オリジナル絵本インタビュー
『一人じゃない　あなたもだれかのLINK』

/ SNSでエピソードを募ったうさぎの絵本を、 /
クラウドファンディングで製作。

「一人じゃない　あなたもだれかのLINK」は、文を担当したなぁちゃさんが、孤独を抱えている方に「一人じゃないよ」というメッセージを伝えるために作った絵本です。SNSやクラウドファンディングを取り入れ、絵本製作を実現されたなぁちゃさんにお話をうかがいました。

ほかの人たちも孤独を抱えている方が多かったので、
一人じゃないよっていう絵本を作りたいなと思ったんです。

この絵本を作ろうと思ったきっかけは何ですか。

私自身がアニマルセラピーとしてうさぎを飼いはじめたんですけど。うさぎって犬とかと違って毎日お散歩するわけではないので、ほかの人とコミュニケーションをとるところがないし、室内飼いだからうさぎと自分だけの世界になってしまうんですね。それで、うさぎの寿命が短い中で、少しでもみんなにかわいがってもらって、みんなに覚えていてもらえたら嬉しいなと思ってうさぎのことをSNSでアップしていくことにしたんです。そうしたら、たくさんのお友だちができて「あ、自分だけじゃないんだ、一人じゃないんだ」っていうことが、そこではじめてわかって。で、ほかの人たちも孤独を抱えている方が多かったので、一人じゃないよっていう絵本を作りたいなと思ったんです。

アニマルセラピーにうさぎを選んだのはなぜですか。

▲LINKくんと２羽のうさぎ

マンションに住んでいたことや、お散歩というところでは私がなかなかできない状況だったので、室内で飼えてお散歩の必要もない比較的飼いやすい小動物と考えた時にうさぎになりました。うちのLINKは3年前から飼いはじめたのですが、とても癒されましたね。SNSでLINKをアップしていたらお友だちもたくさんできて、そのうちの一人がうさぎを飼っていたいまの主人なんです。それで結婚しまして、主人のうさぎと私のLINKの2羽になったんですけど、最近、家の近くで多頭飼育崩壊があって、救い出したうさぎが1羽加わったので合計3羽います。すごく賑やかになりました。

SNSでうさぎとのエピソードを募集して、
「思い出」というところでいただいた話を抽出してストーリーを考えました。

絵本はどのようにして作られたのですか。

▲色づかいに温かみを感じる最後のページ

SNSでうさぎとのエピソードを募集して、「思い出」というところでいただいた話を抽出してストーリーを考えました。画像の方もみなさんから送っていただいて、それをティムさんに描いてもらったかたちです。絵を担当してくださったティムさんもSNSで知り合ったんですよ。ティムさんはうさぎの木彫りを主で作っていらっしゃる方なんですけど、絵も描かれていて。その絵を見せていただく機会があったんですがとても感銘しまして、今回、絵をお願いすることにしたんです。うさぎってすごく表現豊かなので、ティムさんには画像を送って、ここの場面はこの画像で描いていただきたいというような発注の仕方をしました。えんぴつで描いてほしいってオーダーしたのは、えんぴつの方がぬくもりがあって、そういう柔らかいタッチで表現したいなと思ったからです。うさぎを全員集めた最後のページだけはカラーにしているんですけど、それは心を開いたっていうような表現で、心が温かくなったということで色を付けてもらいました。

絵本製作でこだわった点などはありますか。

▲絵本の完成品とイラストの原画

SNSに寄せられたエピソードから作ったストーリーでみなさんとの繋がりを大切にしたかったっていうところと、紙質であったりとか、えんぴつのタッチとかでぬくもりが感じられるように作ったところがこだわりです。

お話の後に「気持ちを書きだしてみましょう」というページがありますが。

▲気持ちをかきだしてみましょう」ページ

気持ちが溢れたらアウトプットしていただきたいなと思って。辛い思いを抱えている方とかも多かったりするのかなって、この本を手にとる方は。そういう方に読んでいただきたかったので、辛い時に自分の気持ちを言葉では言えなくても、文字で書くことで表現していただけたらなと思ってこのページを作りました。

「ガップリ！の絵本」を選んだ理由や利用した感想をお聞かせください。

絵本を製作できるところをネットで探したんですが、ホームページがわかりやすかったですね。「ガップリ！の絵本」さんぐらいだったと思います、ほかはあまり探さずすぐに決まりました。それで、お話していろいろ決めたいなと思いまして「ガップリ！の絵本」さんにうかがわせていただいたんです。紙質などチェックして仕様を決めていったんですが、わかりやすかったですし、安心しました。対応してくださったスタッフの方も、女性の方と上司の男性の方がいらっしゃって、2人態勢でお話していただけたのは安心できましたね。絵本もイメージ通りに仕上がりましたし、サービスには満足しています。

とりあえずは達成感が大きかったですね。
クラウドファンディングに出品した作品だったので。

絵本が完成した時の感想はいかがでしたか。

とりあえずは達成感が大きかったですね。クラウドファンディングに出品した作品だったので、いろいろと手続きとかもあって。そっちでも忙しかったのでまずは第一関門突破という達成感がありました。

絵本を作るためにクラウドファンディングをされたのですか。

そうです、絵本製作費のためにクラウドファンディングを立ち上げました。返礼品というかたちですとか、この絵本を作るためにというものだったので、クラウドファンディングの手続きと並行しながら絵本づくりの方も進めていきました。

絵本はクラウドファンディングだけで使用されたんですか。反響はいかがでしたか。

すべて販売とかクラウドファンディングの返礼品というかたちで対応させていただきました。みなさん心が温かくなったとか、あと、クラウドファンディングの目的のひとつにこの絵本を学校や病院に置いてもらいたいっていうのがあったんですが、そういったところに寄贈してくださった方とかもいらっしゃって。それを知ってか、子どもたちが手にとって心が温かくなるような作品だと思いますっていうようなご意見もいただきました。

▲クラウドファンディングの返礼品にはこのようなうさぎの木彫りレリーフも

「タバネッタ！」も、すごく安価で使いやすかったので、
クラウドファンディングをする方にとってはとてもいいサービスだなと思いました。

絵本の絵を使って「タバネッタ！」も作られましたが、作ってみていかがでしたか。

▲絵本と一緒につくったポストカードの「タバネッタ！」

「タバネッタ！」もクラウドファンディングの返礼品のひとつとして使わせていただきました。絵を選ぶだけだったので、作るのは簡単でしたね。周りの方からは欲しいって言われたんですけど、こちらも返礼品なのであげたりはできなくて。私自身はお友だちに手紙を送ったりして使わせていただいています。「タバネッタ！」も、すごく安価で使いやすかったので、クラウドファンディングをする方にとってはとてもいいサービスだなと思いました。

今後の活動予定などがありましたら教えてください。

うさぎの専門店さんでお掃除のボランティアをはじめるところです。家族を持っているので保護活動っていうのはなかなかできないんですけど、そういったボランティアならできるかなって。いまは、そういう状況ですね。それと、これから「絵本セラピスト」の資格を取ろうと思っていて。で、絵本セラピストの資格が取れてお金が貯まったりしたら、全国行脚じゃないですけどいろいろな場所に行ってこの絵本の朗読会を開きたいなと思っています。

朗読会が実現して、この絵本でより多くの方の心を温められるといいですね。