オリジナル絵本 インタビュー
『れいぞうこさんちのおおげんか』
/ 子どもたちとの思い出が形に、 /
幼稚園の劇から生まれた絵本
「れいぞうこさんちのおおげんか」は、ママがいない間に冷蔵庫の中の食品たちが誰が1番かで大ゲンカするお話です。もともとは幼稚園の劇として作られたというこのお話を、今回、絵本にされた作者の佐久間千恵子さんと、絵を担当された山本夏子さんにインタビュー。絵本づくりについてお話をうかがいました。
視覚優位な子と聴覚優位な子っているんですけども、
やっぱりどんなお子さんでも絵本は好きですね。
絵本が嫌いな子はいないですよ。
この絵本を作ろうと思ったきっかけは何ですか。
佐(―佐久間さん):私は15年間幼稚園の先生をしておりまして、発表会で毎回オリジナルの劇を作っていたんですね。その中の一つをアレンジしたものが、この絵本になりました。元になったのは8年前、私にとっては幼稚園最後となったクラスの劇で、子どもたちに合わせながら作り上げた思い入れのあるお話です。保護者のお母さんたちからは発表会の後、いつも「本にしたら」と言われていたんですが、なかなか形にするきっかけがなくて。それで現場を離れて年月が経ったいま、施設長として働く中で出来ることを考えた時に、お話を形にして残したいなと思ったんです。それには夏子先生との出会いも大きくて、夏子先生が「千恵子先生が持っているものを独り占めして心に秘めていちゃだめだよ。絵本にしたら面白いんじゃない? 私が絵を描くよ」っておっしゃってくれたことで、一歩前に進む気持ちになれたというのがきっかけですかね。
どうして絵本という形態を選ばれたのですか。
佐:もともとお話を書くのが好きで結構作ってあるんですけども、子どもたちとの出会いによって絵にする楽しさを学んだんでしょうね。海外のスリランカやカンボジアの子どもたちとも接する機会があって、言葉が通じなくても私の描いたイラストで仲良くなれたという経験も大きいかも知れません、言葉の壁を越えられたっていう。老若男女、大人の方に見せても笑顔になってくれるし、私がいま働いている施設の2歳とか3歳の子や、発達がゆっくりなお子さんでも、絵を指して興味を持ってくれるのが絵本だったので、視覚的要素で作ってみたいなというのはありました。それと、やはり夏子先生の存在が大きかったですね。
山(―山本さん):私は普段イラストレーターの仕事をしているので、何かあれば声をかけてくださいねみたいな話はしていたんです。幼児教材のお仕事で絵本とかも作っているものですから、そのノウハウもありましたし、千恵子先生には私の絵のタッチを知ってもらっていたので安心してお願いしていただけるんじゃないかなと思っていました。それで、昨年の春くらいに本当に絵本を作ろうということになって、千恵子先生からこんなタッチで描いて欲しいんですけどってご依頼をいただいて、私もこういうタッチならぜひともという感じで。やっぱり内容によって絵が全然合わなかったり、好みもいろいろあると思うんですけど、原稿を見せてもらった時にちょっとサンプルで描いたら「これいいね」っていう感じで、スムーズにビジュアル化できました。
お二人はどういうご関係なんですか。
佐:彼女とはですね、幼稚園を辞めた後、保育士の専門学校の講師を4年間務めたんですけども、そこで造形とかを教えていたのが夏子先生だったんですね。
山:千恵子先生は保育園の先生だったので保育の現場のことを授業で教えて、私はあくまでも美術なので造形を教えるっていう立場なんですけども。指導するっていうところで志ですとか、日常心掛けていることですとか、感性みたいなものがお互いわりと似ているところがあって。同僚でありながらも組織内にとどまることなく関係性を深めてこられたので、今回もこうやって出来たんだなって思います。
佐久間さんはどうしてお話づくりに興味を持たれたのですか。
佐:幼稚園に勤めてから、子どもたちに毎日会っていると毎日違うことが起きるのですごく楽しくて。毎日お話が浮かぶっていうか、そういった出来事をアレンジしてお話を作るのが好きになりました。その後、専門学校の講師になって「絵本の世界」という読み聞かせの練習などをするクラスを持たせてもらってからは、もっともっとお話が好きになりましたね。いまは発達支援のお教室の施設長をしているんですが、そこでも読み聞かせは好きで園長なのに勝手に出て行ってやらせてもらったりしています。視覚優位な子と聴覚優位な子っているんですけども、やっぱりどんなお子さんでも絵本は好きですね。絵本が嫌いな子はいないですよ。
このお話のテーマは何ですか。
佐:これを劇として作った時は、みんな違っていていいんだよっていうようなことを、子どもたちというか見ている保護者の方にも伝えたいっていう気持ちで作りました。どうしてもやっぱり比べてしまう世の中ですから、その中で何か発信できることはないかなと思って生まれたお話です。それと、食べることや身近なものにもちょうど興味を持つ4、5歳児だったので、食育もいっしょに出来たらいいかなという思いもありました。
絵本の製作でこだわったところや難しかったところはありますか。
佐:夏子先生が絵本にする手配を全部してくれて、もう本当に任せっきりだったんですけど。私の中で出来たよろこびを味わいたいっていうのがありまして、みんなにあげてうれしくなるような、私自身のテンションが上がるものを作りたいということでハードカバーにこだわりました。それと彼女の方がB5の方が持ちやすいんじゃないって提案をしてくれて、そういうところは二人のこだわりの中で決めていった感じですね。
山:すでに演じたことのある作品ということで、それぞれのキャラクターが明確だったと思うんですね。その中で、私のイメージと相違がないようキャラクターの設定には注意しました。ちょっと難しかったのは、字切りですね。文章をどこで改行し、どこでスペースを空けてっていうのが、結構いろんな絵本を見たんですが本当にまちまちで。そこはもう自分の感覚を信じてやりました。あと表紙のフォーマットが幼児教材の絵本のフォーマットと違ったので、センター合わせを最初間違えてしまいまして、そこはやっぱり会社さんによって違うなと。
何年もの時間を経て思い出がビジュアル化、視覚化されて残るって、
元の教え子や親御さんたちはすごくうれしいと思いますよ。
絵本が完成した時のお気持ちはいかがでしたか。
佐:うれしかったっていうか、本当に形にするっていいなって。言ってるだけで終わらず一歩踏み込んでよかったなと思いました。あと元の教え子のお母さんとか親族とか希望の保育園とかには絵本を配り始めているんですけど、すごくよろこんでくれて、次に続けられるかなっていう気持ちになりました。もう形にしないとダメですね。まずは自己満足でも絵本づくりに踏み込んでよかったと思います。
山:すごくきれいに印刷していただいて、オンデマンド印刷ですよね? オンデマンドってわりと色が濃く出るとか、ちょっと色が沈む感じがしていたんですけど全然それがなくて。本当にきれいに出していただいてありがたいなと思っています。自分の技術とかイラストの見せ方っていうのは反省点もいっぱいあるんですが、印刷に関してはまた次も安心してお願い出来るなって思っています。
「絵本はどのように活用されていますか。また、評判はいかがですか。
佐:まず、自分のお教室で数回、絵本を読んでみました。私が所属しているところの子どもたちは文章がまったく読めない子たちなんですけど、絵本といっしょに「怒ってる」「泣いている」という表情をしてくれたり、「ムシャムシャ」とか「ぷんぷん」という言葉を出してくれたりしていますね。子どもたちの生の声や表情に触れられるのってやっぱり現場ならではで、面白いですね。ほかには、私の知り合いの保育園とか幼稚園に寄贈させていただいているものもありますし、身内に配ったり、教え子のお母さんに前から「先生、本にしたらどう」って何度も言ってくださっていた方がいて、そういった方からお渡ししています。私自身、反省点は正直いっぱいあるんですけど、みなさんから意味のある本だねとか、絵がかわいいねって褒めていただけるのはうれしいことですね。
山:何年もの時間を経て思い出がビジュアル化、視覚化されて残るって、元の教え子や親御さんたちはすごくうれしいと思いますよ。もう感動だと思います。それはさぞよろこばれるだろうなって。私も保護者だったらきっとうれしいと思います。
絵本を作るにあたり「ガップリ!の絵本」を選んだ理由は何ですか。
山:実は私の後輩がいま印刷会社に勤めていて、最初その子に見積をお願いしたんです。でも、ハードカバー製本だとそこではちょっと厳しいということで、かわりにこういう「ガップリ!の絵本」っていうのがありますよって紹介してくれたんです。後輩が教えてくれたっていうのでちょっと安心感もありましたし、サイトで料金のシミュレーションが出来たのもよかったですね。それで千恵子先生と相談して決めました。
佐:彼女がいくつか印刷会社さんを選んで全部見積を取ってくれていて。それでB5がまず出来るっていうことと、本を増やす時にどのくらい費用がかかるのかっていうのと、今後もし私が絵本づくりを続けるってなった時にサポートしていただけるかなっていうところを考えて選びました。
「ガップリ!の絵本」をご利用いただいた感想をお聞かせください。
山:やっぱりサンプルを送っていただいたのはすごく大きかったです。そこで文字のバランスとかもわかって直せたので、あのまま印刷されてしまったらちょっと後悔が残ったと思いますね。自費出版は個人にとっては高額になりますので、そういった失敗がなく出来たのは本当にありがたかったなって思いました。
佐:夏子先生の方がいろいろ気にしてやってくれていたんですが、その中で表紙が動いちゃったっていう話をしていたんですね。その時にすぐ直してくれるっていう話をお聞きして、こんな50冊程度の本でも嫌がらずにすぐちゃんと対応してくださってありがたいなって思ったのと、あとは、こういった私どもの声を拾っていただいて、改めて私自身にカツを入れられた気分になりましたね。
今後も絵本を作られる予定ですか。
佐:いま、いくつか考えている中では大人向けの絵本もいいかなと思って。ママやパパが悩んでいる時代ですので、もう少し大人に向けた視点を持った絵本もいいかなと思いつつ、反対にもっと簡単なのでもいいのかなと思ったりして迷っています。まだ夢なんですけど、海外で本が不足しているところも見てきたので、そういうところに届けられるような絵本も今後作っていきたいですね。絵本づくりって結構パワーがいるじゃないですか。動かないと嫌になってしまうので、夏子先生にまた背中を押してもらって、それに乗っからないとと思っています。
お互いを尊敬しあうお二人だからこそ完成した絵本ですね。次回作も楽しみにしています。
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幼稚園の劇から生まれた絵本
「れいぞうこさんちのおおげんか」は、ママがいない間に冷蔵庫の中の食品たちが誰が1番かで大ゲンカするお話です。もともとは幼稚園の劇として作られたというこのお話を、今回、絵本にされた作者の佐久間千恵子さんと、絵を担当された山本夏子さんにインタビュー。絵本づくりについてお話をうかがいました。
視覚優位な子と聴覚優位な子っているんですけども、
やっぱりどんなお子さんでも絵本は好きですね。
絵本が嫌いな子はいないですよ。
この絵本を作ろうと思ったきっかけは何ですか。
佐(―佐久間さん):私は15年間幼稚園の先生をしておりまして、発表会で毎回オリジナルの劇を作っていたんですね。その中の一つをアレンジしたものが、この絵本になりました。元になったのは8年前、私にとっては幼稚園最後となったクラスの劇で、子どもたちに合わせながら作り上げた思い入れのあるお話です。保護者のお母さんたちからは発表会の後、いつも「本にしたら」と言われていたんですが、なかなか形にするきっかけがなくて。それで現場を離れて年月が経ったいま、施設長として働く中で出来ることを考えた時に、お話を形にして残したいなと思ったんです。それには夏子先生との出会いも大きくて、夏子先生が「千恵子先生が持っているものを独り占めして心に秘めていちゃだめだよ。絵本にしたら面白いんじゃない? 私が絵を描くよ」っておっしゃってくれたことで、一歩前に進む気持ちになれたというのがきっかけですかね。
どうして絵本という形態を選ばれたのですか。
佐:もともとお話を書くのが好きで結構作ってあるんですけども、子どもたちとの出会いによって絵にする楽しさを学んだんでしょうね。海外のスリランカやカンボジアの子どもたちとも接する機会があって、言葉が通じなくても私の描いたイラストで仲良くなれたという経験も大きいかも知れません、言葉の壁を越えられたっていう。老若男女、大人の方に見せても笑顔になってくれるし、私がいま働いている施設の2歳とか3歳の子や、発達がゆっくりなお子さんでも、絵を指して興味を持ってくれるのが絵本だったので、視覚的要素で作ってみたいなというのはありました。それと、やはり夏子先生の存在が大きかったですね。
山(―山本さん):私は普段イラストレーターの仕事をしているので、何かあれば声をかけてくださいねみたいな話はしていたんです。幼児教材のお仕事で絵本とかも作っているものですから、そのノウハウもありましたし、千恵子先生には私の絵のタッチを知ってもらっていたので安心してお願いしていただけるんじゃないかなと思っていました。それで、昨年の春くらいに本当に絵本を作ろうということになって、千恵子先生からこんなタッチで描いて欲しいんですけどってご依頼をいただいて、私もこういうタッチならぜひともという感じで。やっぱり内容によって絵が全然合わなかったり、好みもいろいろあると思うんですけど、原稿を見せてもらった時にちょっとサンプルで描いたら「これいいね」っていう感じで、スムーズにビジュアル化できました。
お二人はどういうご関係なんですか。
佐:彼女とはですね、幼稚園を辞めた後、保育士の専門学校の講師を4年間務めたんですけども、そこで造形とかを教えていたのが夏子先生だったんですね。
山:千恵子先生は保育園の先生だったので保育の現場のことを授業で教えて、私はあくまでも美術なので造形を教えるっていう立場なんですけども。指導するっていうところで志ですとか、日常心掛けていることですとか、感性みたいなものがお互いわりと似ているところがあって。同僚でありながらも組織内にとどまることなく関係性を深めてこられたので、今回もこうやって出来たんだなって思います。
佐久間さんはどうしてお話づくりに興味を持たれたのですか。
佐:幼稚園に勤めてから、子どもたちに毎日会っていると毎日違うことが起きるのですごく楽しくて。毎日お話が浮かぶっていうか、そういった出来事をアレンジしてお話を作るのが好きになりました。その後、専門学校の講師になって「絵本の世界」という読み聞かせの練習などをするクラスを持たせてもらってからは、もっともっとお話が好きになりましたね。いまは発達支援のお教室の施設長をしているんですが、そこでも読み聞かせは好きで園長なのに勝手に出て行ってやらせてもらったりしています。視覚優位な子と聴覚優位な子っているんですけども、やっぱりどんなお子さんでも絵本は好きですね。絵本が嫌いな子はいないですよ。
このお話のテーマは何ですか。
佐:これを劇として作った時は、みんな違っていていいんだよっていうようなことを、子どもたちというか見ている保護者の方にも伝えたいっていう気持ちで作りました。どうしてもやっぱり比べてしまう世の中ですから、その中で何か発信できることはないかなと思って生まれたお話です。それと、食べることや身近なものにもちょうど興味を持つ4、5歳児だったので、食育もいっしょに出来たらいいかなという思いもありました。
絵本の製作でこだわったところや難しかったところはありますか。
佐:夏子先生が絵本にする手配を全部してくれて、もう本当に任せっきりだったんですけど。私の中で出来たよろこびを味わいたいっていうのがありまして、みんなにあげてうれしくなるような、私自身のテンションが上がるものを作りたいということでハードカバーにこだわりました。それと彼女の方がB5の方が持ちやすいんじゃないって提案をしてくれて、そういうところは二人のこだわりの中で決めていった感じですね。
山:すでに演じたことのある作品ということで、それぞれのキャラクターが明確だったと思うんですね。その中で、私のイメージと相違がないようキャラクターの設定には注意しました。ちょっと難しかったのは、字切りですね。文章をどこで改行し、どこでスペースを空けてっていうのが、結構いろんな絵本を見たんですが本当にまちまちで。そこはもう自分の感覚を信じてやりました。あと表紙のフォーマットが幼児教材の絵本のフォーマットと違ったので、センター合わせを最初間違えてしまいまして、そこはやっぱり会社さんによって違うなと。
何年もの時間を経て思い出がビジュアル化、視覚化されて残るって、
元の教え子や親御さんたちはすごくうれしいと思いますよ。
絵本が完成した時のお気持ちはいかがでしたか。
佐:うれしかったっていうか、本当に形にするっていいなって。言ってるだけで終わらず一歩踏み込んでよかったなと思いました。あと元の教え子のお母さんとか親族とか希望の保育園とかには絵本を配り始めているんですけど、すごくよろこんでくれて、次に続けられるかなっていう気持ちになりました。もう形にしないとダメですね。まずは自己満足でも絵本づくりに踏み込んでよかったと思います。
山:すごくきれいに印刷していただいて、オンデマンド印刷ですよね? オンデマンドってわりと色が濃く出るとか、ちょっと色が沈む感じがしていたんですけど全然それがなくて。本当にきれいに出していただいてありがたいなと思っています。自分の技術とかイラストの見せ方っていうのは反省点もいっぱいあるんですが、印刷に関してはまた次も安心してお願い出来るなって思っています。
「絵本はどのように活用されていますか。また、評判はいかがですか。
佐:まず、自分のお教室で数回、絵本を読んでみました。私が所属しているところの子どもたちは文章がまったく読めない子たちなんですけど、絵本といっしょに「怒ってる」「泣いている」という表情をしてくれたり、「ムシャムシャ」とか「ぷんぷん」という言葉を出してくれたりしていますね。子どもたちの生の声や表情に触れられるのってやっぱり現場ならではで、面白いですね。ほかには、私の知り合いの保育園とか幼稚園に寄贈させていただいているものもありますし、身内に配ったり、教え子のお母さんに前から「先生、本にしたらどう」って何度も言ってくださっていた方がいて、そういった方からお渡ししています。私自身、反省点は正直いっぱいあるんですけど、みなさんから意味のある本だねとか、絵がかわいいねって褒めていただけるのはうれしいことですね。
山:何年もの時間を経て思い出がビジュアル化、視覚化されて残るって、元の教え子や親御さんたちはすごくうれしいと思いますよ。もう感動だと思います。それはさぞよろこばれるだろうなって。私も保護者だったらきっとうれしいと思います。
絵本を作るにあたり「ガップリ!の絵本」を選んだ理由は何ですか。
山:実は私の後輩がいま印刷会社に勤めていて、最初その子に見積をお願いしたんです。でも、ハードカバー製本だとそこではちょっと厳しいということで、かわりにこういう「ガップリ!の絵本」っていうのがありますよって紹介してくれたんです。後輩が教えてくれたっていうのでちょっと安心感もありましたし、サイトで料金のシミュレーションが出来たのもよかったですね。それで千恵子先生と相談して決めました。
佐:彼女がいくつか印刷会社さんを選んで全部見積を取ってくれていて。それでB5がまず出来るっていうことと、本を増やす時にどのくらい費用がかかるのかっていうのと、今後もし私が絵本づくりを続けるってなった時にサポートしていただけるかなっていうところを考えて選びました。
「ガップリ!の絵本」をご利用いただいた感想をお聞かせください。
山:やっぱりサンプルを送っていただいたのはすごく大きかったです。そこで文字のバランスとかもわかって直せたので、あのまま印刷されてしまったらちょっと後悔が残ったと思いますね。自費出版は個人にとっては高額になりますので、そういった失敗がなく出来たのは本当にありがたかったなって思いました。
佐:夏子先生の方がいろいろ気にしてやってくれていたんですが、その中で表紙が動いちゃったっていう話をしていたんですね。その時にすぐ直してくれるっていう話をお聞きして、こんな50冊程度の本でも嫌がらずにすぐちゃんと対応してくださってありがたいなって思ったのと、あとは、こういった私どもの声を拾っていただいて、改めて私自身にカツを入れられた気分になりましたね。
今後も絵本を作られる予定ですか。
佐:いま、いくつか考えている中では大人向けの絵本もいいかなと思って。ママやパパが悩んでいる時代ですので、もう少し大人に向けた視点を持った絵本もいいかなと思いつつ、反対にもっと簡単なのでもいいのかなと思ったりして迷っています。まだ夢なんですけど、海外で本が不足しているところも見てきたので、そういうところに届けられるような絵本も今後作っていきたいですね。絵本づくりって結構パワーがいるじゃないですか。動かないと嫌になってしまうので、夏子先生にまた背中を押してもらって、それに乗っからないとと思っています。
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