製本タイプ
上製本/ハードカバー製本
リング製本	くるみ製本
中綴じ製本	ファイル製本
ホチキス製本	新聞型製本
印刷タイプ
冊子印刷/小冊子	オリジナルカレンダー
ポケットファイル	オリジナルノート
うちわ	インデックスタブ
用紙
標準用紙	超・厚紙印刷
表紙合紙加工	セレクト用紙

オンデマンド印刷

オンデマンド印刷とは

「オンデマンド(On Demand)」という言葉はご存知ですか。「要求・要望に応じて」という意味で、見たい映画をインターネット配信でいつでも見られる「ビデオ・オンデマンド」と呼ばれるサービスもあります。この「オンデマンド」という考え方を印刷に取り入れたのが「オンデマンド印刷」です。

オンデマンド印刷とは、デジタルデータ化した原稿を直接「オンデマンド印刷機」でプリントする印刷方式です。一般の新聞や書籍を印刷するオフセット印刷に必要な「版」を使わないため、スピーディーな出力とコスト削減ができ、少部数の印刷にも適しています。

最新のデジタル印刷機(オンデマンド印刷機)は、色域が広く発色が鮮やかで、特殊トナーの印刷にも対応しており、見栄えのよい商品を作ることができます。

かつては簡易印刷というイメージが強かったオンデマンド印刷ですが、印刷機の進歩により、きめ細かさなどもオフセット印刷の品質に近づいています。

オンデマンド印刷のメリット・デメリット

オンデマンド印刷は、印刷までの時間が短く、少部数でもリーズナブルな料金で印刷できることが大きなメリットです。それは、デジタルデータ化した原稿を印刷機に読み込み、直接出力するためで、オフセット印刷のように「版」を作ったり、インキを乾かしたりする必要がないので、製作期間とコストが削減できるのです。

同様に、オフセット印刷では、本印刷と同じ品質の校正紙を出すには時間がかかり、コストも上がりますが、オンデマンド印刷なら「版」を作らずにデータを直接出力できるので、本印刷と同品質の校正紙の出力も容易に行えます。

また、オンデマンド印刷は発色が鮮やかで表現できる色域の幅が広いことが特長です。さらに「特殊トナー印刷」を利用すれば、フルカラー印刷では出せなかった明るいピンクやオレンジ色、シルバー、ゴールド、ホワイトといったオフセット印刷では難しい特殊な色の表現も可能になります。

一方、オンデマンド印刷のデメリットとしては、少部数の印刷に向いているため、部数が適用範囲を超えると、コストが高くなることがあります。ガップリ！のオンデマンド印刷では、用紙のサイズは「A3ノビ」(330×488mm)まで対応していますが、それより大きなサイズになると、細長い「長尺印刷」か、オフセット印刷での対応となります。

オフセット印刷についてくわしく見る

オンデマンド印刷とオフセット印刷の違い

オンデマンド印刷とオフセット印刷では、まず、印刷機が違います。オンデマンド印刷はデジタル印刷機(オンデマンド印刷機)を使用し、デジタルデータ化した原稿を印刷機に読み込んで、直接プリントします。インキではなくトナーを用いてイメージを転写させ、熱と圧力をかけて素早くトナーを定着させます。さらに「特殊トナー印刷」を活用すれば、フルカラー印刷では表現できない色を出すことができ、メタリックな紙や布などオフセット印刷機で印刷することができない特殊な素材にも印刷することが可能です。

一方、オフセット印刷はオンデマンド印刷機より大型のオフセット印刷機を使って印刷します。原稿から4つの原色CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の「版」を作り、インキを使って単色で刷ったり、色を重ねたりして原稿を再現します。オフセット印刷は機械が大きいので、サイズの大きな印刷物にも対応できます。また細かな表現を得意とし、小さい文字や繊細なライン、微妙なグラデーションを美しく再現するのに高い能力を発揮します。「特色印刷」も可能なので、幅広い色彩のインキが使用できます。

部数やページ数にもよりますが、オンデマンド印刷は「版」を作る必要がなく、その分の時間やコストが抑えられるので、少部数の印刷でしたらオンデマンド印刷がおすすめです。オフセット印刷は「版」を作ったり、印刷したインキを乾かしたりと時間とコストはかかりますが、大量に刷っても印刷品質の安定性が高く、刷れば刷るほど1部あたりのコストが下がるため、部数がかなり多い印刷に向いています。

商品用途

オンデマンド印刷は、その特長からさまざまな商品に使われています。とくに、ガップリ！のオンデマンド印刷なら、「特殊トナー印刷」や「超・厚紙印刷」、特殊な素材への印刷も可能なので、さらに幅広い商品用途に対応できます。

例えば、オンデマンド印刷は発色が鮮やかで少部数でも印刷できることから、個人で作る絵本や、写真集で使われています。「フルカラー印刷よりも明るいピンクやオレンジ色でイラストを表現したい」、「人物写真の肌色をもっと明るくしたい」という場合も、オンデマンド印刷なら「特殊トナー印刷」で対応できます。

また、「特殊トナー印刷」は、商品の表紙やブックカバーに、ゴールドやシルバーの題字が入れられるため、高級感のある記念誌や自分史にもおすすめです。

オンデマンド印刷のリング製本なら「サンカード420g」までの「超・厚紙印刷」もできるので、卒業・卒園の記念アルバムでも多く利用されています。

当社のオンデマンド印刷機の特長(特殊トナー印刷)

当社では、高性能な大型デジタル印刷機を4台使用しています。

このオンデマンド印刷機の大きな特長は「特殊トナー印刷」ができることで、通常のフルカラー印刷では表現できないゴールド、シルバーのメタリックカラーや、ホワイト、蛍光ピンクにも対応しています。

4色の特殊トナーは、それぞれ単色でアクセントに使用できるほか、フルカラーとシルバーを掛け合わせて画像に立体的や光沢感を出したり、フルカラーに蛍光ピンクを掛け合わせて鮮やかなピンクやオレンジ色などを再現したりすることもできます。また、ブラック用紙やクラフト用紙など紙に色がついている場合でも、絵柄の下にホワイトやシルバーの特殊トナーを敷くことで、カラフルな印刷が可能になります。

環境配慮への取り組み(Green Power・工場認可)

▲当社が導入している「Iridesse™ Production Press」

当社は、深刻化する環境問題に対し、地球環境に配慮した生産に取り組んでいます。少部数でも必要な分だけ刷れ、損紙の少ないオンデマンド印刷の導入もそのひとつで、20年以上にわたり活用を推奨しています。私たちは条例を遵守し、オンデマンド印刷機をはじめとするさまざまな設備を運用しています。

工場では、使用している富士フイルムビジネスイノベーションのオンデマンド印刷機で「グリーン電力証書」を活用し、温室効果ガスの抑制に寄与しています。

「グリーン電力証書」は、購入するとその費用がグリーン電力の発電のために使われます。それにより、従来の電力を使用してもグリーン電力を使用したとみなされるシステムで、印刷業界でも注目を集めています。

「グリーン電力証書」の活用により、対象の印刷機でプリントした印刷物には「Green Powerマーク」が印刷できます。環境問題に取り組まれ、商品に「Green Powerマーク」を入れたいというお客さまは、ご相談ください。

また、当社は、東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」により、新宿区から工場の認可を受けています。これからも、条例を遵守し、公害防止に励んでまいります。

カラーマネジメント(Japan Color)

私たちは、いつでも安定した色再現ができるように、今まで培った印刷技術に加え、ISO国際標準に準拠した「Japan Color認証制度」を活用し、印刷のカラーマネジメントに取り組んでいます。

この「Japan Color認証制度」には、オフセット印刷の「Japan Color標準印刷認証」と、オンデマンド印刷の「Japan Colorデジタル印刷認証」があり、当社は2017年11月に2つの認証を同時に取得しました。

それにより、例えばオンデマンド印刷で作った商品をオフセット印刷で大量に増刷したり、反対にオフセット印刷で作った商品の足りなくなった分だけをオンデマンド印刷で刷ったりしても、同じ品質基準で印刷するノウハウを得ることができました。

また、オンデマンド印刷で「本機校正」と同じ品質基準で印刷した校正紙を出力することができるようになったので、オフセット印刷をご利用されるお客さまの時間とコストの削減に役立てられています。

オンデマンド印刷のカラーマネジメント

オンデマンド印刷の色管理は、印刷機に内蔵されているインラインセンサーを使って自動階調補正(キャリブレーション)を行い、安定した品質の維持に努めています。以前は測色機を使用し手作業で測色を行っていましたが、インラインセンサーの導入により、効率よく安定した色管理ができるようになりました。

ガップリ！で使用している4台のオンデマンド印刷機は、台ごとによる個体差を調整するため「リモートカラーマネジメント」を取り入れています。これは4台それぞれの印刷機からクラウド上のサーバーに測色結果を送信し、もし、サーバーのプロファイルと色差があれば印刷機に調整が促されるシステムです。印刷機の台が変わっても安定した色再現ができ、追加印刷のお客さまも安心してご注文いただけます。