オリジナル絵本 インタビュー
『うずまきぐるぐる』
/ 描いた「うずまき」の線が意思をもって動く、 /
不思議な世界の元気が出るお話。
主人公の女の子は「うずまき」のぐるぐるした線を描くのが大好き。彼女の気分が落ちこんだときは、描いたうずまきの線がなぜだか動き出して、彼女を励まします。不思議な世界観をもち、大人向けともいえるようなストーリーで、読むと元気づけられたような気分になります。紙の絵本を作りたいという長年の夢を実現させた作者のcatable(きゃっとえいぶる)さんに、お話をうかがいました。
少し大げさかもしれませんが、
日常の希望とか生きていくことの象徴としてうずまきを描きました。
catableさんは、ふだんどのようなことをされていらっしゃるのですか。
プロのイラストレーターではないのですが、もともと絵を描くことや絵本がとても好きでした。絵本の世界に入ることで癒される感覚があり、自分も絵本を作りたいと思って絵本教室に通ったこともあります。
一時、絵から離れていた時期もありましたが、2020年くらいにもう一度絵を描きたいと思うようになり、「ネコミミズ」というキャラクターを作って、それを中心に絵を描くようになりました。
絵本教室にも通われていたんですね。今回、絵本制作に踏み切ったきっかけは何だったのでしょうか。
一昨年(2023年現在)に比較的大きな病気にかかり、落ちこんでいた時期がありました。そのときに、何か自分の調子がよくなることをしたいと思い、うずまきをグルグル描くだけでいいから、毎日絵を描くことにしたんです。その後、昨年の夏になって病気の治療は一段落したのですが、それでも疲れを感じたり、気持ちが落ちたりすることがあって、よくなりたいという思いから絵本制作を考えるようになりました。
それで、作るなら自分にとって元気になれるような絵本がいいなと思い、もともと紙をさわっていると落ち着く性質で、紙に印刷された絵本に対する憧れも強かったので、今回の絵本を作ることにしたのです。
絵本という形にすることに、こだわられた理由は何だったのでしょうか。
こんなにちゃんとしたハードカバーで、たくさんの部数を作るのは今回が初めてですが、絵本教室に通っていたときに一冊のみの絵本を何作品か作りました。それと、2015年ごろにグループ展に参加した際、少部数ですがオンデマンド印刷で刷って、その会場で販売したことがあります。
しかし、それ以来、形になっている作品は作っていなかったので、昔のものしか人に見せることができず、「今の自分の作品」を作りたいという思いがありました。ただ、今回に関しては自分のために、自分が元気になるために作ったので、印刷して人に読んで欲しいという気持ちもありましたが、それ自体を目的としてはいませんでした。
それでも、絵本を譲った友人から読んで元気になったという話を聞くと、絵本を作ってよかったなと思います。
病気のときにも描いていた「うずまき」を、どうして絵本の題材にしようと思われたのですか。
元気がないときでも、うずまきだったら描けたりするじゃないですか。それに、うずまきを描くだけって何も進められていないような気がするけれど、それでも描いたあとは少しぐらい変化があるのではないかなと思っています。
もともと、うずまきは好きで、ネコミミズを描く以前に、「ネコイル」という作品を作っていたことがありました。へそ曲がりな猫のお腹がぐるぐるねじれてコイルになるという作品なのですが、たぶんぐるぐる回るものが好きなのかもしれません。
うずまきのような螺旋は、堂々めぐりをしているようでも、ちゃんと進んでいるというのが私のなかにあるイメージで、そこに惹かれているのでしょうね。
今作では、「うずまき」が助けてくれたり、応援してくれたり、元気を与えてくれる存在として描かれていますね。
少し大げさかもしれませんが、日常の希望とか生きていくことの象徴としてうずまきを描きました。結局、元気になるために動かなきゃいけないのは、やっぱり自分だと思うんです。だからこそ、低空飛行のときでも描けるうずまきは、私にとって進んでいくために必要なものであり、生きることの象徴でもあるんです。
ちゃんとした絵本制作は初めてだったので、サイトを見て
初心者でも作れそうだなと思えたのが
「ガップリ!の絵本」さんを選んだ決め手です。
猫のようなこのお話の主人公には、どのような設定があるのでしょうか。
絵本に名前は出てきませんが、「うぐちゃん」といって弟がいる女の子の設定です。猫といえば猫ですが、私の描く猫を姪に見せたら「猫はこうじゃないよ」と言われたことがあって、その通りだと思いました。
ちなみに、うぐちゃんが着ているワンピースは「大丈夫ワンピース」といいます。こちらも絵本では書いてありませんが、いつもは裾に「大丈夫」と入っていて、うぐちゃんがこれを着ていると安心できるという服です。
この絵本の対象年齢は、どれくらいを想定されていたのですか。
対象年齢は特に設定していませんが、たぶん大人ですね。もちろん子どもが読んでもいいのですが、もしかしたらお話がわからないかもしれません。ただ、お子さんと一緒に読んでくださった方も結構いらっしゃって、絵の好きなお子さんが「こんなに簡単な絵でもいいんだ!」と驚いていたとか、私の絵をまねして描いているお子さんもいたと聞いています。
この絵本は、左ページが絵、右ページが文になっていますが、何か意図されていらっしゃったのですか。
もともとは左ページが文で、右ページが絵でした。その方が安定感があると思ったのですが、私のコーチングをしてくださっている制作協力のEnabbyさんに見せたところ、反対だったらどうなるのかなとおっしゃられて、それで左右逆にしてみたんです。最初、少し違和感がありましたが、不安定なぶん、先に広がっていくものがあるような気がして、あえてこのスタイルにしました。
「ガップリ!の絵本」はどのように探され、また、選んだ決め手は何だったのでしょうか。
「ガップリ!の絵本」さんは、「絵本」という言葉でネット検索して知りました。ちゃんとした絵本制作は初めてだったので、サイトを見て初心者でも作れそうだなと思えたのが選んだ決め手です。
具体的には、絵本の大きさを14センチぐらいの正方形にしたかったのですが、サイズのカスタマイズを細かくできるところが、とてもいいなと思いました。また、私は紙が好きで、絵本を作るならツルツルした紙ではなく、気持ちが落ち着くような触感の紙で作りたいという思いがありました。
ですので、紙の種類が選べたのもよかったですし、本印刷前に色校正ができたのも、すごくいいサービスだなと思いました。
こだわられたサイズや本文用紙は、どんなところをポイントに選んだのですか。
サイズは最初、A4とかB5とかも考えたのですが、自分でプリントして簡単に製本してみた結果、一番しっくりきたのが14センチくらいの正方形でした。また、本文用紙には「アラモードホワイト」という紙を選んでいます。
落ち着く紙を探して何種類も確認しましたが、この用紙はさわった感じがしっとりしていて、少し厚めの紙なので、安心感がありました。
ハードカバーの絵本をたくさん作ったのは今回が初めてとのことですが、なぜハードカバーにしたいと思われたのでしょうか。
前にデジタルデータで絵本を作ったことがあったのですが、形にできなかったのが心残りで、印刷・製本するなら、どういう絵本がいいだろうと考えていたんです。それで、ハードカバーで、紙質はこんな感じで、こういう絵本が作りたいという明確なイメージが頭にあり、それを基に仕様を決めました。
色味もサイズも紙質も、「本当にこういうのが作りたかった!」と
思うものができたので、すごく感動しました。
絵本が完成したときの感想はいかがでしたか。
色味もサイズも紙質も、「本当にこういうのが作りたかった!」と思うものができたので、すごく感動しました。最新のデジタル印刷機で印刷していただき、色の再現性もとてもよかったです。自分の具合が悪くなったときに、自分に贈る本として作ったのですが、実際、落ちこんでいるときに読むとホッとします。
ご自分に贈るために制作されたということですが、どなたかに配られたりもしていらっしゃるのでしょうか。
知り合いや、病気のときにできた友だちに差し上げることが多いです。なかにはお金を支払ってくださる方もいらっしゃいますが、今回は自分が落ちこんだときのために作ったので、無償で差し上げました。最初は販売か配布かで悩んだのですが、それは今後、どのように活動するかということもふくめて、現在の課題になっています。
※2024年現在は、ハンドメイドマーケット「minne」に「ネコミミぎゃらりぃ」というネットショップを立ち上げ、そちらで販売されているそうです。
絵本を読んだ方からは、どのような声が届いていらっしゃいますか。
同じ病気だった友だちからは、落ちこんでいるときに読んだら元気になったとか、入院するときに入院グッズと一緒に持って行ったという話を聞きました。
自分のために作った絵本でしたが、それを読んで元気になったという話を聞くと、作ってよかったなと思います。
キャラクターを生かした、今後の展開なども考えていらっしゃるのでしょうか。
オリジナルグッズも作ったら楽しいなと思って、「ガップリ!」の姉妹サイトの「書きま帳+」さんでノートを2種類作りました。
ひとつは青空のうぐちゃんの絵で、もうひとつは、ドーナツを取られて怒っているうぐちゃんと、ドーナツをもらって喜んでいるうぐちゃんの絵を載せています。これらは絵本の画像データを使って作りました。
温めている次回作の構想などありましたら、教えていただけますか。
次の絵本は、まつ毛が長い猫の話を描こうかなと思っています。もともと猫にはまつ毛がないといわれているのですが、自分にはまつ毛があると思いこんでいる猫の話です。でも、まだこれから変わるかもしれません。
それは面白そうですね! それでは最後に、「ガップリ!の絵本」サービスを利用された感想をお聞かせ願えますでしょうか。
何度も見積もりを取ったり、何度も色校正をお願いしたりしたのですが、それに対してとても親切に応じていただいたので、本当にありがたいなと思っています。
また、その色校正などに、ポイントサービスのポイントが使えたので、何回も修正したわりには金銭的な負担が少なくて、とてもお得だなと思いました。
今回は、打ち合わせも問い合わせもすべてネット上で行ったのですが、応対がとてもていねいでした。実際にお会いして打ち合わせをしたら、もっとイメージが伝わり、仕上がりがさらによくなるのかなと思ったので、また何かお願いする際が楽しみです。
ネットショップ「ネコミミぎゃらりぃ」
https://minne.com/@necoiloop
お話ありがとうございました。catableさんの「うずまき」に対する思いが、心に響きました。
次回作も期待しています!
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ガップリ!の絵本ギャラリー
お客さまが上製本(ハードカバー仕上げ)で製作したオリジナル絵本を一部ご紹介しています。
オリジナル絵本 無料サンプルプレゼント中!
ガップリ!の絵本では、初めて絵本を作成する方でも安心してご注文いただけるよう、オリジナル絵本の無料サンプルをプレゼントしています!
不思議な世界の元気が出るお話。
主人公の女の子は「うずまき」のぐるぐるした線を描くのが大好き。彼女の気分が落ちこんだときは、描いたうずまきの線がなぜだか動き出して、彼女を励まします。不思議な世界観をもち、大人向けともいえるようなストーリーで、読むと元気づけられたような気分になります。紙の絵本を作りたいという長年の夢を実現させた作者のcatable(きゃっとえいぶる)さんに、お話をうかがいました。
少し大げさかもしれませんが、
日常の希望とか生きていくことの象徴としてうずまきを描きました。
catableさんは、ふだんどのようなことをされていらっしゃるのですか。
プロのイラストレーターではないのですが、もともと絵を描くことや絵本がとても好きでした。絵本の世界に入ることで癒される感覚があり、自分も絵本を作りたいと思って絵本教室に通ったこともあります。
一時、絵から離れていた時期もありましたが、2020年くらいにもう一度絵を描きたいと思うようになり、「ネコミミズ」というキャラクターを作って、それを中心に絵を描くようになりました。
絵本教室にも通われていたんですね。今回、絵本制作に踏み切ったきっかけは何だったのでしょうか。
一昨年(2023年現在)に比較的大きな病気にかかり、落ちこんでいた時期がありました。そのときに、何か自分の調子がよくなることをしたいと思い、うずまきをグルグル描くだけでいいから、毎日絵を描くことにしたんです。その後、昨年の夏になって病気の治療は一段落したのですが、それでも疲れを感じたり、気持ちが落ちたりすることがあって、よくなりたいという思いから絵本制作を考えるようになりました。
それで、作るなら自分にとって元気になれるような絵本がいいなと思い、もともと紙をさわっていると落ち着く性質で、紙に印刷された絵本に対する憧れも強かったので、今回の絵本を作ることにしたのです。
絵本という形にすることに、こだわられた理由は何だったのでしょうか。
こんなにちゃんとしたハードカバーで、たくさんの部数を作るのは今回が初めてですが、絵本教室に通っていたときに一冊のみの絵本を何作品か作りました。それと、2015年ごろにグループ展に参加した際、少部数ですがオンデマンド印刷で刷って、その会場で販売したことがあります。
しかし、それ以来、形になっている作品は作っていなかったので、昔のものしか人に見せることができず、「今の自分の作品」を作りたいという思いがありました。ただ、今回に関しては自分のために、自分が元気になるために作ったので、印刷して人に読んで欲しいという気持ちもありましたが、それ自体を目的としてはいませんでした。
それでも、絵本を譲った友人から読んで元気になったという話を聞くと、絵本を作ってよかったなと思います。
病気のときにも描いていた「うずまき」を、どうして絵本の題材にしようと思われたのですか。
元気がないときでも、うずまきだったら描けたりするじゃないですか。それに、うずまきを描くだけって何も進められていないような気がするけれど、それでも描いたあとは少しぐらい変化があるのではないかなと思っています。
もともと、うずまきは好きで、ネコミミズを描く以前に、「ネコイル」という作品を作っていたことがありました。へそ曲がりな猫のお腹がぐるぐるねじれてコイルになるという作品なのですが、たぶんぐるぐる回るものが好きなのかもしれません。
うずまきのような螺旋は、堂々めぐりをしているようでも、ちゃんと進んでいるというのが私のなかにあるイメージで、そこに惹かれているのでしょうね。
今作では、「うずまき」が助けてくれたり、応援してくれたり、元気を与えてくれる存在として描かれていますね。
少し大げさかもしれませんが、日常の希望とか生きていくことの象徴としてうずまきを描きました。結局、元気になるために動かなきゃいけないのは、やっぱり自分だと思うんです。だからこそ、低空飛行のときでも描けるうずまきは、私にとって進んでいくために必要なものであり、生きることの象徴でもあるんです。
ちゃんとした絵本制作は初めてだったので、サイトを見て
初心者でも作れそうだなと思えたのが
「ガップリ!の絵本」さんを選んだ決め手です。
猫のようなこのお話の主人公には、どのような設定があるのでしょうか。
絵本に名前は出てきませんが、「うぐちゃん」といって弟がいる女の子の設定です。猫といえば猫ですが、私の描く猫を姪に見せたら「猫はこうじゃないよ」と言われたことがあって、その通りだと思いました。
ちなみに、うぐちゃんが着ているワンピースは「大丈夫ワンピース」といいます。こちらも絵本では書いてありませんが、いつもは裾に「大丈夫」と入っていて、うぐちゃんがこれを着ていると安心できるという服です。
この絵本の対象年齢は、どれくらいを想定されていたのですか。
対象年齢は特に設定していませんが、たぶん大人ですね。もちろん子どもが読んでもいいのですが、もしかしたらお話がわからないかもしれません。ただ、お子さんと一緒に読んでくださった方も結構いらっしゃって、絵の好きなお子さんが「こんなに簡単な絵でもいいんだ!」と驚いていたとか、私の絵をまねして描いているお子さんもいたと聞いています。
この絵本は、左ページが絵、右ページが文になっていますが、何か意図されていらっしゃったのですか。
もともとは左ページが文で、右ページが絵でした。その方が安定感があると思ったのですが、私のコーチングをしてくださっている制作協力のEnabbyさんに見せたところ、反対だったらどうなるのかなとおっしゃられて、それで左右逆にしてみたんです。最初、少し違和感がありましたが、不安定なぶん、先に広がっていくものがあるような気がして、あえてこのスタイルにしました。
「ガップリ!の絵本」はどのように探され、また、選んだ決め手は何だったのでしょうか。
「ガップリ!の絵本」さんは、「絵本」という言葉でネット検索して知りました。ちゃんとした絵本制作は初めてだったので、サイトを見て初心者でも作れそうだなと思えたのが選んだ決め手です。
具体的には、絵本の大きさを14センチぐらいの正方形にしたかったのですが、サイズのカスタマイズを細かくできるところが、とてもいいなと思いました。また、私は紙が好きで、絵本を作るならツルツルした紙ではなく、気持ちが落ち着くような触感の紙で作りたいという思いがありました。
ですので、紙の種類が選べたのもよかったですし、本印刷前に色校正ができたのも、すごくいいサービスだなと思いました。
こだわられたサイズや本文用紙は、どんなところをポイントに選んだのですか。
サイズは最初、A4とかB5とかも考えたのですが、自分でプリントして簡単に製本してみた結果、一番しっくりきたのが14センチくらいの正方形でした。また、本文用紙には「アラモードホワイト」という紙を選んでいます。
落ち着く紙を探して何種類も確認しましたが、この用紙はさわった感じがしっとりしていて、少し厚めの紙なので、安心感がありました。
ハードカバーの絵本をたくさん作ったのは今回が初めてとのことですが、なぜハードカバーにしたいと思われたのでしょうか。
前にデジタルデータで絵本を作ったことがあったのですが、形にできなかったのが心残りで、印刷・製本するなら、どういう絵本がいいだろうと考えていたんです。それで、ハードカバーで、紙質はこんな感じで、こういう絵本が作りたいという明確なイメージが頭にあり、それを基に仕様を決めました。
色味もサイズも紙質も、「本当にこういうのが作りたかった!」と
思うものができたので、すごく感動しました。
絵本が完成したときの感想はいかがでしたか。
色味もサイズも紙質も、「本当にこういうのが作りたかった!」と思うものができたので、すごく感動しました。最新のデジタル印刷機で印刷していただき、色の再現性もとてもよかったです。自分の具合が悪くなったときに、自分に贈る本として作ったのですが、実際、落ちこんでいるときに読むとホッとします。
ご自分に贈るために制作されたということですが、どなたかに配られたりもしていらっしゃるのでしょうか。
知り合いや、病気のときにできた友だちに差し上げることが多いです。なかにはお金を支払ってくださる方もいらっしゃいますが、今回は自分が落ちこんだときのために作ったので、無償で差し上げました。最初は販売か配布かで悩んだのですが、それは今後、どのように活動するかということもふくめて、現在の課題になっています。
※2024年現在は、ハンドメイドマーケット「minne」に「ネコミミぎゃらりぃ」というネットショップを立ち上げ、そちらで販売されているそうです。
絵本を読んだ方からは、どのような声が届いていらっしゃいますか。
同じ病気だった友だちからは、落ちこんでいるときに読んだら元気になったとか、入院するときに入院グッズと一緒に持って行ったという話を聞きました。
自分のために作った絵本でしたが、それを読んで元気になったという話を聞くと、作ってよかったなと思います。
キャラクターを生かした、今後の展開なども考えていらっしゃるのでしょうか。
オリジナルグッズも作ったら楽しいなと思って、「ガップリ!」の姉妹サイトの「書きま帳+」さんでノートを2種類作りました。
ひとつは青空のうぐちゃんの絵で、もうひとつは、ドーナツを取られて怒っているうぐちゃんと、ドーナツをもらって喜んでいるうぐちゃんの絵を載せています。これらは絵本の画像データを使って作りました。
温めている次回作の構想などありましたら、教えていただけますか。
次の絵本は、まつ毛が長い猫の話を描こうかなと思っています。もともと猫にはまつ毛がないといわれているのですが、自分にはまつ毛があると思いこんでいる猫の話です。でも、まだこれから変わるかもしれません。
それは面白そうですね! それでは最後に、「ガップリ!の絵本」サービスを利用された感想をお聞かせ願えますでしょうか。
何度も見積もりを取ったり、何度も色校正をお願いしたりしたのですが、それに対してとても親切に応じていただいたので、本当にありがたいなと思っています。
また、その色校正などに、ポイントサービスのポイントが使えたので、何回も修正したわりには金銭的な負担が少なくて、とてもお得だなと思いました。
今回は、打ち合わせも問い合わせもすべてネット上で行ったのですが、応対がとてもていねいでした。実際にお会いして打ち合わせをしたら、もっとイメージが伝わり、仕上がりがさらによくなるのかなと思ったので、また何かお願いする際が楽しみです。
ネットショップ「ネコミミぎゃらりぃ」
https://minne.com/@necoiloop
お話ありがとうございました。catableさんの「うずまき」に対する思いが、心に響きました。
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