、品質などはいかがでしたか。
KADO'KOさん:最初は、オンデマンド印刷と比べてなんとなく色が薄いかなと思ったのですが、担当者さんに説明していただき、よく見たら、犬の毛並みの先まできれいに発色していて、黒い毛並みも潰れていなかったので、やはりこっちの印刷のほうがいいねと3人で納得しました。
この本がどういうふうに伝わるのかというのはずっと不安で、
読んだ方からの感想が届くようになった段階で、
やっと完成した実感がわいてきたような気がします。
皆さんで作った絵本が完成したときの感想をお聞かせください。
KADO'KOさん:本ができてきたときは感無量でした。ですが、入稿までが本当に大変だったので、「ワーッ!」とテンションが上がるほどエネルギーが残っていなくて、静かに淡々と「できたー」という感じでした。
まえのさん:完成するまでは、印刷は大丈夫なのかという不安があったので、形になったのを見て、ようやくホッとした気持ちになりました。
青野さん:データを入稿したあとは、実際の刷り上がりはどうなるんだろうとか、何かミスがあるんじゃないかなと思いながら過ごしていたので、絵本として本の形で届いたときには、やはりうれしかったです。ただ、これがどういうふうに伝わるのかというのはずっと不安で、読んだ方からの感想が届くようになった段階で、やっと完成した実感がわいてきたような気がします。
クラウドファンディングのサイトを拝見すると、絵本は図書館や幼稚園、動物の愛護センターなどに寄贈予定とのことですが、寄贈の状況はいかがですか。
KADO'KOさん:見学に行った動物愛護センター3カ所には、すでに寄贈しました。それから八千代市にある5つの図書館にも 1 冊ずつ置いていただいています。また、複数冊購入してくださって動物病院や幼稚園に寄贈してくださった方もいます。
市内の幼稚園や小学校にも配りたいのですが、初版は予算の関係で部数が足りなくて、増刷してからも配布していきたいと思っています。
絵本を読んだ方からの反響はどうだったのでしょうか。
KADO'KOさん:クラウドファンディングを通してこの絵本を読んだ方は、この本のコンセプトを理解されているので、好意的な反響を寄せてくださる方が多かったです。コンセプトを知らずに読んだ方の中には、絵本のあとにまんがのページが出てきて「えっ?」と思われた方もいらっしゃったようでした。将来的にこの絵本を一般流通に乗せて、書店でも売ってもらえるようにするなら、今のままの体裁ではコンセプトが伝わりにくいので、改版するなどして、そこは少し変えていきたいと考えています。
最後に、「ガップリ!の絵本」に対して、利用された感想などお聞かせ願えますか。
KADO'KOさん:無料サンプルとしていただいた絵本づくりについての絵本が、とてもわかりやすかったです。まさに「絵本づくりの絵本」と言えるような本でした。対応は、ていねいにしていただいたと思います。信頼できる感じもありましたし、実際の打ち合わせでも親切にしていただきました。私たちの色へのこだわりや、作品の風合いを生かしたいといった希望もよく考慮してくださったのが、とてもよかったです。
お話ありがとうございます。3人のバランスもよく、とても素敵なチームだなと思いました。
この絵本が広く読まれ、悲しい思いをするワンちゃん、ネコちゃんが本当にいなくなることを願っています。
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ガップリ!の絵本ギャラリー
お客さまが上製本(ハードカバー仕上げ)で製作したオリジナル絵本を一部ご紹介しています。
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ガップリ!の絵本では、初めて絵本を作成する方でも安心してご注文いただけるよう、オリジナル絵本の無料サンプルをプレゼントしています!
保護犬の存在や実態をわかりやすく紹介。
捨てられていたところを保護されて、新しい飼い主のもとで暮らすようになった保護犬「むぎ」の絵本と、むぎの実際のエピソードや保護犬・保護猫についての情報を紹介するまんががセットになったユニークな構成の本です。実際に「むぎ」の保護に関わった KADO'KOさんが、まえのえりさん、青野広夢さんを誘い、クラウドファンディングで資金を集め、多くの人の協力のもとに完成させました。KADO'KOさん、まえのさん、青野さんの 3 人にお話をうかがいました。
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かわいそうな状態にある犬を減らすために、何かできないかなと思い、
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『むぎ』は保護犬のお話ですが、この絵本を作ろうと思ったきっかけは、どのようなことだったのでしょうか。
KADO'KO(かどっこ)さん:この絵本は、実話を基にした保護犬のお話です。絵本の主人公である「むぎ」は、やさしい家族に引き取られ長生きできたのですが、こういうかわいそうな状態にある犬を減らすために、何かできないかなと思いました。それで、私が発起人となって、作家のおふたりに協力していただき絵本を作りました。
前半の絵本ページを担当した青野広夢さんと、後半のまんがページを担当したまえのえりさんは、ふだんはどのような活動をされているのですか。
青野さん:千葉県八千代市で「ART SEED」という絵画教室を開いて絵の描き方を教えつつ、自分でも画家や絵本作家として作品を発表する活動をしています。
まえのさん:八千代市でアートに関係するイベントのお手伝いをしたり、細々とですがイラストなどを描いたりしています。日々、子育てに追われていまして、その合間に活動をしているような状況です。
それぞれ八千代市で活動されていたんですね。そんな皆さんは、どのようにして知り合われたのでしょうか。
KADO'KOさん:千葉県八千代市で開催される、「ART×CAFE」というイベントで2人の作家さんの存在を知りました。
青野さんとは面識がありませんでしたが作品を見ていて、ぜひ、むぎちゃんを描いてもらいたいと思いました。まえのさんとは、イベントを回っているときに何回かお会いしていたので、メールで、青野さんと3人で絵本を作りたいと相談しました。
「ART×CAFE」に参加していたお店に青野さんを紹介してもらい、とうとう3人で会うことが叶いました。そして、その場ですぐ絵本を作ることが決まったんです。
青野さんはご自身でも絵本を出されていますが、今回、このプロジェクトに参加しようと思われた理由は何だったのでしょうか。
青野さん:いつも動物を描いている身からすれば、動物を大切にしたいという気持ちはもちろんありますし、保護犬にも関心がありました。ですが、一番の理由はKADO'KOさんの熱意です。お会いしたとき、その熱量のすごさに動かされて、「やってみましょう」とお返事しました。
まえのさんは、どうしてKADO'KOさんと一緒に絵本を作ろうと思われたのですか。
まえのさん:KADO'KOさんから絵本づくりに関するご相談のメールをいただいて、どう返事しようかと考えながら入ったお店で、KADO'KOさんにばったり会ったんです。こんな偶然はちょっとないなと思ってお話しているうちに、やはり青野さんと同じく、KADO'KOさんの熱量というか、実現しそうな勢いを感じて、何かお手伝いできたらなと思いました。最初、この絵本は青野さんが描くものだと思っていたので、そのサポートという感じで参加したのですが、自分のページもあって、大変でしたが、うれしかったです。
「保護犬」の存在や保護活動について、
知らない人たちに伝えたい。
絵本のページだけでなく、むぎちゃんの実際のエピソードや保護犬の現状を紹介した二部構成にしたのは、どのような意図があったのでしょうか。
KADO'KOさん:黒いやせ犬を見つけて、友人と新しい飼い主探しに奔走し、最後は栃木のご家族に迎えられました。幸せに過ごせたねという絵本を作ろうとしていたのですが、3人でいろいろ話し合っているうちに、「保護犬」の存在や保護活動について、知らない人たちに伝えたいという方向に変わっていきました。小さなお子さんが、絵本のページだけ読んで、「むぎちゃんかわいい」と絵本に親しんでもらって、何度も読み返すうちに、まんがに描かれている「保護犬っているんだね」とか、「保護犬を助けてあげたいね」という意識が根付くといいなと思いました。そういったアニマルリテラシーのような部分が、皆さんに伝えられるといいなと話し合った結果、二部構成になりました。
実話を基に、絵本やまんがを描かれた感想はいかがでしたか。
青野さん:モデルがしっかりと存在していたので、実際のむぎちゃんを感じられるようなお話にしたほうがいいと思い、ファンタジーすぎないようにと考えて描きました。また、二部構成にしたことで、私はむぎちゃんをモデルとした保護犬のオリジナルストーリーで絵本を担当し、詳しい保護犬の説明や、むぎちゃんの実際のエピソードは、まえのさんの担当という感じで分けて考えられたのはよかったと思います。
まえのさん:保護犬にまつわることはいろいろと聞いていましたが、現実のむぎちゃんのエピソードは、やはり自分の体験ではないので、最初、私の中でストーリーがうまくまとまりませんでした。そんなとき、KADO'KOさんからストーリー仕立てではなく、4コマまんがで描いてはどうかという提案をされたんです。4コマにしたほうが私自身も描きやすいと思い、すぐシフトチェンジできて以降はスムーズに進みました。
絵本を作る資金をクラウドファンディングで集めたそうですね。
KADO'KOさん:お金もないのに、どうやって絵本を作ろうと考えたときに、そういえばクラウドファンディングというのはどうだろうと思いつきました。クラウドファンディングについて詳しい人に聞いたり、無料セミナーを受けたりして、勉強しました。
スタート後は、まえのさんや青野さんが参加していた「ART×CAFE」の影響が大きく、作家仲間の方や私のようにイベントを楽しんでいた方たちが、プロモーションを見てくださり、広めてくださいました。
最終的に3社ぐらいに候補を絞ったのですが、
「ガップリ!の絵本」の担当者の方と一番よくお話ができたので、
それで決めました。
絵本を作るにあたって、「ガップリ!の絵本」を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。
KADO'KOさん:まず、「ガップリ!の絵本」さんは、ネット上で料金シミュレーションができたのがよかったです。私は印刷に関して全くわからないのですが、試しにと思って適当に入力項目を埋めていったら簡単に概算が出ました。「ここを変えるとこのぐらい金額に違いが出る」というのも見えたので便利でしたね。それと担当の方に「クラウドファンディングをやっているんです」と言ったら、すぐにそのサイトを見にいって、「すでに支援がついているんですね、すごいですね」と言ってくださったんです。
最終的に3社ぐらいに候補を絞ったのですが、「ガップリ!の絵本」の担当者の方と一番よくお話ができたので、それで決めました。
「ガップリ!の絵本」ではハードカバー仕上げを基本仕様としていますが、その点も考慮して選ばれたのでしょうか。
KADO'KOさん:そうですね。子どもが持つものなので、丈夫でないといけないなと思っていました。
青野さん:絵本としてちゃんと作るのであれば、ソフトカバーよりはハードカバーにしたいなという気持ちはありました。
絵本づくりで、とくにこだわったという点はございますか。
KADO'KOさん:青野さんのパステル画が生きるようにしたかったので、紙質にはこだわりました。選んだ紙は、司書の方にもほめていただけましたよね。
まえのさん:パステル画と紙質がとても合っていると言われました。絵本の読み聞かせをするときに、光沢のある紙だと光が反射して絵が見えないことがよくあるそうです。この紙質なら安心して読み聞かせができると言ってもらえました。
青野さん:色味や発色が原画に近くなればいいなと思いましたが、実際に印刷してみないとわからない部分なので、印刷したサンプルを出していただけたのは助かりました。
犬の毛並みの先まできれいに発色していて、
黒い毛並みも潰れていなかったので、
やはりこっちの印刷のほうがいいねと3人で納得しました。
今回は超高精細デジタル印刷で印刷しましたが、品質などはいかがでしたか。
KADO'KOさん:最初は、オンデマンド印刷と比べてなんとなく色が薄いかなと思ったのですが、担当者さんに説明していただき、よく見たら、犬の毛並みの先まできれいに発色していて、黒い毛並みも潰れていなかったので、やはりこっちの印刷のほうがいいねと3人で納得しました。
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読んだ方からの感想が届くようになった段階で、
やっと完成した実感がわいてきたような気がします。
皆さんで作った絵本が完成したときの感想をお聞かせください。
KADO'KOさん:本ができてきたときは感無量でした。ですが、入稿までが本当に大変だったので、「ワーッ!」とテンションが上がるほどエネルギーが残っていなくて、静かに淡々と「できたー」という感じでした。
まえのさん:完成するまでは、印刷は大丈夫なのかという不安があったので、形になったのを見て、ようやくホッとした気持ちになりました。
青野さん:データを入稿したあとは、実際の刷り上がりはどうなるんだろうとか、何かミスがあるんじゃないかなと思いながら過ごしていたので、絵本として本の形で届いたときには、やはりうれしかったです。ただ、これがどういうふうに伝わるのかというのはずっと不安で、読んだ方からの感想が届くようになった段階で、やっと完成した実感がわいてきたような気がします。
クラウドファンディングのサイトを拝見すると、絵本は図書館や幼稚園、動物の愛護センターなどに寄贈予定とのことですが、寄贈の状況はいかがですか。
KADO'KOさん:見学に行った動物愛護センター3カ所には、すでに寄贈しました。それから八千代市にある5つの図書館にも 1 冊ずつ置いていただいています。また、複数冊購入してくださって動物病院や幼稚園に寄贈してくださった方もいます。
市内の幼稚園や小学校にも配りたいのですが、初版は予算の関係で部数が足りなくて、増刷してからも配布していきたいと思っています。
絵本を読んだ方からの反響はどうだったのでしょうか。
KADO'KOさん:クラウドファンディングを通してこの絵本を読んだ方は、この本のコンセプトを理解されているので、好意的な反響を寄せてくださる方が多かったです。コンセプトを知らずに読んだ方の中には、絵本のあとにまんがのページが出てきて「えっ?」と思われた方もいらっしゃったようでした。将来的にこの絵本を一般流通に乗せて、書店でも売ってもらえるようにするなら、今のままの体裁ではコンセプトが伝わりにくいので、改版するなどして、そこは少し変えていきたいと考えています。
最後に、「ガップリ!の絵本」に対して、利用された感想などお聞かせ願えますか。
KADO'KOさん:無料サンプルとしていただいた絵本づくりについての絵本が、とてもわかりやすかったです。まさに「絵本づくりの絵本」と言えるような本でした。対応は、ていねいにしていただいたと思います。信頼できる感じもありましたし、実際の打ち合わせでも親切にしていただきました。私たちの色へのこだわりや、作品の風合いを生かしたいといった希望もよく考慮してくださったのが、とてもよかったです。
お話ありがとうございます。3人のバランスもよく、とても素敵なチームだなと思いました。
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