オリジナル絵本 インタビュー
『平田五郎』
/ 町の力持ち伝説を絵本に! /
読み聞かせボランティアのお母さんたちが、
地域の歴史に興味を持ってほしいと作った民話絵本。
「我が町の歴史を伝える民話の絵本を見たことがない。それなら自分たちで作ってしまおう!」という思いで結成されたのがサークル「りふdeおは梨」(りふ で おはなし)。地元、宮城県の利府町に伝わる「平田五郎」という人物の力持ち伝説を知り、自分たちの足で取材して、彼を主人公にした民話の絵本を作り上げました。メンバー全員が読み聞かせのボランティアで、絵本も読み聞かせのしやすさにこだわった話などを、サークル代表の西方さんにうかがいました。
結婚してから利府町に来たのですが、今まで利府の民話の絵本を見たことがありません。なので、利府の子どもたちにも地域のお話を伝えたいと思ったんです。
サークル「りふdeおは梨」は、どのようないきさつで結成されたのですか。
自分たちの子どもが通う利府町の小学校で、数年前からそれぞれボランティアの読み聞かせをしていた利府のお母さんたちが、「利府の民話の絵本を作りたいね」ということで、2021年に「りふdeおは梨」というサークルを作りました。メンバー全員が利府に住んでいるお母さんたちだったので、利府という名前を付けたんです。
読み聞かせをしていたお母さんたちが、どうして民話の絵本を作ろうと思ったのでしょうか。
利府町の近くにある、日本三景の松島で知られる松島町や、歴史的にも有名な多賀城市では、地元の民話や歴史を子どもにつなぐ活動をしています。ですが、利府は仙台圏のベッドタウンとして有名なだけで、子どもたちに地域の歴史的なことを伝える活動をほとんどしていないんです。実は私たちメンバー全員、結婚してから利府町に来たのですが、今まで利府の民話の絵本を見たことがありません。なので、利府の子どもたちにも地域のお話を伝えたいと思ったんです。
利府の子どもたちにも、地域の歴史を伝えるツールとして、どうして絵本がいいと思われたのでしょうか。
メンバー全員が絵本の読み聞かせをしていて子どもたちと触れ合っているので、その経験から、小さな子どもに伝えるのなら絵本がわかりやすくていいのかなと思いました。
みなさんで作られる最初の絵本に、どうして「平田五郎」のお話を選ばれたのですか。
はじめは、『猫の宮』という民話の絵本を作ろうと調査していたのですが、そうしたら無くなったと思われていたそのお宮を見つけてしまったんです。歴史的な発見により、『猫の宮』はそれで作業が一度ストップしてしまい、そこで2冊目に出そうと同時進行していた、この『平田五郎』を急きょ前倒しで作ることになりました。
それは面白い展開ですね!主人公の平田五郎は、地元では有名な人物なのですか。
あまり有名ではなくて、地元の人は全然知りませんでした。ただ、町の教育委員会がまとめた『利府町史』には、「平田五郎が不思議な力を得て、石を持ち上げられるようになった」という話が、数行ですが記載されています。なので、最初はこれを脚色して絵本にしようと考えました。ところが、調べていくうちに、平田五郎は戦国時代の伊達家の家臣であることがわかり、仙台市の原町に平田五郎ゆかりの「平田神社」があることも確認できたんです。平田神社の氏子さんを訪ねたら、平田五郎はものすごく背が高くて力持ちで、伊達政宗に重用されたということを教えていただいたので、そのエピソードを絵本のストーリーに付け足しました。
絵本を描くより調べる作業の方が多かったかもしれません。
とにかく、形に残っているものがほとんどなくて、一から全部調べないといけないのが結構大変でしたね。
実際にいろいろ足を運ばれているのですね。取材は大変だったのではないでしょうか。
資料が乏しい町なので、1年かけて80~90代の方に聞き取り調査をして、お寺の住職さんに聞いたり、町に残っている資料を探したり、教育委員会に話を聞いて史実を調べたりしました。絵本を描くより調べる作業の方が多かったかもしれません。とにかく、形に残っているものがほとんどなくて、一から全部調べないといけないのが結構大変でしたね。でも、この町のみなさんは本当に親切で、「あれ何ですか?」って突然訪ねてきた私たちが聞いても、ちゃんと話を聞いて答えてくださるんです。地元の住職さんは、何度も電話をくださったり、訪問した時は車で山を案内してくれたり、本当に良くしていただきました。みなさんの協力もあって、1年半という短い時間ながらかなりの情報が集まりました。
それは大変でしたね。では、絵本の制作のほうは、どのように行ったのでしょうか。
絵本づくりはメンバー全員、はじめての体験でした。インターネットで絵本の作り方を調べて、みんなで文章を書いて、何度も校正して、それぞれが絵コンテを作ってきて、どの構図がいいかを研究しました。そして、ようやくラフが固まってから、イラスト担当の友人に絵を依頼しました。また、絵本づくりの予算は、利府町のまちづくりの助成金を申請しました。申請するのもはじめてだったので、何から何まで大変なことばかりでした。
「ガップリ!の絵本」を見つけたいきさつや、選んだ決め手はどんなことでしたか。
そもそも絵本を販売しようとは思っていなくて、印刷・製本だけやってもらえる会社を探していたんです。ですが地元の業者さんは、出版社を通すような会社ばかりで、そんな時、ネットで「ガップリ!の絵本」さんを見つけました。私たちは、絵本は子どもが見るものなので、丈夫な上製本で糸かがり綴じがいいなと考えていましたが、「ガップリ!の絵本」さんのサイトを見たら、それが「基本セット」になっていて、絵本製作がわかりやすく書かれていました。料金シミュレーションもありましたし、見積もりを取ってみてもリーズナブルだったので、製作をお願いすることにしたんです。
絵本を作るうえでこだわった点や、難しかった点はありますか。
子どもにとって、わかりやすいものになるようこだわりました。絵は、子どもたちが遠くからパッと見てもはっきりわかるようにしました。文章もシンプルで読みやすくして、方言は多すぎると何を言っているのかわからなくなるので、最小限にとどめました。あとは、子どもが一人でも読めるように、文字フォントのサイズを大きめにして、すべての漢字にふりがなを付けました。難しかったところは、データ制作です。特にタブレットでイラストを描くのは、今回の絵本づくりではじめて挑戦したので、ちょっと大変な作業でした。
Twitterでつぶやいたら、河北新報の方から連絡が来て新聞に載ったんです。
しかも、その新聞を見たtbcラジオさんからも連絡をいただいて。
確かに、とってもわかりやすいと思います。この絵本ができた時のみなさんの感想はいかがでしたか。
完成品を見て、「画用紙に描いた紙芝居程度のイメージでスタートしたものが、製本まで行けたんだ!」と実感しました。自然な感じの紙質で色もはっきり出ていたし、手触りも良く、何より厚い紙だったので子どもが少し乱暴に扱っても、すぐに破けたりしないだろうなと思いました。こんなに良いものができるとは思っていなかったので、みんなも「立派なものができたね!」と感動していました。
そう言っていただけると、こちらもうれしいですい。今、絵本はどのように活用されているのでしょうか。
小学校、幼稚園、保育園、子育てセンター、図書館に献本し終わったところです。利府町は、すべての小学校に読み聞かせのボランティアがいるので、「ぜひ子どもたちに読んであげてください」というお手紙を添えて贈りました。みなさん読んでくださると思うので、どんどん広まっていってほしいと思っています。今まで、利府町は他の市町村に比べて郷土愛が薄いと感じていたので、これをきっかけに、自分の町に興味を持ってもらえるといいなと期待しています。
利府町すべての小学校に読み聞かせのボランティアがいるというのは素晴らしいですね。絵本を読んだ方、周りの方からの反響はいかがでしょうか。
配ったばかりなので、まだ読み聞かせをした感想は聞いていないのですが、読み聞かせボランティアをしている方から、「いつも教室の後ろの席にいる子にも、絵本が見えるかどうか気になっていたけれど、この本は見やすくていい」という声をいただいたので、こだわったところが伝わっていてよかったなと思いました。あと、本を作りはじめたころ「利府の民話を集めて絵本作っています」とTwitterでつぶやいたら、河北新報の方から連絡が来て新聞に載ったんです。しかも、その新聞を見たtbcラジオさんからも「絵本について話してもらえませんか?」と連絡をいただいて。歴史のある京都や奈良だったら誰の目にも止まらなかったかもしれませんが、歴史的なことにあまり興味のない土地柄だったので、目立ったのかもしれませんね。
何でもやってみるものですね。今後もこの調子で、絵本を作られるのでしょうか。
今回の絵本づくりは、全力で作業したので結構疲れもたまりました。しかも、参加したお母さんたちの半分は仕事と両立しながらの作業だったので、いったん半年くらいお休みしてから、活動を再開しようと思っています。ただ、この絵本を出したおかげで利府の人たちにも注目され、地元の方から、「スポンサーになるからもっと絵本を描いてほしい」というお話をいただいたんです。今まではお母さんたちの趣味の延長でやっていた感じだったのですが、それを聞いて本気で「やらなきゃな~」と思っています。
最後に、「ガップリ!の絵本」を利用された感想はいかがでしたか。
最初は完成品のイメージができなかったので、すぐに見本帳を取り寄せました。いろいろな見本帳があるのはいいですね。絵本の見本は、仕様を決める時の参考になりました。完成するまで、どうなるか少し不安だったのですが、納品前サンプルを見て、具体的なかたちがイメージできたので安心しました。電話をすると、いつもきちんと説明してくださり、何回も見積もりを出していただけたのは、作る側からしてみたら、とてもありがたかったですね。細かなプランの話もたくさんしていただけて良かったです。ありがとうございました。
自分たちで足を使って民話を調べ、こんな立派な絵本を作るなんてすごいですね。
子どもたちもきっとよろこんでいると思います。歴史的発見をしたという『猫の宮』の絵本の製作もご依頼いただきありがとうございました!
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読み聞かせボランティアのお母さんたちが、
地域の歴史に興味を持ってほしいと作った民話絵本。
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自分たちの子どもが通う利府町の小学校で、数年前からそれぞれボランティアの読み聞かせをしていた利府のお母さんたちが、「利府の民話の絵本を作りたいね」ということで、2021年に「りふdeおは梨」というサークルを作りました。メンバー全員が利府に住んでいるお母さんたちだったので、利府という名前を付けたんです。
読み聞かせをしていたお母さんたちが、どうして民話の絵本を作ろうと思ったのでしょうか。
利府町の近くにある、日本三景の松島で知られる松島町や、歴史的にも有名な多賀城市では、地元の民話や歴史を子どもにつなぐ活動をしています。ですが、利府は仙台圏のベッドタウンとして有名なだけで、子どもたちに地域の歴史的なことを伝える活動をほとんどしていないんです。実は私たちメンバー全員、結婚してから利府町に来たのですが、今まで利府の民話の絵本を見たことがありません。なので、利府の子どもたちにも地域のお話を伝えたいと思ったんです。
利府の子どもたちにも、地域の歴史を伝えるツールとして、どうして絵本がいいと思われたのでしょうか。
メンバー全員が絵本の読み聞かせをしていて子どもたちと触れ合っているので、その経験から、小さな子どもに伝えるのなら絵本がわかりやすくていいのかなと思いました。
みなさんで作られる最初の絵本に、どうして「平田五郎」のお話を選ばれたのですか。
はじめは、『猫の宮』という民話の絵本を作ろうと調査していたのですが、そうしたら無くなったと思われていたそのお宮を見つけてしまったんです。歴史的な発見により、『猫の宮』はそれで作業が一度ストップしてしまい、そこで2冊目に出そうと同時進行していた、この『平田五郎』を急きょ前倒しで作ることになりました。
それは面白い展開ですね!主人公の平田五郎は、地元では有名な人物なのですか。
あまり有名ではなくて、地元の人は全然知りませんでした。ただ、町の教育委員会がまとめた『利府町史』には、「平田五郎が不思議な力を得て、石を持ち上げられるようになった」という話が、数行ですが記載されています。なので、最初はこれを脚色して絵本にしようと考えました。ところが、調べていくうちに、平田五郎は戦国時代の伊達家の家臣であることがわかり、仙台市の原町に平田五郎ゆかりの「平田神社」があることも確認できたんです。平田神社の氏子さんを訪ねたら、平田五郎はものすごく背が高くて力持ちで、伊達政宗に重用されたということを教えていただいたので、そのエピソードを絵本のストーリーに付け足しました。
絵本を描くより調べる作業の方が多かったかもしれません。
とにかく、形に残っているものがほとんどなくて、一から全部調べないといけないのが結構大変でしたね。
実際にいろいろ足を運ばれているのですね。取材は大変だったのではないでしょうか。
資料が乏しい町なので、1年かけて80~90代の方に聞き取り調査をして、お寺の住職さんに聞いたり、町に残っている資料を探したり、教育委員会に話を聞いて史実を調べたりしました。絵本を描くより調べる作業の方が多かったかもしれません。とにかく、形に残っているものがほとんどなくて、一から全部調べないといけないのが結構大変でしたね。でも、この町のみなさんは本当に親切で、「あれ何ですか?」って突然訪ねてきた私たちが聞いても、ちゃんと話を聞いて答えてくださるんです。地元の住職さんは、何度も電話をくださったり、訪問した時は車で山を案内してくれたり、本当に良くしていただきました。みなさんの協力もあって、1年半という短い時間ながらかなりの情報が集まりました。
それは大変でしたね。では、絵本の制作のほうは、どのように行ったのでしょうか。
絵本づくりはメンバー全員、はじめての体験でした。インターネットで絵本の作り方を調べて、みんなで文章を書いて、何度も校正して、それぞれが絵コンテを作ってきて、どの構図がいいかを研究しました。そして、ようやくラフが固まってから、イラスト担当の友人に絵を依頼しました。また、絵本づくりの予算は、利府町のまちづくりの助成金を申請しました。申請するのもはじめてだったので、何から何まで大変なことばかりでした。
「ガップリ!の絵本」を見つけたいきさつや、選んだ決め手はどんなことでしたか。
そもそも絵本を販売しようとは思っていなくて、印刷・製本だけやってもらえる会社を探していたんです。ですが地元の業者さんは、出版社を通すような会社ばかりで、そんな時、ネットで「ガップリ!の絵本」さんを見つけました。私たちは、絵本は子どもが見るものなので、丈夫な上製本で糸かがり綴じがいいなと考えていましたが、「ガップリ!の絵本」さんのサイトを見たら、それが「基本セット」になっていて、絵本製作がわかりやすく書かれていました。料金シミュレーションもありましたし、見積もりを取ってみてもリーズナブルだったので、製作をお願いすることにしたんです。
絵本を作るうえでこだわった点や、難しかった点はありますか。
子どもにとって、わかりやすいものになるようこだわりました。絵は、子どもたちが遠くからパッと見てもはっきりわかるようにしました。文章もシンプルで読みやすくして、方言は多すぎると何を言っているのかわからなくなるので、最小限にとどめました。あとは、子どもが一人でも読めるように、文字フォントのサイズを大きめにして、すべての漢字にふりがなを付けました。難しかったところは、データ制作です。特にタブレットでイラストを描くのは、今回の絵本づくりではじめて挑戦したので、ちょっと大変な作業でした。
Twitterでつぶやいたら、河北新報の方から連絡が来て新聞に載ったんです。
しかも、その新聞を見たtbcラジオさんからも連絡をいただいて。
確かに、とってもわかりやすいと思います。この絵本ができた時のみなさんの感想はいかがでしたか。
完成品を見て、「画用紙に描いた紙芝居程度のイメージでスタートしたものが、製本まで行けたんだ!」と実感しました。自然な感じの紙質で色もはっきり出ていたし、手触りも良く、何より厚い紙だったので子どもが少し乱暴に扱っても、すぐに破けたりしないだろうなと思いました。こんなに良いものができるとは思っていなかったので、みんなも「立派なものができたね!」と感動していました。
そう言っていただけると、こちらもうれしいですい。今、絵本はどのように活用されているのでしょうか。
小学校、幼稚園、保育園、子育てセンター、図書館に献本し終わったところです。利府町は、すべての小学校に読み聞かせのボランティアがいるので、「ぜひ子どもたちに読んであげてください」というお手紙を添えて贈りました。みなさん読んでくださると思うので、どんどん広まっていってほしいと思っています。今まで、利府町は他の市町村に比べて郷土愛が薄いと感じていたので、これをきっかけに、自分の町に興味を持ってもらえるといいなと期待しています。
利府町すべての小学校に読み聞かせのボランティアがいるというのは素晴らしいですね。絵本を読んだ方、周りの方からの反響はいかがでしょうか。
配ったばかりなので、まだ読み聞かせをした感想は聞いていないのですが、読み聞かせボランティアをしている方から、「いつも教室の後ろの席にいる子にも、絵本が見えるかどうか気になっていたけれど、この本は見やすくていい」という声をいただいたので、こだわったところが伝わっていてよかったなと思いました。あと、本を作りはじめたころ「利府の民話を集めて絵本作っています」とTwitterでつぶやいたら、河北新報の方から連絡が来て新聞に載ったんです。しかも、その新聞を見たtbcラジオさんからも「絵本について話してもらえませんか?」と連絡をいただいて。歴史のある京都や奈良だったら誰の目にも止まらなかったかもしれませんが、歴史的なことにあまり興味のない土地柄だったので、目立ったのかもしれませんね。
何でもやってみるものですね。今後もこの調子で、絵本を作られるのでしょうか。
今回の絵本づくりは、全力で作業したので結構疲れもたまりました。しかも、参加したお母さんたちの半分は仕事と両立しながらの作業だったので、いったん半年くらいお休みしてから、活動を再開しようと思っています。ただ、この絵本を出したおかげで利府の人たちにも注目され、地元の方から、「スポンサーになるからもっと絵本を描いてほしい」というお話をいただいたんです。今まではお母さんたちの趣味の延長でやっていた感じだったのですが、それを聞いて本気で「やらなきゃな~」と思っています。
最後に、「ガップリ!の絵本」を利用された感想はいかがでしたか。
最初は完成品のイメージができなかったので、すぐに見本帳を取り寄せました。いろいろな見本帳があるのはいいですね。絵本の見本は、仕様を決める時の参考になりました。完成するまで、どうなるか少し不安だったのですが、納品前サンプルを見て、具体的なかたちがイメージできたので安心しました。電話をすると、いつもきちんと説明してくださり、何回も見積もりを出していただけたのは、作る側からしてみたら、とてもありがたかったですね。細かなプランの話もたくさんしていただけて良かったです。ありがとうございました。
自分たちで足を使って民話を調べ、こんな立派な絵本を作るなんてすごいですね。
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